食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 研究者に生涯言語制限を

Natureコラム:ワールドビュー
Give researchers a lifetime word limit
17 October 2017
http://www.nature.com/news/give-researchers-a-lifetime-word-limit-1.22835
Brian C. Martinsonは科学者が発表できる論文数を配給制にすれば文献の中身を改善できるのではと考える
学術出版には醜い事実がある。学術雑誌は昇進のための通貨になっている。かつては論文は知識を共有するためのものだった。今や何の貢献もしていない論文の著者に名前を連ねることがお金でできるようになった。この状況を正すのは困難である。一人の研究者が生涯に発表できる論文数を制限したらどうだろうか?

  • ヒト細胞地図:目標から現実へ

Natureニュース
The Human Cell Atlas: from vision to reality
Orit Rozenblatt-Rosen, Michael J. T. Stubbington, Aviv Regev & Sarah A. Teichmann
18 October 2017
https://www.nature.com/news/the-human-cell-atlas-from-vision-to-reality-1.22854
人体の全ての細胞の地図をつくるという野心的プロジェクトが公式に進行中である。Aviv Regev, Sarah Teichmannらがいくつかの課題を説明する
計画から1年、Human Cell Atlasイニシアチブが今週公式に始まった。

  • ブラジルアマゾンはまだ天然資源の違法使用が蔓延している

Brazilian Amazon still plagued by illegal use of natural resources
Allie Wilkinson 17 October 2017
https://www.nature.com/news/brazilian-amazon-still-plagued-by-illegal-use-of-natural-resources-1.22830
PeerJに10月10日発表された研究。

  • 日本の研究主導者達が国の科学レベルの低下を警告

Japanese research leaders warn about national science decline
Nicky Phillips 17 October 2017
https://www.nature.com/news/japanese-research-leaders-warn-about-national-science-decline-1.22847
予算削減やその他の変更が基礎科学を弱体化するという懸念が増加
選挙結果は研究分野の懸念にはあまり対応しないだろう。科学は選挙の争点になっていない。

  • 英国議会

2 Sistersと家禽加工プロセスについての調査開始
2 Sisters and Standards in Poultry Processing inquiry launched
12 October 2017
https://www.parliament.uk/business/committees/committees-a-z/commons-select/environment-food-and-rural-affairs-committee/news-parliament-2017/2-sisters-standards-poultry-processing-launch-17-19/
最近の報道により、議会の環境食糧地方問題委員会が食品安全上の違反があったという主張について審問をする。
10月25日に2 Sistersグループの社長、FSA、英国家禽協会などからの根拠を求める

The Homeopathy Beliefs About Neonicotinoids And Honey
By News Staff | October 16th 2017
http://www.science20.com/news_staff/the_homeopathy_beliefs_about_neonicotinoids_and_honey-227356
最近の、科学者がヒトの食品の最大75%が、ヒ素のような恐ろしげな物質に汚染されていることを発見した、と宣言するニュースの見出しを見てどう思う?多分心配になるだろうしそれは正しい。でもその話を読んでいくと科学者はその恐ろしい化合物はあまりにも微量なのでヒト健康にリスクとはならないと言っているのだ。あなたの気持ちはどう変わった?「フェイクニュース」の時代、あなたはまさにそんな感じだろう。そしてあなたは正しい。あまりにも多くのジャーナリストが、科学に詳しくないジャーナリストはもちろん、パニックをおこそうとしている時に、どうして科学を信じられる?ネオニコチノイドについての恐怖と疑いを引き起こそうとして環境活動家のイデオロギーに親和的な研究者によりこの種の言葉遊びが行われ、Scienceに発表された。
ネオニコチノイドは種子処理用に広く使われるようになった新世代の「標的を絞った」殺虫剤である。古い広域殺虫剤にとってかわった。農業で広く使われるようになったために「ハチミツのネオニコチノイドの世界的調査」といったタイトルは関心をひく。
そしてメディアはスイスのNeuchatel大学のE.A.D. Mitchellが狙ったように注目した。ハチミツはクマのプーさんをイメージさせ、ネオニコチノイドは子ども時代の甘い記憶に続けられた恐ろしいものと認識される。しかしあなたはネオニコチノイドが何なのか、それが以前の農薬よりどれだけ優れているのかは知らないだろう。食品に入っている発音しにくい化合物名は何でも恐ろしげに聞こえる。活動家が狙うのはそれだ。しかしもしあなたが見出しだけではなく中身を読めば科学はそれほど恐ろしいわけではないことを発見するだろう。
科学的にはこうである。Mitchellらは世界中のアマチュアからハチミツを入手した。それから5種類のネオニコチノイドを調べた−イミダクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサム、アセタミプリド、チアクロプリド。受け取った198検体のうち75%から一種類以上のネオニコチノイドが検出され、45%は二種類以上、10%は4-5種類含んでいた。これはあなたがホメオパスなら恐ろしいことだろう。ホメオパスは水が記憶するために大量の水に一滴の何かを入れても影響があると信じている。そしてこの論文を書いた科学者も環境活動で資金集めする人たちにネオニコについて同様のことを示唆する。これが健康上の懸念になるかどうかについての簡単な答えは、検出された量はあまりにも低く、生物学的意味はないだろう。技術の進歩により検出できるようになった。
この論文には3つの警告信号がある
1.シニアオーサーのA. Aebiが論文の発表差し止め期限を無視してこの研究についてネオニコ全面禁止を訴えている活動家サイトの特別インタビューに応じている
2.主著者のE.A.D. Mitchellは悪名高い系統的農薬国際タスクフォースのメンバーである。この団体は数年前にネオニコ禁止のために研究データを改ざんしていることが暴露されている
3. Mitchellと. Aebiはどちらも他の反ネオニコ活動団体の政府にネオニコ禁止を訴えるいわゆる「科学者からの文書」に名前が出ている
メディアのジャーナリストはそういうことを深く探ることなくScienceという雑誌名を見てプレスリリースに少し手を入れて記事にした。活動家達の望んだとおりに。
(中略)
論文の補遺にある実際のデータでは検出された濃度は北米で0.3ppb、オセアニアと南米では0.04ppbで、それはIPBESによるミツバチに何らかの影響がある閾値とされる10 ppbより3桁から4桁低い。
(略)

