食品安全情報blog過去記事

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その他

  • フィプロニル事件はオランダの家禽業界に6600万ユーロ以上のコスト

Fipronil saga cost Dutch poultry industry over €66m
Sep 12, 2017
http://www.poultryworld.net/Health/Articles/2017/9/Fipronil-saga-cost-Dutch-poultry-industry-by-at-over-66m-182711E/
スーパーマーケットチェーンが農家に苦情を申し立てると言っているので最終的経済損失はもっと増えるだろう。一部の農家は破産するだろう。
オランダ家禽団体のEric Hubers会長はこのような事態は全く予想していなかったという。
彼は昨年11月に内部告発があったのに速やかに対応しなかったベルギーとオランダの当局を批判している。Hubers会長は国際メディアの注目の高さに驚いたという。農家は悪くないという。オランダ当局は補償する計画はない。
(Chick Friendが「オーガニックで使える秘密の成分だから大丈夫だ」と言ったので農家は悪くないという主張が納得されるわけないでしょうに。効果があったので約20%に相当する200以上のオランダの農家で使った、とのこと。)

  • 2回目のフィプロニル検査で陽性だったため3つの卵農場は閉鎖されたまま

Three egg farms to remain closed after testing positive in second fipronil test
Paul Cocks
11 September 2017,
http://www.maltatoday.com.mt/news/national/80403/three_egg_farms_to_remain_closed_after_testing_positive_in_second_fipronil_test#.WbjXydOQxaQ
先週卵から微量のフィプロニルが検出されて閉鎖された5つの農場のうち3つは二回目でも陽性だったため閉鎖されたまま。マルタ。

  • Westchester(ニューヨーク州エストチェスター郡)での肝炎暴露:医者は減量、ホルモン療法を専門にしていた

Hepatitis exposure in Westchester: Doctor focused on weight loss, hormone therapy
Sept. 12, 2017
http://www.lohud.com/story/news/investigations/2017/09/12/dr-timothy-morley-hepatitis/657324001/
当局は数百人の患者が暴露された可能性があると考えている
Timothy Morley医師の魔法の減量法の約束が肝炎陽性と関連する。火曜日に保健当局がTimothy Morley医師の調査をして新たに注射や点滴していた減量サプリメントや溶液の詳細について報告された。
Morley医師の「明日の医療」診療所で治療された患者4人が同じ系統のC型肝炎陽性だったために保健当局が警告を出した。火曜日の午後には20人以上が検査を求めた。しかし何人が暴露されたのかを把握するのは困難である。Morley医師は患者の記録を提供することができない。診療所は衛生が完全に欠如していて一人用バイアルが何人にも使われていたあるいは期限切れで使われた可能性がある。Morleyはオステオパシー医で、ウェブサイトでは無数の劇的に減量できたという体験談を宣伝している。さらにホルモンが全てを調節していると書いてある。
オステオパシー医をドクターと呼ぶのは紛らわしいけど。日本の整体師・鍼灸師みたいなものだと思えばいいかな。普通の病院に行こう。)

  • 大学での昇級には再現性を評価すべき

Natureニュース
Faculty promotion must assess reproducibility
12 September 2017
http://www.nature.com/news/faculty-promotion-must-assess-reproducibility-1.22596
研究所は業績について率直に自己批判できる職の候補者を明確に探すべき、とJeffrey Flierはいう
生命医学コミュニティでは再現できない研究という怪物が彷徨っている。内在する変動意外にたくさんの要因がある:不適切な訓練、競争の激化、ピアレビューと出版の問題、そして時に科学的不正行為。原因が多様であることが解決を困難にしている、特にそれは資金提供者や出版社などを含む独立した構成要員が実行しなければならないので。
対策強化が必要なグループの一つは私の属するアカデミックの主導者達である。ハーバード大学医学部の学部長として、私は1万人以上の学部の職への任命や昇進を監視してきた。
大学は科学をより信頼できるものにするために、もっと良くできるししなければならない。最も効果的で最も議論されていないのが採用と昇進のやりかたを変えることである。
(略)
今日、我々は科学者にとって必須の自分自身を疑うことができるかどうかを評価していない。自分の仕事が如何に素晴らしいかを示すことだけが推奨されている。私は自分の仕事の限界を深く理解している科学者が記憶に残っている。学校の主導者達がその長所を明確にすれば役割は強化されるだろう
自己宣伝に対して内省の割合を増やす努力が科学を改善する良い方法だろう

  • 食品が思ったより多過ぎるのは良くない時

When More (Food) Is Less Than It Seems
by Berkeley Wellness | September 12, 2017
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/diet-weight-loss/article/when-more-less-it-seems
提供される食品のサイズが大きくなったことを判断するのは減ったことを判断するより難しい、Journal of Experimental Psychology: General.に最近発表された一連の研究によると。このことは何故人々がお気に入りのブランドが包装サイズを減らしたことには良く気がつくのに増えた時にはあまり気がつかないことを説明できるかもしれない。経済(値段が同じでサイズが小さくなったらだまされたように感じる)と「損失回避」(同等の獲得より損失を避けることの方を好む)だけの問題ではない。認識の問題でもある。
ある研究では510人に小さなチョコレートキャンディーが37, 74, 148, 296, 592個入った透明なカップを見せた。サイズ減少試験では最大のものに592個入っていると教えた後に他のカップの数を予想してもらった。平均して回答は極めて正確であった。(36, 74, 163, そして 346)。一方最も小さい37個を教えて他の数を推定してもらうと大きく過小推定した平均で57, 102, 184,および 296)
別の研究では食事の量の感覚を知っているであろう70人のプロのシェフと給仕に、マッシュポテト、ガスパッチョ、タブーラサラダの量を連続的に二倍にして見せた。彼らは増加分を平均して約1/3と過小推定したが、半分ずつに減らしたときは正確に判断した。
研究者らは、サイズの減少を推定するのが簡単なのは「自然に下限がある」からだと仮定している−つまりサイズがゼロより下になることはない。しかし増加するときには、上限はなく、何かがどのくらい大きくなるのか判断が難しい。
研究者らはそのような知見がなぜ多くのヒトが食品や飲料がスーパーサイズになっているのに過小推定するあるいは気がつかないのかを説明するのに役立つかもしれないという。
(だから客観的なものさしで「計る」んだよ。人間の感覚は不正確。感覚を信じろ、フィーリングを大切に、と言うのは詐欺師)

  • 英国の牛結核対策のためのアナグマ殺区域の拡大が議論をまきおこす

Scienceニュース
U.K. expands kill zone for badgers in fight against bovine TB, sparking controversy
By Erik StokstadSep. 12, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/09/uk-expands-kill-zone-badgers-fight-against-bovine-tb-sparking-controversy
英国は牛を襲う結核の系統を根絶するためのキャンペーンで殺すアナグマの数を3倍にする計画で、DEFRAは来年33841匹のアナグマが撃ち殺されるだろうと昨日発表した。野生生物保護主義者はこれに怒り、科学者は成功するかどうか疑っている。牛結核は英国で20年間拡大していてイングランドは欧州で最も多い。ミルクは殺菌すれば細菌が死ぬのでヒト健康には影響ない。牛の群れは定期的にチェックされていて感染が見つかると群れ全部が殺される。昨年は29000頭が処分された。群れへの感染は診断されていない感染牛と、野生生物での主な保菌者であるアナグマを介して、である。
(写真が可愛い)