食品安全情報blog過去記事

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論文

カフェインはヒトの感じられる甘味を減らすかもしれない、アデノシン受容体が味を修飾するという根拠を支持
Caffeine May Reduce Perceived Sweet Taste in Humans, Supporting Evidence That Adenosine Receptors Modulate Taste
Ezen Choo, et al.,
Journal of Food Science
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/1750-3841.13836/full
デカフェコーヒーに200mgのカフェインあるいは同じくらいの苦さのキニーネを入れて飲んでもらってから味覚検査をした。コーヒーの甘味、およびコーヒーを飲んだ後のショ糖溶液の甘味について、カフェイン群は低く評価した。苦味、酸味、塩味、うまみについては変化はなかった。またカフェインの有無については判別できず、両群とも反応時間に有意差はないが注意力が上がったと報告し、コーヒーの強力なプラセボ効果を示した。

  • エピゲノム脱制御とがんの環境起源を調べるロードマップ

IARC
Roadmap for investigating epigenome deregulation and environmental origins of cancer
Herceg Z, et al.
Int J Cancer. Accepted manuscript online 24 August 2017
http://dx.doi.org/10.1002/ijc.31014
個人の環境暴露の記録としてのエピジェネティック変化についての最新研究のレビュー。環境刺激と発がんをつなぐメカニズムとしてのエピジェネティックを知るために必要な研究はどんなものか、など。

  • 抗炎症は心臓発作リスクを下げる

Scienceニュース
Anti-inflammatory cuts risk of heart attack
By Jennifer Couzin-FrankelAug. 27, 2017 ,
http://www.sciencemag.org/news/2017/08/anti-inflammatory-cuts-risk-heart-attack
本日発表された1万人以上の心臓発作患者での臨床試験が、炎症を止める薬物で彼らを脳卒中や二回目の心臓発作から守る新しい方法を支持する。このアプローチは一部の科学者により何年も開発されてきたが、効果があることを決定的に示したのはこれが初めてである。
ノバルティスによるカナキヌマブ抗炎症血栓形成アウトカム研究Canakinumab Anti-inflammatory Thrombosis Outcomes Study (CANTOS)では、同時に治療群の肺がん症例が少ないことも発見し、炎症経路がそのようながんの増殖を開始あるいは促進するという基礎研究の知見の再考を促す。
(略)
CanakinumabはIL-1βという分子を特異的に標的にする。参加した患者は全てCRPレベルが高く、積極的スタチン療法などの最良の治療を受けている。その半分に毎年4回、3つの投与量のうちの一種類のCanakinumabを点滴された。結果は中程度ながら差があった。1年後のプラセボ群の再発リスクは4.5%、中用量の薬物投与群は3.86%だった。またステントあるいはバイパス手術の必要性が30%少なかった。
結果は現在スペインのバルセロナで開催されている欧州心臓学会で発表され、NEJMと、がんの解析はThe Lancetに発表された。
ここからどうするかは複雑な問題で、そのひとつはCanakinumabが一回あたり16000ドルと高価なことである

  • Guelphの研究が絶滅危惧のサメやエイが世界的食品市場でさらに脅かされていることを示す

Guelph study shows endangered sharks, rays further threatened by global food markets
25-Aug-2017
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2017-08/uog-gss082417.php
Guelph大学の研究が、伝統的医薬品として世界中で販売されているフカヒレやマンタの鰓の大部分が絶滅危惧種のものであることを明らかにした。最新のDNAバーコーディング技術を用いて、乾燥ヒレや鰓の71%が絶滅危惧のために国際取引が禁止されている種類のものであることを発見した。Scientific Reports