食品安全情報blog過去記事

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その他

  • Natureニュース

2017年の科学ニュース
2017 in news: The science events that shaped the year
18 December 2017
https://www.nature.com/articles/d41586-017-08493-x

ベスト科学イメージ
2017 in pictures: The best science images of the year
https://www.nature.com/articles/d41586-017-08492-y

今年の10人
Ten people who mattered this year.
https://www.nature.com/immersive/d41586-017-07763-y/index.html

Scienceニュース
Swedish plastics study fabricated, panel finds
Martin Enserink
Science 15 Dec 2017:
Vol. 358, Issue 6369, pp. 1367
12月7日、スウェーデンUppsala大学が長く待ち望まれていた研究不正調査委員会の報告書を発表した。それは2016年6月にScienceに発表された魚へのマイクロプラスチックの影響に関する注目論文について調査したもので、主著者のOona Lönnstedtがデータを捏造したことを発見している。この捏造には彼女のたった一人の共著者で指導者のPeter Eklövにも責任がある。

SMC UK
expert reaction to neonicotinoids and nutritional stress in honey bees
December 20, 2017
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-neonicotinoids-and-nutritional-stress-in-honey-bees/
Proceedings of the Royal Society Bに発表された新しい研究が、ネオニコチノイド殺虫剤と栄養ストレスが相乗的に作用してミツバチの生存を減らすと報告した。
Rothamsted Researchの植物生態学者Jonathan Storkey博士
この論文はネオニコチノイドの致死量以下の濃度での暴露によるミツバチへの負の影響についてのさらなる根拠を提供する。しかしながらこの仕事の新規性は栄養の質を下げるという追加のストレスを与えた文脈で影響をみたことである。興味深いことに、致死量以下の野外で現実的な濃度のネオニコチノイドはミツバチに十分な食事を与えると生存率を下げない。ミツバチが栄養不良の場合にのみ相乗的な負の影響が観察された。この結果は、農薬の環境リスクを評価しするためには、非標的生物のより広範な生態学的必要条件を考慮する必要性と、授粉媒介者には耕作地の周辺の野生の花のような補充の資源を提供することで害を阪和できる可能性を強調する。

