食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

農薬のヒト健康リスク評価を統一されたものにする上で今後待ち受けているものは?

What does the future hold for harmonized human health risk assessment of plant protection products?
http://www.bfr.bund.de/cm/349/what-does-the-future-hold-for-harmonised-human-health-risk-assessment-of-plant-protection-products.pdf
リスク評価に独立性および透明性を担保するにはどのような戦略があるか?様々な利害関係者の間で行われる科学的協議はどのように高めていくことができるか?こうした疑問や他の問い掛けについて、欧州委員会、欧州食品安全機関(EFSA)、EU加盟国、企業、および非政府組織(NGOs)の代表者が、農薬のリスク評価の統一とさらなる発展を主題とするワークショップにおいて、議論を交わした。このワークショップは、2017年11月23日、24日にドイツのベルリンにあるドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)で開催された。およそ100名の参加者が、主としてこの分野で論争を引き起こす話題を議論するために、ドイツ連邦食糧農業省(BMEL)と欧州委員会の招待に応じて集まった。このワークショップは、2015年に欧州委員会によって実施されたイベントの継続イベントである。
欧州では1991年以降、農薬の有効成分の認可に関し、非常に効率の良い、科学的根拠に基づいた規制システムが確立されている。このシステムは、さらに進化し、最適化され、より統一のとれたものとされるべきである。特に最近は農薬によって生じ得る健康リスクが国民的な議論となっていることを考慮すると、リスク評価に基づく規制プロセスをより一層透明化するためにさらなる努力が必要である。現在、科学的評価機関は法規制により、データを一定限度までしか公開できない。そのため、このワークショップの将来に向けた成果の一つは、申請者が科学的データを公表して、評価プロセスの詳細が完全に理解されるようにすべきであるという勧告を行ったことである。
このワークショップの発表内容は以下のウェブサイトで閲覧可能である。
www.bfr.bund.de/en/workshop-203543.html