食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 飲酒と心血管系死亡の関連は社会経済状態による

Link between alcohol consumption and cardiovascular death depends on socioeconomics
2-Jan-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-01/p-lba122717.php
PLOS Medicineに発表された新しい研究によると、頻繁な(週に4-7回)飲酒は心血管系疾患による死亡増加と関連するが、それは社会経済的地位の最も低い人たちでのみ、である。ノルウェーの研究。

Frequency of autism spectrum disorder in US stable in recent years
2-Jan-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-01/jn-foa122817.php
2014-2016データでは一定。JAMA

  • 乳児用ミルクを調整することは子どもの1型糖尿病を予防しない

Modifying baby formula doesn't prevent type 1 diabetes in children
2-Jan-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-01/uops-mbf122917.php
長く待たれていた最初の大規模国際試験の結果は、牛乳のタンパク質を分解した乳児用ミルクは遺伝的に1型糖尿病になるリスクのある乳児の1型糖尿病を予防しないことを示した。JAMA。
これまでの研究では、牛乳タンパク質のような複雑な外来タンパク質への早期暴露が遺伝的リスクのある子どもの1型糖尿病リスクを上げるかもしれないと報告されてきた。2002年に米国のピッツバーグ大学医学部子ども病院小児科教授Dorothy Becker医師らが2159人の遺伝的リスクのある乳児に複雑な外来タンパク質への暴露を遅らせることが糖尿病リスクを減らすかどうかを調べるための大規模研究を始めた。母乳を与えた後、乳児にはカゼインを高度に加水分解した特別なミルクか普通の牛乳のミルクかで離乳させた。乳児は6-8か月まで最低2か月研究対象のミルクを与え、他に牛乳タンパク質は与えない。そのご糖尿病になるかどうかは少なくとも10年フォローした。11.5年のフォローで、高度加水分解カゼインミルクは普通の牛乳のミルクと比較して1型糖尿病を減らさなかった。

  • 新しい研究が、アルコールがどうやってDNAを傷つけがんリスクを増やすかを示す

New research shows how alcohol damages DNA and increases cancer risk
3-Jan-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-01/cru-nrs010218.php
Cancer Research UKが一部出資した研究がnatureに発表された。マウスに希釈したエタノールを与え、染色体とDNA配列を調べた。その結果、アセトアルデヒドは血液幹細胞のDNAを傷害し染色体を再配列させ永久的にDNAを変えることができる

  • 砂糖が肥満と糖尿病の流行の原因か?

Could sugar be responsible for the obesity and diabetes epidemics?
3-Jan-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-01/b-csb010218.php
砂糖の有害影響は単なる空っぽのカロリーだけではない、とThe BMJにGary Taubesが書く。

Are vitamin supplements used before or during pregnancy associated with risk of autism spectrum disorder?
3-Jan-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-01/jn-avs010218.php
JAMA Psychiatryに発表されたイスラエルの研究。妊娠前あるいは妊娠中に葉酸あるいはマルチビタミンサプリメントを使用することと子どもの自閉スペクトラム疾患リスクの低さに関連がある。他に原因がある可能性を排除できないので解釈には注意が必要。

  • 食事中の糖が細菌感染症増加に関連

Dietary sugar linked to increasing bacterial epidemics
3-Jan-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-01/bcom-dsl010318.php
Clostridium difficileによる医療関連感染の頻度と重症度の増加にトレハロースが関連するという研究。Nature。米国では2000年に食品添加物として認可されている。
C. difficile の RT027 とRT078系統が2000年以降主な感染源として目立つようになり、これらが極微量のトレハロースで増殖できることを報告

  • 数十種類ものサメを売るシーフードマーケット

Natureニュース
The seafood market that sells dozens of shark species
02 January 2018
http://www.nature.com/articles/d41586-018-00020-w
スープ用に売られるものの中には絶滅危惧種シュモクザメ
香港の乾燥シーフード市場では76種ものサメあるいは近縁種のフカヒレが売られている。その約1/3が絶滅危惧(vulnerableあるいはendangered)である。フカヒレはご馳走とされ検査用に買うには高すぎるのでStony Brook大学のAndrew Fieldsらは92の販売業者から安価なフカヒレの端切れを買ってDNAを分析した。Conserv. Biol. (2017)

  • 米国のCT画像解析と腎臓切除リスクの地域差

Regional Variation of Computed Tomographic Imaging in the United States and the Risk of Nephrectomy
H. Gilbert Welch et al.,
JAMA Intern Med. Published online December 26, 2017. doi:10.1001/jamainternmed.2017.7508
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2665734
CTスキャンを多く実施する地域に住んでいることと腎臓を切除するリスクが高いことに関連がある
CTスキャンで偶然見つかった臨床症状のない腎臓腫瘍(ではないものも含む可能性)を摘出することがCTリスクの一つと考えるべき

‘Crohn’z meanz Heinz’: foreign body inflammatory mass mimicking Crohn’s disease
R Visagan et al.,
http://press.psprings.co.uk/bcr/december/bcr009603.pdf
症例報告
クローン病と診断されて6年、実は異物炎症だった症例。手術でHeinzと書かれたプラスチック片を2つ取り出したら症状は見られなくなった
(異物とMRIと手術中の腸の画像有り)