食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 研究:高用量ビタミンB摂取と肺がんに明確な関連

Study: Clear link between heavy vitamin B intake and lung cancer
22-Aug-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-08/m-scl081717.php
高用量サプリメントの長期使用は男性喫煙者のリスクを3倍以上にする
ビタミン業界が長い間代謝を亢進しエネルギーを強化すると宣伝して生きたビタミンB6とB12を長期間高用量サプリメントでとり続けることは、使用していない人と比べて男性の肺がんリスクを2-4倍に増加させることと関連する。
男性の喫煙者で10年以上、ビタミンB6を1日20mg以上あるいはB12を55mg以上使用している場合さらにリスクは上がる。Journal of Clinical Oncologyに発表されたオハイオ州立大学包括的がんセンター等の疫学研究者らの研究。
ODSの資金提供。動画付き
(ビタミンB6を1日20mgって普通に売られているものに入っている。
高用量ビタミンBは肺がんリスクと関連、研究が言う
High doses of vitamin B tied to lung cancer risk, study says
http://edition.cnn.com/2017/08/22/health/vitamin-b6-b12-lung-cancer-study/index.html
CNNはちゃんと報道。しかもきっちり取材している
平均的アメリカ人はビタミンB欠乏にはならない。
ダイエタリーサプリメントを使用している人の多くは、食事から摂る栄養を補充するためではなく、それで健康になれると考えている。サプリメントを使用する人には二種類いて、病気があってそれをサプリメントで良くしようとする人と、健康でずっと健康でいたい人。

Daily Mailも
Energy-boost vitamin B pills linked to lung cancer: Risk can be double in men who take high doses over long periods
23 August 2017
http://www.dailymail.co.uk/health/article-4814564/Energy-boost-vitamin-B-pills-linked-lung-cancer.html
健康食品業界が、観察研究での関連は信頼できないと言っていて、自分たちの宣伝の根拠も否定しているところが皮肉)

  • 帝王切開後の膣細菌移植は「リスキー」と医師が警告

Vaginal seeding after Caesarean 'risky', warn doctors
BBC News website
http://www.bbc.com/news/health-41011589
帝王切開で生まれることがある種の免疫関連疾患と関係があるとされているために、膣の細菌を新生児につけることが流行している。しかしそれが役にたつという根拠はない。
BJOG: An International Journal of Obstetrics and Gynaecologyに発表された報告によるとデンマーク産婦人科医の90%以上が膣の細菌を新生児につけることについて尋ねられたことがある。英国では赤ちゃんの約1/4が帝王切開で生まれる。
BJOGコメント
帝王切開で生まれた新生児に母親の膣の微生物を移すこと:臨床管理に関するコメント
Vaginal seeding or vaginal microbial transfer from the mother to the caesarean-born neonate: a commentary regarding clinical management
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/1471-0528.14792/full

  • Staten島のオピオイド危機は全ての人種、年代、社会経済的バックグラウンドの人に影響している

Opioid crisis in Staten Island affects all races, ages, and socioeconomic backgrounds
22-Aug-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-08/cums-oci082217.php
メディアの報道とは違って、Staten島のオピオイド危機は金持ちの若い白人だけの問題ではなく、全ての住人に影響する。Staten島地方司法長官事務所から発表されたコロンビア大学Mailman公衆衛生学校と国際公共活動学校の研究。

  • 調味ソースの塩含量は大きく異なる、新しい研究が明らかにする

Massive variation in salt levels found in cooking sauces, new study reveals
August 23 2017
http://www.smh.com.au/national/massive-variation-in-salt-levels-found-in-cooking-sauces-new-study-reveals-20170821-gy0u2n.html
過去7年主要スーパーマーケットで販売されていた2215の調理ソース製品の分析の結果、塩の濃度に大きな違いがあった
Tenuta FragassiのNapoletanaパスタソースに比べてBarillaのオリーブソースは100gあたり1.88gと90倍も多い。食品業界は塩を減らすべきである
オーストラリア。
Changes in salt levels in cooking sauces, Australia (2010-2017)
23/08/2017
http://www.georgeinstitute.org/media-releases/australian-family-favourite-cooking-sauces-are-packed-with-salt-research-shows