食品安全情報blog過去記事

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フィールドからの報告:アヘンの鉛汚染−イラン、2016

Notes from the Field: Lead Contamination of Opium — Iran, 2016
Weekly / January 5, 2018 / 66(5152);1408–1409
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/66/wr/mm665152a4.htm?s_cid=mm665152a4_w
2016年2月14日、経口アヘン依存の患者がテヘランのLoghman-Hakim病院中毒センターに血中鉛濃度(BLL)137 μg/dL (正常値= <10 μg/dL)で腹痛、貧血、便秘で入院した。その後8か月で約3000人の経口アヘン使用者のBLLを調べ、47-1124μg/dLと高いことがわかった。2016年2月から11月に違法薬物を消化管に入れて国境を越える運び人14人を腹部CTで調べたところ4人が鉛を示唆する非結晶質の放射線不透過性物質を示した。彼らが運んでいたのはアヘンのみだった。他の10人はヘロイン、メタンフェタミンあるいはその両方を含むものを運んでいた。無傷のまま排出されたアヘンパックはまとめてテヘランのShahid Beheshti大学の実験室で分析され、鉛含量が3.55 mg/gであった。
アヘン依存者の鉛中毒はこれまでも報告されているが2006年に警察が報告した鉛濃度は今回のものより相当低い。アヘンの鉛濃度が高い理由は明らかではないが、重さを増してより利益を増やすために意図的に加えられている、あるいは加工時の非意図的添加が疑われている。