  • 議会はオーガニック詐欺を調べるべき

Congress Should Investigate the Organic Scam
by Julie Kelly October 10, 2017
http://www.nationalreview.com/article/452469/organic-doesnt-always-mean-organic-congress-should-investigate-widespread-fraud
消費者は詐欺的表示をされた食品に騙されている
何人かの議員がUSDAの有機認証計画(NOP)の予算を約3倍にする法案を提出した。しかし税金をつぎ込む前に議会はNOPが共犯のここ数十年で最大の消費者詐欺:インチキオーガニック食品の販売について聴聞すべきである。
先月USDAの総括監察官がショッキングな報告書を発表した。世界のオーガニック食品サプライチェーン全体にわたる広範な詐欺の詳細と、米国のオーガニック市場にある商品の真正性を確保することができないでいるNOPの失態についてである。この報告書は何百万人という消費者が騙されてきたこと−そして今でも騙されて、連邦基準を満たさない、より値段の高い「オーガニック」製品を買わされていることの証拠である。オーガニック企業とそれを支持する団体が、「オーガニック」と表示した食品に高い値段を付け続けるために、こうした詐欺を無視してきた可能性が高い。
(中略)
詐欺の根幹にあるのは「その製品がオーガニックかオーガニックでないのかを調べる方法がないことである」とPurdue大学の農業経済学部長Jayson Lusk教授は言う。
USDAの報告書が発表されたのはワシントンポストが何百万ポンドものトウモロコシや大豆がオーガニックと虚偽表示されてオーガニックサプライチェーンに入ったことを暴露した直後である。これらの穀物はほとんどが家畜の飼料に使われた。連邦規則ではミルクや肉をオーガニックと表示するためには有機飼料のみを与えられなければならない。米国で栽培されているトウモロコシや大豆はほとんどがオーガニックで禁止されているGMなので輸入しなければならない。世界最大の穀物生産国である米国にとってこれがどれほど愚かなことか。
(以下略)

報告書はこれかな
National Organic Program International Trade Arrangements and Agreements
Audit Report 01601-0001-21
https://www.usda.gov/oig/webdocs/01601-0001-21.pdf
概要
最初に、オーガニック基準の同等性認証に透明性を欠く。次に港にはいるときに認証されたものかどうか評価されている保証がない。輸入農産物は禁止害虫が入るのを防ぐためにしばしば港で薫蒸されているがどれが処理されたのか追跡できない

  • 鶏肉についての主張は小売販売にはほとんど影響しなかった

Poultry allegations have little impact on retail sales
Aidan Fortune 18 October 2017
https://meatinfo.co.uk/news/fullstory.php/aid/21847/Poultry_allegations_have_little_impact_on_retail_sales.html
GuardianとITVによる2 sisitersグループへの批判は小売販売には負の影響はなかった
Kantar Worldpanelの数字によると9月の生鮮家禽販売は変化無く、チルド加工家禽は6%増

  • 「100%ピュア」オレンジジュースはピュアではない:消費者団体が全てのブランドの製品からグリホサートが見つかったと報告

“100% Pure” Orange Juice is NOT Pure: Consumer Advocacy Group Reports Glyphosate Found in All Best-Selling Brands
By KJ McElrath -
October 18, 2017
https://trofire.com/2017/10/18/100-pure-orange-juice-not-pure-consumer-advocacy-group-reports-glyphosate-found-best-selling-brands/
「100%ピュア」オレンジジュースを買うときはよく考えたほうがよい。最近の検査で全てからグリホサートが見つかった。グリホサートはWHOの機関が発がん性の可能性が高いと決め、自閉症やその他各種の病気と関連するとされている。この検査はMoms Across Americaがお金を出したもので先週プレスリリースを出している。
Moms Across Americaのプレスリリース
全ての5ブランドのオレンジジュースからグリホサートがみつかった
Glyphosate Weedkiller Found in All 5 Popular Orange Juice Brands
http://www.momsacrossamerica.com/press_release_gly_in_oj
検出されたのは4.33ppbから「警鐘を鳴らすべき」26.05ppbとのこと。1pptでも危険なのでと主張
EPAの許容量は30 ppbとのこと)