食品安全情報blog過去記事

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SMC UK

  • おもちゃのフタル酸と中古製品のアスベストについてのECHAのプロジェクト報告への専門家の反応

expert reaction to European Chemicals Agency project report on phthalates in toys and asbestos in second-hand products
February 13, 2018
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-european-chemicals-agency-project-report-on-phthalates-in-toys-and-asbestos-in-second-hand-products/
ECHAが報告書を発表した
Inspectors find phthalates in toys and asbestos in second-hand products
https://echa.europa.eu/-/inspectors-find-phthalates-in-toys-and-asbestos-in-second-hand-products
Forum REF-4 Project Report
https://echa.europa.eu/documents/10162/13577/ref_4_report_en.pdf/
Cincinnati医科大学環境医学部と環境遺伝学センター名誉教授Daniel Nebert教授
科学機器の進歩により、科学者はますます微量の化学物質汚染を検出できるようになった。1モルは6.022 x 10^23であるというアボガドロ数を思い出そう。科学者は今やアトモル(10^–18 moles/L)以下すら検出できる。単に化学物質や金属が環境中に検出されたというだけでは、それは有毒だとか発がん性を意味しない。規制機関は危険になると考えられる濃度や閾値を決めようと努力する。そしてここに科学的手法と仮説に基づく正確な科学的データと政治が衝突する。従っていわゆる閾値はしばしば合理的な値より遥かに低く、割り引いて考える必要がある。
Leeds大学環境毒性教授Alastair Hay教授
濃度が報告されていないので製品にどのくらいリスクがあるのかはわからない。これは基準値を満たさなかった製品の数を報告しただけである。

  • 高度加工食品とがんの関連を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at highly processed foods and cancer
February 14, 2018
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-highly-processed-foods-and-cancer/
BMJに発表された研究で、高度に加工された食品摂取とがんの関連の可能性を報告している
Quadram生命科学研究所名誉フェローで栄養研究者Ian Johnson博士
これはデータ収集に厳密な方法を用いた、極めて大規模な観察研究である。著者らはいくつかのどちらかというと弱い、統計学的有意性の低い関連を同定している。問題は彼らが用いている「加工度の高い食品」の定義があまりにも広く、そしてあいまいな定義であるために何が関連するのかがわからないことである。
一般人にとってはほとんどのがんのリスクを最小化するベストな方法は禁煙と国のガイドラインに従った食事や飲酒、体重を推奨範囲に維持する、である。
King’s College London栄養と食事名誉教授Tom Sanders教授
高度加工食品という擁護は食品の質について定義するのは難しく栄養科学者が広く使っているものでもない。彼らの分類は栄養学的見地からは恣意的に見え、企業が作った食品は家庭あるいは職人が作った食品と栄養や化学組成が違うという前提に基づいている。それは事実ではない。
人々が食べるものは彼らのライフスタイル全体の反映であり、がんとの因果関係ではない可能性がある
(いろいろ略)