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2015年度の分析データは農薬残留レベルが依然低いままであることを示した

FY 2015 Pesticide Analysis Demonstrates Residue Levels Remain Low
November 6, 2017
https://www.fda.gov/Food/NewsEvents/ConstituentUpdates/ucm583717.htm
本日公表された報告書によると、米国食品医薬品局は2015年度に検査された国内食品の98%と輸入食品の90%で連邦政府残留農薬基準が守られていることが明らかになったということである。
農薬は、ヒトや動物の食用農作物の収穫量に影響を与えかねない害虫に効果がある。農薬、ないしは農薬化学物質残留物は、微量ながら食品の中や表面上に残る可能性がある。FDAの役割は、食品の中や表面の農薬化学物質残留量が、適切な連邦政府の安全基準に基づいて米国環境保護庁(EPA)が設定した基準を満たすことを保証することである。
FDAの報告によると、2015年度(2014年10月1日から2015年9月30日までの事業年度)においては、食品の中や表面の農薬化学物質残留量は、概ね設定された連邦政府の許容量以下またはEPAの基準以下に保たれていたということである。加えて、分析された国内産ヒト用食品検体の49.8%、輸入食品検体の56.8%には、農薬化学物質残留物は全く認められなかった。TFDAは、農薬化学物質残留物が連邦政府の許容量に照らして違反していた(残留レベルが許容量を上回っていた、または許容量が設定されていないものが残留していた)検体は、国内産食品においては2%未満(835件中15件)、輸入食品においては10%未満(4737件中444件)であったことを明らかにした。
FDAはまた動物用飼料も検査した。農薬化学物質残留物は、215件の国内産動物用飼料の検体の51.6%、202件の輸入動物用飼料の57.9%で全く検出されなかった。動物用飼料の検体の3%未満(12検体)が、違反量の農薬化学物質残留物を含んでいた。
2015年度は、FDAは定期的な監視計画の下で5,989検体を分析した;ヒト用食品が5,572検体、動物用飼料が417検体であった。一般的に輸入品の検体の違反率は国内産品の検体よりも高いので、FDAは国内産農産物よりも輸入農産物をより多く検査する(輸入品4,737検体に対し国内産品835検体)。輸入したヒト用食品の検体は111ヶ国に由来し、国内産のヒト用食品の検体は、39の州、コロンビア地域および米国準州に由来していた。
FDAは、農薬化学物質残留物のEPAの許容量順守を強化するために3部構成の戦略を採用する。定期的な残留農薬監視計画では、FDAは、幅広い輸入および国内産農産物を選択的に監視する。FDAはまた、関心の高い農産物に対する集中的なサンプリング調査を実施する可能性もある。これらの2つの定期的な取り組みに加え、FDAは、米国の平均的な食事中の汚染物質と栄養素の継続的に監視するプログラムであるトータルダイエットスタディ(Total Diet Study: TDSにおいの中で、調理された食品中の農薬化学物質残留量を監視する。
FDAは、食品を安全量でない農薬化学物質残留物を含まないようにすることにおいてEPAや米国農務省と共有している責任を非常に重く受け取っている。この報告書における知見は、FDAによって測定された農薬化学物質残留量が全般的にEPAの許容量を下回っているということを示している。
◇追加情報
FY 2015 Annual Pesticide Report and Data(2015年度の農薬に関する年次報告書とデータ)
https://www.fda.gov/Food/FoodborneIllnessContaminants/Pesticides/ucm582707.htm
Questions and Answers on the Pesticide Residue Monitoring Program(残留農薬監視計画に関するQ&A)
https://www.fda.gov/Food/FoodborneIllnessContaminants/Pesticides/ucm583711.htm
Questions and Answers on Glyphosate(グリホサートに関するQ&A)
https://www.fda.gov/Food/FoodborneIllnessContaminants/Pesticides/ucm583713.htm