食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • あたらしい研究がインフルエンザワクチンと流産の関連を発見。しかしそれは本当か?

Scienceニュース
New study finds link between flu vaccine and miscarriage. But is it real?
By Jon CohenSep. 13, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/09/new-study-finds-link-between-flu-vaccine-and-miscarriage-it-real
ScienceInsiderが2005年に「臨月を迎える:流産の真実を明らかにする」という本を書いたスタッフライターのJon Cohenに今日のホットニューについて展望を聞いた。
今日、ウェブにはインフルエンザワクチンと流産を関連させる見出しがでかでかと掲載された。新しい研究はワクチンの安全性への疑問につながるだろうとワシントンポストは書いた。この論文のラストオーサーであるEdward Belongiaは広く尊敬されているインフルエンザの研究者で発表された雑誌Vaccineはトップジャーナルである。
しかしこの小規模研究は「かもしれない」、「可能性がある」(“possible,” “may,” “could”)という単語だらけで研究者自身がこの仕事には重大な“important”限界があると強調している。
(論文の説明)
インフルエンザ報道については世界で最も明敏なレポーターであるStatのHelen Branswellは適切に警告している。「実際のところ、この著者らはこの知見が現実の影響なのか何らかの統計学的偶然の産物なのか明確にしていない」
事実であることが証明できなかった恐ろしい流産との関連の発見には長い歴史がある。流産はよくあることで、原因は多くの場合謎で、交絡要員はたくさんある。この研究の著者らが言及していない問題の一つは、多くの流産は最初から生きて生まれることのできない妊娠であることである。我々はこのことを流産胎児の解析で知っている。全ての流産の約半分は染色体異常である。対象と事例との核型の比較なしにはワクチンとの関連をしっかり決めることはできない。
(反ワクチンに使われることはわかっていて出版したんだよね?雑誌も研究者も。)

Social media ‘bots’ tried to influence the U.S. election. Germany may be next
By Kai KupferschmidtSep. 13, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/09/social-media-bots-tried-influence-us-election-germany-may-be-next
ドイツの9月24日の選挙に向けて、専門家がソーシャルネットワークの自動化宣伝活動の兆候を観察している。今のところフランスや米国の大統領選挙より活発ではないようだ。研究者が特に集中して見ているのは自動アカウントを禁止していないTwitterである。南カリフォルニア情報科学研究所のコンピューター科学者Emilio Ferraraは、世界中の1400万のユーザーのツイートを解析して最大15%のツイッタープロフィール−5000万−がボットであると推定している。その多くが政治の産物である。
(以下略)

  • 欧州議会は福島食品輸入検査を減らす案に反対

EU parliament opposes bid to reduce testing of Fukushima food imports
Sep 14, 2017
https://www.japantimes.co.jp/news/2017/09/14/national/politics-diplomacy/eu-parliament-opposes-bid-reduce-testing-fukushima-food-imports/#.WbodddNrxaQ
水曜日に欧州議会は2011年以降福島地域から輸入される食品に対して行われている管理を緩めることを警戒した。欧州委員会は輸入前の検査対象食品リスト(現在コメ、キノコ、魚その他シーフードを含む)を減らしたい。議員の大多数で採択された決議では欧州委員会にこの提案の取り下げを要求した。「提案された対策が十分かどうか評価できない」という理由で。フランス緑の党のMichele Rivasi欧州議会議員はEUと日本が自由貿易協定の協議を行っているため特に監視が必要だという。議会は規制緩和の決定に使ったデータが提供されていないことを批判した。この問題は10月に予定されている投票の前に、EU加盟国が指定した専門家により今後検討されるだろう

MEPs fear exposure to radioactive ‘Fukusushi’ if EU relaxes Japan import controls
‎2017‎年‎9‎月‎7‎日
https://www.euractiv.com/section/agriculture-food/news/meps-fear-exposure-to-radioactive-fukusushi-if-eu-relaxes-japan-import-controls/
9月7日に欧州議会環境委員会で欧州委員会規制緩和案に反対する決議
緑の党の皆さんは放射性Fukusushiとか酷い言い方
一方英国保守党のJulie Girlingは反対するのは不必要で正当化できない、彼らはトランプスタイルの「オルタナティブファクト」を振りまいている、と批判。「過去5年日本から輸入された食品や飼料が法的規制値を超えたことはない。」)
http://www.europarl.europa.eu/ep-live/en/committees/video?event=20170907-0900-COMMITTEE-ENVI

  • ビクトリア大学の科学者は福島災害によるピーク汚染は今やわかった、という

UVic scientist says peak contamination levels from Fukushima disaster are now known
September 13, 2017
https://www.cheknews.ca/uvic-scientist-says-peak-contamination-levels-366328/
Fukushima InFORM (Integrated Fukushima Ocean Radionuclide Monitoring)プロジェクトを率いているビクトリア大学の海洋化学者Jay Cullenは北太平洋のこの地域で海洋やヒトの生命に脅威となるようなレベルに達したことは一度もない、という。最も高いときで福島由来の汚染は1950年代後半から1960年代の1/10で、現在が1970年代程度で、2017-2018年にはさらに減るだろう。
(グラフ有り)

  • 隠された飢餓:如何にして反GMO活動家がアフリカとアジアの人道的生物学的強化を阻止しているか

Hidden hunger: How anti-GMO activists are blocking humanitarian biofortification in Africa and Asia
Isaac Ongu | September 12, 2017
https://geneticliteracyproject.org/2017/09/12/hidden-hunger-anti-gmo-activists-blocking-humanitarian-biofortification-africa-asia/
それは「隠された飢餓」と呼ばれる。途上国で栽培されている作物の多くは栄養の欠乏があり、食糧安全保証向上のために生物学的強化が重要になる。隠された飢餓は表に出ない。それは一見適切な量の食品を食べているように見える人々に影響する。WHOは隠された飢餓をビタミンやミネラルの欠乏と定義して約20億人が欠乏だと推定している。最も影響されているのは低所得家庭の女性と子どもである。そのせいで成長や健康や労働能力が制限され早期に死亡する。このことがゴールデンライスプロジェクトの背景にある推進力の一つである。UNICEFによるとビタミンA欠乏のために世界中で110万人以上が早期に死亡し盲目やその他の病気になりやすくなる。ゴールデンライスは生物学的強化作物の良い例である。他に赤身のサツマイモや亜鉛や鉄の多い豆などがある。一部は遺伝子組換えで、反GMO団体からの抵抗にあっている。
(いろいろ略。著者はアフリカのライター)