食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

食品医薬品安全処、患者用食品の適切な使用のための情報提供

2018-02-08 食生活栄養安全政策課
http://www.mfds.go.kr/index.do?mid=675&seq=40551
○食品医薬品安全処は、患者用食品を使う患者と患者介護者が患者用食品を正しく理解して使うことができるように自律栄養管理情報集と案内書を発刊・提供すると発表した。
○患者用食品は、日常的な食べ物の摂取が困難であったり栄養補充が必要な場合に、全面的に食事にとって代わる食品または部分的に補充目的に取ることができる食品を言う。
○例えば飲み物型患者用食品は、豆乳と形状が類似しているが栄養密度が高く栄養成分をまんべんなく含んでおり、同じ量を取った場合、豆乳や牛乳より栄養価が高く、患者の栄養状態を維持したり栄養を補うのに効果的である。(飲み物型患者用食品の栄養密度=200 kcal/200 ml > 一般豆乳の栄養密度=140 kcal/200 ml)
○これまで患者用食品は、糖尿病患者、腎臓病患者、腸疾病患者など疾患別に特化・区分されていたが、多様な患者用食品が開発されているため、2016年12月29日に「食品の基準及び規格」を改訂し、一部特殊医療用途などの食品(患者用バランス栄養食、糖尿病患者用食品、腎臓病患者用食品、腸疾病患者用加水分解食品、嚥下困難患者用増粘食品)を患者用食品に統合した。
○自律栄養管理情報集と案内書の主な内容は▲患者用食品の区分などの基本情報▲摂取時注意事項▲保管及び管理方法▲患者用食品栄養表示早見表など。<患者用食品の区分など基本情報>
○患者用食品は、正常に口腔摂取が可能な患者向けの「経口摂取用」と管を通じて上部腸管に直接注入される「経管供給用」に分けられる。
○患者用食品の適用は▲栄養摂取不充分▲疾病・手術・栄養状態改善のために栄養要求量が増加▲短期間または長期間重湯(流動食)の摂取が必要▲口で食べ物を取るのが不可能で上部腸管に挿管されているなどの場合に考慮される。<経口摂取用患者用食品摂取時注意事項>
○栄養補充のためのバランス栄養食や特定疾患管理のための適切な栄養素組成を取り揃えた製品を選ぶが、患者が使う薬物との相互作用などを考慮して医者、栄養士など専門家と必ず相談して自分に適する患者用食品を選択しなければならない。
○患者用食品摂取時原料成分にアレルギー誘発成分があるかを必ず確認して、摂取後上部腸管に副作用(むかむかする、下痢、腹痛、腹部膨満感、便秘など)や血糖上昇、脱水など代謝的な副作用が発生した場合には、直ちに医者診療を受けなければならない。<経管供給用患者用食品摂取時注意事項>
○経管供給用患者用食品は、胃腸機能があるが患者が意識がないか噛んで飲む能力が落ちて経口摂取が難しい場合に使われるため、取り扱いに細心な注意が要求される。
○製品種類のみならず患者の状態によって、注入量、注入速度、希釈及び濃縮の是非などを決めなければならないため、供給前に必ず医者、栄養士など専門家と相談するべきである。
○特に注入後には、嘔吐予防のため、最低30分が経過した後で患者を横にするようにするべきである。<患者用食品の保管及び管理>
○患者用食品保管は、製品の包装形態によって異なり、濃度を合わせて水に入れて食べる粉末型や水に溶かして調製するものは4時間以内、封切りした缶型は12時間以内、封切りしたパック形態製品は48時間以内の保管が可能。
○特に時間を置いて取る場合には、封切り日時を紙に書いて缶またはパックに付けて記録した上で、密封した後可能な限り早く取るようにするべきである。
○未開封の患者用食品は、乾燥した常温暗所(15〜25°C)に保管して、40°C以上の高温やあまりに高湿度の場所は避けるべきである。<患者用食品栄養表示早見表>
○患者用食品には、ビタミン及び無機質の含量と1日栄養成分基準値に対する割合の情報が提供されているので、その製品の摂取を通じて使用者が一日に必要とする栄養成分を充分に取れているかどうかを判断することができる。
○例えば、その製品のカルシウム1日栄養成分基準値に対する割合が20%ならば、残り80%に相当するカルシウムは他の食品などから取らなければならないことを意味する。<患者用食品の使用状況>
○患者用食品の国内市場規模は、2010年が300億ウォン規模で2015年に500億ウォンとなり、年平均10.8%の成長率を見せていて、患者用食品使用患者は2010年の5万7千名から2014年の8万人へと増加の動向にある。
○2016年には、患者用食品は、計138製品が生産・販売されてる。疾患別の内訳は、糖尿病患者用20製品、先天性代謝疾患用10製品、腎臓病患者用4製品、嚥下困難患者用増粘食品9製品、熱量及び栄養供給用11製品、幼児特殊調製食15製品、腸疾病患者用加水分解食品2製品、患者用バランス栄養食67製品である。
○患者用食品の年間総流通量は2千5百万kgであり、このうち患者用バランス栄養食が92.1%、糖尿病患者用食品が6.8%を占めている。
○2014年には、流通していた患者用食品の28.4%は専門病院・医院(上級/総合病院18.0%、一般病院・医院10.4%)で、41.3%は年寄り患者などを対象にする療養病院や療養院で使われるので把握されたことがあります。
○食薬処は今後も、老齢人口増加などで需要が予想される咀嚼や嚥下が困難な患者向けオーダーメード型メニューなどを開発して、療養院などの現場で活用できるように支援を続けて行くつもりである。
○今回の情報集及び案内書をパンフレットとリーフレットの形態で製作し、全国の療養病院、保健所などに配布し、食品安全国(www.foodsafetykorea.go.kr)を通じても公開する予定である。