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より効率的で効果的な食品リコールを支援する取り組みに関するFDA局長Scott Gottlieb医学博士の声明

Statement from FDA Commissioner Scott Gottlieb, M.D. on efforts to support more efficient and effective food recalls
December 26, 2017
https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm590423.htm
要旨
FDA (United States Food and Drug Administration: 米国食品医薬品局)長官のScott Gottlieb医学博士は、リコール手続きにおけるいくつかの改善点、および食品のリコールをより効率的かつ効果的に推し進めるための新しい施策について語った。
声明
我々の食品リコール実務は、2105年10月1日から2105年5月4日にかけて、OIG (Office of Inspector General: 監察総監室)により審査を受け、その報告書の案が2016年に出され、今回最終版として再提出されたところであるが、その内容は私にとっていくつかの重大な懸念を浮き彫りにするものであった。
FDAには安全でない食品に対し、様々な対応を行う権限があるが、そうした食品を確実にリコールするには、関係企業の協力を得て直接的に行動するのが迅速である場合が多く、最も効率的である。
企業と協働することの他に、消費者がリコール対象の製品による危害を避けるために必要な情報を得られること、および、リコール食品に暴露された可能性がある場合に消費者が支援を得られることを、より確実なものにしていく必要がある。
さらに、FDAは、リコールの際の情報伝達について、2018年の前半にガイダンスを公表する予定である。また、新しい施策の一つとして、リコール対象思われる食品が売られている可能性がある商店や食品提供場所に関する情報の取得、およびどの企業がその製品を供給しているかに関する情報の取得を、どのような場面において消費者に対してFDAが支援することができるかを検討している。
リコールは、企業が問題を検出して始められる場合もあり、FDAが指摘した後に企業が行動する場合もある。企業の協力が得られない場合、2011年の食品安全近代化法に則ってFDAが強制的に当該製品をリコールするが、幸いにして企業の協力が得られる場合が多い。どのようにしてリコールに至ったかにかかわらず、FDAは、企業のリコールへの対応を監視し、リコールの適切性を評価する
OIGは、2012〜15年の間の、困難な事例を含む30件のリコール案件を抜き出して調査し、FDAのリコール管理における改善点について、一連の助言を提示した。多くは改善してきたものの、最高の安全を確保するためにはまだやるべき課題も多い。そうした中、2016年4月には、最も重要なステップとして、幹部職員によるチームを設立し、複雑または異例な食品安全事案のレビューおよび解決されていない問題に対する適切な行動の判断を担当させている。このチームは、少なくとも週1回の会合を持ち、取るべき行動およびそうした行動がどのようにしたら実行されるかについて、提案を行う。
この1年間、SCORE (Strategic Coordinated Oversight of Recall Execution)チームと称するこのチームは、フードサプリメントへの鉛の混入、粉ミルクのサルモネラ汚染、大豆バターの大腸菌O157:H7汚染、ハマスやソフトチーズや魚の燻製のリステリア汚染に関わり、FDAの置かれた状況を大きく変革してきた。リコールや米国に輸入される違反食品に対する警告を推し進めた以外に、SCOREチームは2件の食品施設の登録を保留する手続き、およびそれらの施設が市場に食品を流通できないようにする措置に関与した。
SCOREチームの設立の他に、2016年にはFDAのリコール管理を改善するための新しい戦略的計画を立ち上げた。この計画は、企業のリコールへの取り組みをFDAが評価する手法の標準化に役立ち、リコールに関わるFDAのスタッフに補完的な教育を施し、スタッフが適切にリコールの有効性を管理・評価できるようにするものである。
さらに、2018年の早期には、FDAの食品安全監視体制を改善する施策を公表し、今後どのようにリコール手続きを実施していくかを発表する予定である。.