食品安全情報blog過去記事

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その他

  • カナダは新しい主任科学アドバイザーを指名

Scienceニュース
Canada names new chief science adviser
By Brian OwensSep. 26, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/09/canada-names-new-chief-science-adviser
心臓研究者でオタワ大学研究副部長のMona Nemerが新しい主任科学アドバイザーに指名された。Nemerの事務所には200万カナダドルの予算が割りあてられてJustin Trudeau首相とKirsty Duncan科学大臣への科学的助言を提供する。
カナダで主任科学アドバイザーが初めて登用されたのは2004年のPaul Martin首相の時で2008年のStephen Harper保守政権では無くなっていた。

  • フリントの鉛危機は数百の胎児の死を引き起こしたかもしれない

Flint’s lead crisis may have caused hundreds of fetal deaths
Sep. 22, 2017
http://www.sciencemag.org/news/sifter/flint-s-lead-crisis-may-have-caused-hundreds-fetal-deaths
11月に公共政策学会で発表予定の新しい研究によると2015年3月から2013年11月までの17ヶ月間に198-276の子ども達が生まれていただろう。

  • Wikipediaが学術論文の言語を形作る

Natureニュース
Wikipedia shapes language in science papers
Mark Zastrow 26 September 2017
http://www.nature.com/news/wikipedia-shapes-language-in-science-papers-1.22656
実験がオンライン百科がどう研究論文に影響するかを追跡
Wikipediaは世界で最も人気のあるウェブサイトの一つだが、科学者が論文に引用することは滅多にない。それにも関わらず、このオンライン百科事典は研究者が論文で使う言葉を形作っているようだ。実験によるとWikipediaに新しくでた単語やフレーズはその後学術論文で使用される頻度が増える。Social Science Research Network (SSRN)プレプリントサーバに9月20日投稿された。

  • ドイツの選挙結果は科学にとって何を意味するか

What Germany’s election results mean for science
Quirin Schiermeier & Alison Abbott
25 September 2017
http://www.nature.com/news/what-germany-s-election-results-mean-for-science-1.22667
新しい連立は遺伝子編集と気候変動を巡る争いに直面するだろう
予期せぬ極右の台頭があっても研究者はこの国の科学支持には大きな影響はないだろうと予想しているが遺伝子編集や温室効果ガス排出規制を巡る戦いは激しくなるだろう。
(Natureはドイツの科学支持をやたら称賛しているけど、既にグリホサートを巡って環境大臣と農業大臣で対立して決められなくなっているのに。農業ができなくなってもいいみたいな研究者の姿勢は決して誉められないと思う。環境保護のためには農業をはじめとする人間の活動はいらないといいたいのかな)

  • ホメオパシー製品と行為:根拠を評価しEUにおける医療宣伝規制との一貫性を確保する

EASAC欧州科学助言委員会アカデミー(各国の科学アカデミーで作った欧州の組織)
Homeopathic products and practices: assessing the evidence and ensuring consistency in regulating medical claims in the EU
20.09.17
http://www.easac.eu/home/reports-and-statements/detail-view/article/homeopathic.html
http://mta.hu/data/EASAC_Homepathy_statement_web_final_2.pdf
ホメオパシー製品に対する批判
消費者の選択を可能にするには根拠に基づいた正確で明確な情報が提供されていることが必要。ホメオパシーの宣伝は患者に害を与えている。動物用ホメオパシーについても同様。
(嘘情報は有害。)

  • 副腎疲労:偽の病気(更新)

Adrenal fatigue: A fake disease (updated)
Scott Gavura on June 29, 2017
https://sciencebasedmedicine.org/adrenal-fatigue-a-fake-disease/
「副腎疲労」は実際の医学的疾患ではないが、一部の人はそういう病気があるのに医学界は無視しているという。科学はなんと言っている?
(サプリ販売のために作られた病気。もともとの提唱者はカイロプラクターでナチュロパスのJames Wilson。たとえばここでは
http://fatigue.hajime888.com/f018.html
「1990年代に米国の医師ジェームズ・L・ウイルソンによって提唱された」
と書いてあるけれどこれが「鍼灸師」「整体師」だったら印象が相当変わるだろう)

  • 大麻入り料理が次のビッグトレンドだろう、食品専門家が予想

Pot-infused cuisine will be the next big trend, food expert predicts
By Allison Devereaux, CBC News Posted: Sep 26, 2017
http://www.cbc.ca/news/canada/nova-scotia/professor-predicts-marijuana-will-become-big-food-trend-1.4306876
調査の結果大麻入り料理に関心があることが示されたため、Dalhousie 大学のSylvain Charleboisがリスクを最小化する政策を強く求める
C-45法案では食用大麻の合法化は含まれず、オタワはそれらについては後で扱うと言う。
Dalhousie 大学農学部准教授のSylvain Charleboisがカナダ人の食品として大麻を食べたいかどうかを調査したところ45%以上が、合法化されれば大麻を含む食品を喜んで買うと回答した。
Charleboisは数百万ドル業界を引用して「これは次のグルテンフリー現象になるだろう」という。多くの企業が大麻を次の流行だとみなしている。
トロントの依存精神衛生センター上級科学者Benedikt Fischer博士は、食用大麻は肺には吸引と同じ脅威にはならないがより重症の機能障害につながる可能性がある、とCBSニュースにいう。大麻には向精神活性のあるTHCが含まれそれにより消費者は「ハイ」になる。そしてそれが焼き菓子やキャンディーや大麻入りバターなどの多様な形態で提供される。
成人には強い不安や強烈な眠気などのほかは重大な症状はあまりないが、子どもには昏睡を含むはるかに重大な影響を及ぼしうる、とVancouver Coastal Health の医務主任Patricia Daly博士は言う。
(以下略)

  • コロラドの子どもが28個のバッキーボール磁石を飲み込んだと両親が言う

Colorado toddler swallows 28 Buckyball magnets, parents say
http://www.foxnews.com/health/2017/09/25/colorado-toddler-swallows-28-buckyball-magnets-parents-say.html
外科医が手術で2才のお腹から28個の磁石を取り除いた
(多い!)

  • NHKのこのニュース

水銀汚染調査 25か国の女性 半数近くが基準超
9月25日
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170925/k10011155751000.html
他人事のように言っているけど、ここでの「アメリカの環境保護局が定めた脳や腎臓に影響を及ぼすおそれがあるとされる基準値」って0.58 ppm。(RfD 0.1 μg/kg bw/dayに相当、ちなみに食品安全委員会は2.0μg/kg体重/週、つまり3倍くらいEPAのほうが低い)この濃度って日本人でも普通にある。これが写真にあるような先天異常の原因になることはない。この濃度がダメならマグロは食べてはいけない、になるけど。
http://ipen.org/documents/results-communities-across-globe
Mercury levels above 1 ppm can be linked to brain damage, IQ loss,and kidney and heart damage. Fetal neurological damage can begin at mercury levels greater than 0.58 ppm.
(US EPA reference dose for mercury in human hair is equivalent EPA’s reference dose (RfD) of 0.1 μg/kg bw/day