食品安全情報blog過去記事

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その他

  • あなたの感謝祭の食事の中の神経毒素

Neurotoxins in Your Thanksgiving Meal
11/21/2017  Angela Logomasini, Ph.D.
https://www.huffingtonpost.com/entry/neurotoxins-in-your-thanksgiving-meal_us_5a148b66e4b0815d3ce65ab5
感謝祭には「オーガニック」にして「化学物質を含まない」食品を買うべき?一部の「健康提唱者」はそうすれば「危険な」合成化合物、特に農薬を避ける最良の方法と言う。でも化学物質を避けることは不可能なだけでなく、公衆衛生のためには単に必要ない。
全ての物理的なものは化学物質でできている。だからあなたのシチメンチョウとポテトとアップルパイも化学物質である。さらに、全ての食品は既に技術的に「有機物(オーガニック)」である。植物も動物も炭素を含む化合物である。真の問題は、食品に含まれる一部の化合物は危険なのか?
食品に含まれる化合物は、人工だろうと天然だろうと危険な場合もある。幸い連邦規制担当者や食品業者は、天然と合成の両方の化合物を追跡して食品中の濃度を無視できるようにしている。ACSHはホリデー・ディナー・メニューというパンフレットで問題の展望を示す素晴らしい仕事をしている。これは伝統的シチメンチョウの日のメニューに含まれる多くの天然「齧歯類での発がん物質」を取り上げている。その多くは植物が昆虫と戦うための天然農薬で、人工の農薬より強力で量も多い。このメニューでは「ヒトは齧歯類で発がん性がある合成農薬より天然の農薬を約1万倍多く食事から摂っている。」それでも大きなリスクとなるような量ではない。
ACSHのメニューは発がん物質に焦点を絞っているが、食品には他にも毒素が含まれる。例えばパンプキンパイとニホンカボチャにはククルビタシンが含まれ、それは健康上の利益もあるかもしれないが高用量ではあなたを病気にする。リマ豆には害のない濃度のシアン化物が含まれあなたのニンジンにはヒ素が含まれる−全ては母なる自然のおかげである。
1990年に科学者Bruce Amesと同僚による影響力の大きい論文がそのような食品中天然物と合成化合物の影響と強さについて詳細に記している。比較するまでもなく、母なる自然の化合物のほうがより強力でより多種多様で広範であるが、それでもリスクは管理可能な範囲である。
こうした現実を無視して、メディアは慣行農作物や合成農薬が深刻な健康リスクであるかのように誇大宣伝する。このような誇大宣伝の多くは政治的意図があるようだ。例えばトランプ政権が環境活動家によるクロルピリホスの禁止請願を却下した後でメディアの攻撃が盛んになった。彼らは愚かにも農薬は化学兵器サリンガスと同じ危険な「神経毒素」であると主張する。クロルピリホスに神経毒性があるのは事実だが、農薬規制はヒトでの暴露量を健康影響が避けられるのに十分低く維持している。USDAの調査でも検出量はごく僅かである。それに比べると感謝祭のメニューにも天然神経毒素が含まれる。マッシュポテトにはソラニンやチャコニンなどのグリコアルカロイドが含まれる。ジャガイモのグリコアルカロイドは200-250ppm以下なら一般的に安全とみなせる。市販のジャガイモは20-150ppm、平均80 ppmのグリコアルカロイドを含むと推定されている。もしあなたがジャガイモのを光のあたるところで保管したら、クロロフィルと一緒にグリコアルカロイドが増えて緑っぽくなりやがて芽が出る。そうなるとグリコアルカロイドの量は安全レベルを超えるので捨てなければならない。(芽が出たイモの写真)
さて、健康なジャガイモのグリコアルカロイドの量と、野菜や果物のクロスピリホスの量を比較してみよう。ジャガイモのグリコアルカロイドは80ppmで、野菜や果物でクロルピリホスが検出される僅かなものの平均は0.06oomである。USDAの検査では99%からはクロルピリホスは検出されないことに留意。
それなのにNRDCなどのような団体はあなたの休日のメニューのクロルピリホスが危険だと主張する。これが深刻な問題なら、マッシュポテトについてはどう思う?
食品に汚染があると安全上の懸念になることは事実であるが、多くは皮肉なことに世界の「オーガニック」部分から来る:つまり大腸菌サルモネラのような生きものである。不適切な調理や交叉汚染などで病原体に汚染される。幸い管理方法はある。
(いつも煽る側のハフポがまともな記事を載せたと驚かれている案件)

  • 耳洗浄は安全でなく効果もない、保健主任が警告

Ear syringing unsafe and doesn't work, health chiefs warn
27 November 2017
http://www.telegraph.co.uk/news/2017/11/27/ear-syringing-unsafe-doesnt-work-health-chiefs-warn/
国立医療技術評価機構(NICE)が新しいガイドを発表した。外耳に手動で大量の水を入れて洗浄するのは永続的傷害のリスクがある。同時に耳掃除に綿棒を使わないように警告した
(耳が聞こえなくなった時の臨床ガイドラインの一部として、の話。
Hearing loss in adults: assessment and management
https://www.nice.org.uk/guidance/indevelopment/gid-cgwave0833/consultation/html-content-2

  • もとHockeyroo (ホッケーチームの愛称)のKate Hubbleはがんであるという文書を偽造して罰金

Former Hockeyroo Kate Hubble fined for faking cancer documents to cheat charity
http://www.news.com.au/national/nsw-act/courts-law/former-hockeyroo-kate-hubble-fined-for-faking-cancer-documents-to-cheat-charity/news-story/79406bad63495b477f2873ba32596b34

Opioid overdose deaths in Alberta jump 40 per cent over last year
Nov 27, 2017
http://www.cbc.ca/news/canada/edmonton/alberta-opioid-overdose-deaths-increase-health-services-1.4421504
2017年の最初の3か月での死亡は482、昨年同期間は346。