食品安全情報blog過去記事

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グリホサート関連

  • EUのグリホサートライセンスは5年間更新−専門家の反応

SMC NZ
EU glyphosate licence renewed for five years – Expert Reaction
November 28th, 2017.
https://www.sciencemediacentre.co.nz/2017/11/28/eu-glyphosate-licence-renewed-five-years-expert-reaction/
18か月の行き詰まりの後、EUはグリホサートの認可を5年間更新することを投票で決めた。現在の認可は12月15日で切れる。
グリホサートは、最もよく知られているのはモンサントラウンドアップブランドであるが、世界中で最もよく使われている除草剤である。欧州の農家は、他に安価は代用品はなく(モンサントの特許は2000年に切れている)、禁止すれば食品価格は急騰するだろうと常に主張してきた。
活動家達は最近の生物多様性問題と健康上の懸念を引用して欧州で強力に禁止を要求していた。2015年3月にIARCがグリホサートをおそらくヒト発がん性と分類した。しかしこの分類は多くの科学者に批判されてきた。禁止するのに十分な根拠はなく、2017年にECHAリスク評価委員会は入手可能な科学的根拠はグリホサートを発がん性と分類する基準を満たさないと結論した。最近の裁判文書のレビューでは、米国の一人の科学者が、それを解析に含めるとIARCの決定が変わってしまうだろうグリホサートとがんに関連があるという根拠はないことを発見した大量のデータを排除したことを示した。
最近ニュージーランドの研究でグリホサートを含む一部の除草剤が細菌の抗生物質への感受性を低下させて抗菌剤耐性になりやすくする可能性を発見した。
英国SMCがこのEUの決定について専門家のコメントを集めた。
Dundee大学神経生物学准教授Christopher Connolly博士
グリホサートのヒト健康リスクについての根拠に関しては激しい議論になって政治家がしっかりした科学的根拠に基づいて決定することを困難にした。この物質がどこにでもあってヒトの尿にもよくあることは不安にさせる。次の5年の終わりまでには根拠に基づいた決定ができるようにすべきである。必要なのは暴露量を考慮したグリホサートの根拠に関する完全にバイアスのないレビューである。そのような根拠は国際薬理学や毒性学連合のような信頼できるところからにすべきであろう。
Milkalyserの創設者で主任技師Toby Mottram FREng教授
科学にとっては良いニュースである。毒性学の基本の一つは反応は量によるということで、最も長期間最も暴露量の多い人が最もリスクがある。そして農業労働者についての研究ではがんリスクは増加したことを示すものはなく、この分野が今後5年で最も研究されるべきであろう。
農業園芸開発委員会Ian Crute教授
40年以上にわたってグリホサートは世界中の耕作可能地域で害の大きい多年生雑草の非常に効果的なコントロールにより環境に優しい耕作を可能にしてきた。この決定は欧州の農家にとって競争力への大きな脅威を取り除き、今安堵のため息をつくことができる。

  • EU諸国は議論の多い除草剤グリホサートを使い続けることに投票

Natureニュース
EU nations vote to keep using controversial weedkiller glyphosate
Barbara Casassus 27 November 2017
https://www.nature.com/news/eu-nations-vote-to-keep-using-controversial-weedkiller-glyphosate-1.23044
一機関がこの広範に使われている除草剤とがんを関連させた
長く待ち望まれていた決定で、EUはさらに5年の使用を認める投票をした。
EFSAやECHAを含む国際機関はグリホサートが人々のがんの原因となる根拠はほとんどないと結論していた。しかし2015年3月にIARCはおそらくヒト発がん性だと言った。
10月25日に欧州委員会は10年の延長を提案したがフランスなどが反対した。最終的には5年の延長に18ヶ国が賛成、9ヶ国が反対し1国が棄権した。
この妥協には両陣営ががっかりしているようだ。グリホサート禁止運動をしてきた健康環境アライアンスのGenon Jensenは「欧州政府は欧州市民と将来世代のために失敗した」という。マクロンフランス大統領はこの投票に対して代用品が見つかり次第グリホサートは禁止する、それは少なくとも三年以内、とツイートした。欧州でのグリホサート禁止署名は11月27日までに130万以上を集めた。
一方EUのグリホサート製造業者22企業を代表するグリホサートタスクフォースはこの投票について「科学的助言を無視して世論に影響された政治的なもの」と苦情を言っている。

