食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

小さな硬い砂糖玉による窒息のリスク

Suffocation risk from small hard sugar balls
BfR Opinion No. 025/2017 of 07 September 2017
http://www.bfr.bund.de/cm/349/suffocation-risk-from-small-hard-sugar-balls.pdf
ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は、2010年に、大きな硬い砂糖玉が健康にリスクを生じる可能性について、評価を行った(http://www.bfr.bund.de/en/press_information/2011/08/risk_of_suffocation_for_children_by_hard_sugar_balls-61222.html)。この時、評価の焦点は特に、砂糖玉が(なめることで小さくなり)好ましくない状況で口腔から喉に滑り落ちた場合、気道をふさぐのはどの位の大きさからか、ということであった。児童にとって危険なサイズはおよそ直径40 mmで、このサイズの硬い砂糖玉はまだ大きすぎて飲み込めない。
こうした以前の知見に基づき、BfRは現在、5歳頃からの子供が偶然あるいは意図的に飲み込んで気道が塞がれる結果を招くには、まだ十分大きい小ぶりの硬い砂糖玉のサイズを調べている。特定の状況では、球状物体は、喉の最も低い部分や上食道狭窄部に滑り落ち、そうした場所は通過するには狭すぎるため、そこで引っかかってしまう。この場所で球状の物体が引っかかると、ほとんど完全に、あるいは全体的に気道を塞ぐこととなり、そのため命を脅かす事態になりかねない。このような事故が生じる可能性はとても低いが、そうは言うものの最終的に死に至りうる深刻な健康障害が生じる可能性があるため、問題である。
5歳頃の子供においては、直径が14 mmまでの玉は、そのような場合でも、高い確率で安全だとみなすことができる。この年齢では、このサイズまでの表面の滑らかな球状の物体は、リスク無しに喉の解剖学的「ボトルネック」を通過することができる。
BfRは、より幼い子供については、硬い砂糖玉のサイズに起因するリスクの評価を行っていない。5歳未満の子供には、一般的に、一噛みで砕くことのできない球状のお菓子を食べるのを控えさせるべきである。
硬い砂糖玉についてのさらなる情報は以下のウェブサイトで参照できる。:
BfRの見解:チューインガムを芯にした硬い砂糖玉による窒息リスク
http://www.bfr.bund.de/cm/349/risk-of-suffocation-through-hard-sugar-balls-with-chewing-gum-core.pdf
・報道資料:硬い砂糖玉による子供の窒息リスク
http://www.bfr.bund.de/en/press_information/2011/08/risk_of_suffocation_for_children_by_hard_sugar_balls-61222.html