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高周波エネルギー暴露についての最近のNTP報告書案についてのFDAの医療機器・放射線保健センター(CDRH)長Jeffrey Shuren M.D., J.D.の声明

Statement from Jeffrey Shuren, M.D., J.D., director of the FDA’s Center for Devices and Radiological Health on the recent National Toxicology Program draft report on radiofrequency energy exposure
February 2, 2018
https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm595144.htm
FDAの任務の一つはテレビや携帯電話のような電波を放出する電気製品の安全性を確保することである。この種の製品はアメリカ人の日常生活の一部であり、我々は消費者を守ることを最大限に重視する。
携帯電話に関しては、我々は何年にも渡る膨大な科学的根拠をもとに規制を考えてきた。FCCが携帯電話から出る高周波の基準限度を設定しているが、FCCFDAやその他の機関にこうした基準の根拠となる科学的専門性を依存している。
我々は最近発表されたNTPの研究を尊重する。1999年に我々が研究対象候補にしたときには疫学や長期の動物実験データは少なかった。幸いなことにその後何百という研究が行われ豊富な情報が得られた。全体をみると、これら研究の全てはFDAの評価のための情報源となるより包括的な全体像を提供する。そして我々は現在の携帯電話の安全基準が公衆衛生を守るのに許容できる水準のままであることにさらに確信した。
この最新研究ではNTPは齧歯類で高周波エネルギーの大量暴露の影響を見ている。この種の研究では現在の安全性基準より多い暴露量を使う。実際のところ現在の安全性基準は50倍の安全マージンを含んでいる。NTPの結果からFDAが理解したのは、現在の安全性基準より高用量で雄のラットに発がん性がみられた、ということである。NTPの同僚が発表した声明にあるように、「高周波への暴露のレベルと期間は、人々が最大量に携帯電話を使った場合よりも相当多く、そしてネズミは全身暴露である。従ってこれらの知見がヒトの携帯電話の使用に直接あてはめるべきではない」
NTPの実験結果は多くが曖昧であるため、結論にはまだ注意深い検討が必要である。他にもこの研究では、暴露群のほうが長生き等の普通でない知見もいくつかあり評価が必要であろう。FDAは3月のピアレビューに参加する。それまでパブリックコメント募集が行われている
(中略)
それまで私は、この問題についての現在の評価とこれまで受けとった全ての科学的情報を考慮して、現在の高周波規制値でヒトに健康への悪影響があるという十分な根拠は見つかっていないことを強調したい。