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リボフラビンの食事摂取基準

Dietary Reference Values for riboflavin
EFSA Journal 2017;15(8):4919 [65 pp.]. 7 August 2017
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/4919
欧州委員会の要請に従い、食品、栄養、アレルギーに関するEFSAのパネル(NDA)はリボフラビンの食事摂取基準(DRVs)を導出した。NDAパネルはリボフラビンの摂取時の尿のリボフラビンの排泄曲線の変曲点が体の飽和を反映し、適切なリボフラビン状態のバイオマーカーとして利用できると考えた。また赤血球グルタチオン還元酵素活性化係数も役に立つバイオマーカーだが限界があると考えた。成人の平均必要量(ARs)と集団基準摂取量(PRIs)は4つの介入研究で報告された尿のリボフラビンの排泄曲線の変曲点に関するリボフラビン摂取の重量平均から決定できると考えた。求められる変動の情報が不足しており、身体活動とメチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素677TT遺伝子型の影響の可能性を考慮して、10%の変動係数を想定して成人と子供のPRIsが導出された。成人のAR と PRIは1.3 と 1.6 mg/日が設定された。7–11か月の乳児には、母乳だけを与えられる0-6か月の乳児のリボフラビン摂取から上方への外挿によって0.4 mg/日の目安量が設定された。子供のARsは相対成長率と成長係数を適用し、参考体重の違いを考慮して成人のARから下方の外挿で導出された。1-17歳の男女両方の子供のARsは0.5 〜1.4 mg/日、PRIsは0.6 〜1.6 mg/日の範囲である。妊婦と授乳中の女性には胎児の摂取、妊娠中の胎盤リボフラビン増加、母乳からの損失による追加必要量が検討され、1.9 と 2.0 mg/日の PRIsがそれぞれ導出された。