食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 良くある殺虫剤がサーモンを脅かす、米国の水産機関が結論

Scienceニュース
Common pesticides threaten salmon, U.S. fisheries agency concludes
By Rob Hotakainen, E&E NewsJan. 12, 2018
http://www.sciencemag.org/news/2018/01/common-pesticides-threaten-salmon-us-fisheries-agency-concludes
NOAAが発表した新しい報告書によると、広く使用されている3つの農薬が絶滅危惧サーモンに害を与える可能性がある。それらはクロルピリホス、マラチオン、ダイアジノンで、サーモンを食べるシャチも脅かす。この知見はNOAAの水産業専門家がEPAに提出した文書に含まれている。EPAに農薬禁止を要求しているNPOのEarthjusticeが今週公開した。
農薬製造業者の団体CropLife Americaはその意見を慎重にレビューしているという。

Science特集
The long shadow of Frankenstein
By Kai KupferschmidtJan. 12, 2018
http://www.sciencemag.org/news/2018/01/long-shadow-frankenstein
Mary Shelleyの200年前の物語は今でも科学者必読の書である
特集記事へのリンクまとめ

  • 事故だろうと意図的だろうと、タイドポッド(商品名、洗濯用濃縮洗剤パック)は洗濯用で口に入れるものではない

Accidental or Intentional, Tide Pods Meant For Laundry Not Mouths
By Jamie Wells, M.D. — January 14, 2018
https://www.acsh.org/news/2018/01/14/accidental-or-intentional-tide-pods-meant-laundry-not-mouths-12413
10代の若者達がソーシャルメディアで「タイドポッドチャレンジ」という、洗剤を口に入れて中身が激しく飛び出す様を面白がることが流行している。
このため製造業者が口に入れないようにという動画を公開しCPSCが注意を呼びかけた。
このような流行はすぐに止むことを希望するが、事故による誤飲はこれまでずっと問題になってきた

  • Lancetワールドレポート

医師がインドで提案されている医療法に反対
Doctors disagree with proposed medical bill in India
Patralekha Chatterjee
The Lancet, Volume 391, No. 10116, p110, 13 January 2018
インドにおける医学教育を改革する議論の多い法案が、医師たちに全国ストライキを呼びかけることになった。
「現在のインド医学評議会に問題があることについては誰も反対しない、しかし提案されている内容には反対」とインド法律学精神保健法律政策センター長のSoumitra Pathareはlancetに語った。2017年12月29日にインド議会に提出されたNational Medical Commission(NMC)法案に対して、インドの公衆衛生コミュニティは主に3つの懸念を提示している。最初に委員会のメンバーの構成とその選択について。強力な中央集権であり患者の保護は全く考慮されない。二つ目は医療費の高騰の可能性。三つ目はアーユルベーダ・ヨガ・ナチュロパシー・ユナニ・シッダ・ホメオパシーが医療になること。
民主的でなく能力のない政府がメンバーを選ぶことと科学と非科学を混合することで患者の安全性が侵害される可能性がある。

  • Lancetコメント

ICUにおける栄養:しばしば経路の問題
Nutrition in the ICU: sometimes route does matter
Lisa Van Dyck, Michael P Casaer
The Lancet, Volume 391, No. 10116, p98–100, 13 January 2018
ICUにおける栄養管理について、経腸か非経腸かについて最近RCTのデータが増えてきたので解説。これまで観察や専門家の意見として可能なら経腸を薦められてきたがRCTのデータはそうではなく特にメリットはなさそうだ。
(口から食べると回復が早いのではなく、元気だから口から食べられる、という)

Viewpoint: Ketel One's non-GMO vodka is a prime example of food label madness
Karen Caplan | Fresh Fruit Portal | January 12, 2018
https://geneticliteracyproject.org/2018/01/12/viewpoint-ketel-ones-non-gmo-vodka-food-label-madness/
広告の写真。
Ketel Oneのウォッカは小麦が原料なのでノンGMOであることは事実。だからといってこれが正しいことだとは思わない。
(アルコールは何から作っても有害であるし)

Sri Lankan Tea Farmers Sense Trouble Brewing Over Glyphosate Ban
January 9, 2018
https://www.bna.com/sri-lankan-tea-n73014473915/
スリランカの茶農家は政府に農業へのグリホサート使用を再度認めて欲しい。
スリランカは世界でたった5つのグリホサート禁止国である。スリランカ旧国名で有名なセイロン茶はこの国の経済にとって大きな役割を果たしていて中国に次ぐ世界二番目の茶の輸出国である。2015年にグリホサートが慢性腎不全の流行に一部関与していることを示唆した研究の後、大統領の命令でグリホサートが禁止された。政府は、主流派の科学者達が何度も報告の欠点を指摘したにも関わらず、極一部の研究者の報告に愚かな反応をした、とスリランカココナツ研究所の元所長Waidyanathaがいう。
雑草の過剰繁殖による収量減少に直面して、セイロン生産者協会は政府に禁止の見直しあるいは効果的代用手法の提供を要求してきた。しかし状況は悪化するばかりで、グリホサートが違法流通する事態になった。8月にはドイツと日本に輸出される予定だった茶からグリホサートが基準値超過検出されている。米国ではオーガニック消費者協会からスリランカ産の茶からグリホサートが検出されたと詐欺的表示と訴えられている。

  • もう一つの国が生きたロブスターを茹でるのを禁止し、一部の科学者が疑問

As another country bans boiling live lobsters, some scientists wonder why
By Lindsey Bever The Washington Post
Sun., Jan. 14, 2018
https://www.thestar.com/news/world/2018/01/14/as-another-country-bans-boiling-live-lobsters-some-scientists-wonder-why.html
スイスが生きたロブスターを気絶させないでお湯に入れるのを禁止した。しかし彼らは本当に痛みを感じているのか?