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1日に3-4杯のコーヒーを飲むことは健康効果がある可能性がある

Drinking 3-4 cups of coffee a day may have some health benefits
Thursday November 23 2017
https://www.nhs.uk/news/food-and-diet/drinking-3-4-cups-coffee-day-may-have-some-health-benefits/
「1日に3杯のコーヒーを飲むことは『健康効果がある可能性がある』」とBBC Newsは報道している。
コーヒーの健康への影響は何度も調査されてきた。これは世界中で最も一般的に飲まれている飲料のひとつであり、恩恵であれ害であれたとえそれが控えめであっても、集団の規模で相当な影響を及ぼし得るためである。
例えば、この夏、コーヒーを1日に数杯飲む人はより長生きする傾向があるとする研究結果*を目にした。
この最新の研究では、コーヒーと健康に関する調査・研究の既存の要約が全てレビューされ、コーヒーと健康に関する知識の全体像の把握が図られた。
大部分の研究では、コーヒーは疾患や死のリスクの低減に関連づけられていたことが分かった。しかし、大部分の研究が観察に基づいたものであり、コーヒーが健康効果の要因であるかどうかはわからない。
ただし、肺がんや女性の骨折のリスクを調べたものなどのいくつかの研究では、コーヒーがリスクの上昇と関連していることがわかった。
この研究では、コーヒーを妊娠中に飲むことが、子供の流産、早産、低体重および白血病のリスクの上昇と関連しているというエビデンスも認められている。
BMJ(英国医師会雑誌)は、付随論説*1において、現在手に入れられるエビデンスをまとめており、有益な情報を提供している。「医者は疾患予防のためにコーヒー摂取を薦めるべきか?人々は健康のためにコーヒーを飲み始めるべきか?答えはどちらも『いいえ』である。」
1日に3から4杯のコーヒーは害はありそうにない(妊娠中でなくまた骨折のリスクが高い人でないならば)が、コーヒーが有意な健康効果をもたらすという説得力のあるエビデンスはいまだ全く存在しない。(*1: http://www.bmj.com/content/359/bmj.j5356)