  • 欧州は議論になっている除草剤を5年延命

Scienceニュース
Europe gives controversial weed killer a 5-year lease on life
By Erik StokstadNov. 27, 2017
http://www.sciencemag.org/news/2017/11/europe-gives-controversial-weed-killer-5-year-lease-life
欧州の農家は世界で最も人気のある除草剤をあと5年使える。何回もの決定できない投票の後、欧州委員会技術委員会は本日グリホサートに5年の認可更新を認めた。認可は12月15日に切れる予定だった。
グリホサートは他の除草剤よりほ乳類への毒性が低い。しかし2015年にIARCがおそらく発がん性としてから激しい議論の的になった。EFSAや他の規制機関はその使用は安全だと結論してきた。
この化合物の認可は最近では2016年6月に切れていた。しかし植物動物食品飼料に関する常設委員会(PAFF)が認可更新の長さについて合意できなかった。最初PAHHは15年を提案し、それから9年、そして最後は18か月の延長をした。
過去2か月、委員会は再び延長について議論したがどの提案もPAFFの「特定多数(欧州人口の65%となる16ヶ国)」に達しなかった。しかし今日、先の投票を棄権したドイツと他の3ヶ国を含む18ヶ国が5年の更新に賛成した。フランス、イタリア、オーストリアは反対票の9ヶ国に含まれる。ポルトガルは棄権した。
フランス農業大臣Stéphane Travertはフランスの国際公共ラジオに対して「この5年で代用品を探し、農家と環境のために明日の農業を変えるための研究と革新をする」と述べた。
英国Dundee大学の神経生物学者Christopher Connollyは科学者もまた努力を倍加させなければならないとScience Media Centerに語った。「我々はこの期間の最後には根拠に基づいた決定ができるようにしなければならない」

  • グリホサート:スキャンダルは深まる

Glyphosate: the scandal deepens
November 14, 2017
Guest post by Marcel Kuntz, researcher at CNRS France
http://guests.blogactiv.eu/2017/11/14/glyphosate-the-scandal-deepens/
(フランスのCNRSの研究者がIARCの疑惑を指摘しているので紹介
フランス語のサイトでPortierと緑の政治家と活動家ジャーナリストが陰謀を巡らしていることを示唆するメールが米国の裁判で開示されていることを指摘している。
http://seppi.over-blog.com/2017/11/les-portier-papers-stephane-foucart-et-le-circ.html

  • 議論の多いグリホサート除草剤が欧州で5年の延命を勝ち取った

Controversial glyphosate weedkiller wins new five-year lease in Europe
Arthur Neslen Monday 27 November 2017 17.42 GMT
https://www.theguardian.com/environment/2017/nov/27/controversial-glyphosate-weedkiller-wins-new-five-year-lease-in-europe
Vytenis Andriukaitisコミッショナーは「本日の投票は我々皆が望めば、意志決定の責任を共有し受容できることを示した」という。しかし最初の15年の許可提案より遥かに短く、保守系議員は「感情と不合理と政治的ご都合主義の誤魔化し」だという。Ashley Foxは「我々の農家の不確実性を単に先送りしただけだ」という。この苦闘はEFSAの新しい安全性評価とともに再び始まるだろう。
グリーンピースEUのFranziska Achterbergは「我々を危険な農薬から守るはずの人たちが仕事をせず裏切った」といい、緑の党は「消費者と農家と環境にとって暗黒の日」という。IARCのグリホサートについての決定のアドバイザーChris PortierはEUの決定は科学的に堅強でないと言い「ECHAはグリホサートをグループ1B発がん物質に簡単に分類できたはずでそうすれば禁止できた」という。
全国農業組合の副会長Guy Jenkinsは「今日の決定を農家は歓迎するだろう。グリホサートは他の除草剤の使用を減らし土壌を守るのに役立ち温室効果ガスの排出量を減らす。そして農家に安全で質の高い入手可能な英国食品のための作物を栽培することを可能にする」という。

German Political Limbo Settles EU Dispute Over Monsanto Weedkiller -- 2nd Update
By Valentina Pop Published November 27, 2017
http://www.foxbusiness.com/features/2017/11/27/german-political-limbo-settles-eu-dispute-over-monsanto-weedkiller-update.html
ドイツが鍵だったとのこと
緑の党とか活動家は自分たちの運動の勝利を予想してたのでドイツの農業大臣の裏切り(棄権するって約束してたのに?)を怒っていると