  • 公衆衛生と環境のために有害化合物を規制することについてのエディトリアルへの専門家の反応

SMC UK
expert reaction to editorial about regulating toxic chemicals for public and environmental health
December 18, 2017
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-editorial-about-regulating-toxic-chemicals-for-public-and-environmental-health/
王立化学会環境規制計画部長Camilla Alexander-White博士
このエディトリアルとPLOS Biologyの論文集は米国の化学物質規制について焦点を絞りこの分野の科学者の見解を表明したものである。英国のTSCAとEUや英国のREACH規制、およびカナダや日本や韓国などの他の地域での規制方法は異なることを理解することが重要である。
EUでは安全性についてのデータがなければ市販できないというアプローチをとっていて、米国では有害であるという根拠がなければ安全であると想定する。全ての規制が失敗しているわけではない。
この記事では米国の政策決定者が科学的根拠に従って対応していないことに科学者が特にフラストレーションを感じているだろうことを示唆する。ある物質の完全禁止を提案するには全ての政策決定者が多くの根拠の一つとして科学的根拠を考慮することが重要である。クロルピリホスの場合は、英国では全面禁止はしていないが新しいデータが入手できた2016年以降相当な制限をしている。
多くの場合、化学物質の社会と企業へのメリットを享受しつつ健康と環境を守ることは可能である−コントロールと管理のための現実的な有効な解決法がみつかれば。
この記事は米国の化学物質規制の展望に光をあてて少しの例を出して編集者の見解を提示している。化学物質についての既存の安全性に関するデータを共有し、意志決定に入手可能な全ての根拠を利用できるように確保するため国際協力と協調の必要性を強調している。
Newcastle大学細胞医学研究所医学毒性センター科学者Simon Wilkinson博士
この記事は米国の規制に集中しているが世界中にあてはまる重要なメッセージを提供している。
名誉毒性学者Tony Dayan教授
このエディトリアルは米国の規制と規制されていない分野に特異的に向けられている。英国を含む欧州では規制方法は大きく異なる。
化学物質の低濃度環境汚染がヒトや生態系にリスクとなる可能性を否定するものではないが、エディトリアルで言及されているPLOSの記事の極めて短い結論を見ると、ある種の基本的違いにより、これらの結論の一部は欧州にとってあてはまらないあるいは重要性が低くなっているようである。特に、これら論文の結論の根拠とされる多くの実験室での研究結果は(私は詳細を検討していないが)、ハザードがある可能性があることをそのまま外挿した結果のようである。我々と環境にとって重要なのはハザードではなくリスクである。つまり用量と影響の関係を考慮することである。もし十分に濃度が低いなら現実的には何の害もない可能性が高い。
一部の論文はヒト疫学研究を根拠に他の生物にもそうだろうと言っている。欧州の環境にあてはまるかどうかはそれがどのように使われてどんな暴露があるか、つまり用量と期間、による。ある種の化学物質の環境暴露が実際にヒトや環境に有害であるという良い根拠があればそれらの化合物は害を予防するために注意深く管理されなければならない。
もっと重要なのは有害影響を予想するしっかりした方法を開発することと、その化合物を使うことによるベネフィットとリスクの両方を適切に推し量ることを確実にする両方に資源をわりあてることである。ベネフィットとリスクの評価は複雑で、政治、経済、社会、毒性学が関与する。そして政治、経済、社会への態度は米国の現政権では特に、欧州とはしばしば異なる。
Leeds大学環境毒性学教授Alastair Hay教授
この記事は規制の困難な問題を提示しているがこれまで考えられていなかったわけではない。例えば複数化合物暴露である。評価方法はまだ始まったばかりであるため個別の化合物への暴露での根拠が規制に使われている。規制の誘因は有害であるという根拠であるが、規制の根拠はしっかりしたものである必要がある。
有害であるという良い根拠がある場合には暴露を減らすための衛生対策がとられる。住居と農地の間に相当な緩衝地帯を設けることを検討するのは公衆衛生上の根拠がある

  • 2017年10大ジャンクサイエンスニュース

10 Biggest Junk Science Stories of 2017
By Alex Berezow — December 19, 2017
https://www.acsh.org/news/2017/12/19/10-biggest-junk-science-stories-2017-12303
10.  Nutellaでがんにはならない(EFSAの3-MCPD評価の話)
9. プラスチックに関するうさんくさい研究取り下げ(魚がマイクロビーズを食べて病気になるという話。研究不正の問題になっている)
8. FDAが医療用大麻のがん予防や治療などの宣伝を取り締まる
7. Netflixがジャンクサイエンスドキュメンタリーを放送(反バイオテクノロジー
6. オピオイドの流行に関するメディアの体験談
5.ナチュロパスが患者にターメリックを点滴して患者死亡
4.反フラッキング活動家はプーチンの言いなり
3. Stephen Hawking間違いだらけ
2. UC-Irvineが2億ドルで魂を売る (代替医療の宣伝)
1.IARCゲート。

  • 2017年の公衆衛生ニューストップ10

Top 10 Public Health Stories of 2017
by Berkeley Wellness
http://www.berkeleywellness.com/healthy-community/health-care-policy/article/top-10-public-health-stories-2017
・赤ちゃんのメニューにピーナッツが戻る
・PSA検査の助言変化
・がんによる死亡減り続ける
オピオイドの流行荒れ狂う
・ホルモン補充療法について励まされるニュース
・砂糖に注目
・極端な気候イベント(洪水やハリケーン)が健康と福祉を脅かす
・新しい、より良い帯状疱疹ワクチン
・高血圧の閾値を引き下げる新しいガイドライン
・医療費負担適正化法を巡る議会の戦い