食品安全情報blog過去記事

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その他

Scienceニュース
Fighting back against ‘alternative facts’: Experts share their secrets
By Dan FerberFeb. 17, 2018
http://www.sciencemag.org/news/2018/02/fighting-back-against-alternative-facts-experts-share-their-secrets
AAASの年次会合でのイベントの報告
嘘が「もうひとつの真実」になり政治家に都合の悪いニュースは「フェイクニュース」になる時代にどう対抗するかについてのライブブレインストーミングセッションが行われた。
人々を確信させるには事実だけでは十分ではない、とセッションリーダーのコンサルタントMark Bayerがいう。オルタナティブファクトは事実では全くないが社会的に認められた信念である。でもマインドを変える方法はある、という。
・60%に向けてアピールせよ。両極端の20%は決して動かないので忘れろ
・社会的価値観を共有していることをアピールせよ。
・集団中で最も尊敬されているメンバーである「ゴールデンチャイルド」にアピールせよ
・物語を語り関連づけられるようにせよ
・一気に変えるのではなく徐々に変化することをお願いする

  • 一般の人々は概ね科学を信頼している。ではなぜ科学者は心配する?

The public mostly trusts science. So why are scientists worried?
By Cat JacksonFeb. 18, 2018 ,
http://www.sciencemag.org/news/2018/02/public-mostly-trusts-science-so-why-are-scientists-worried
先月米国科学委員会が公表した膨大な報告書Science and Engineering Indicatorsの中の良い知らせに驚く科学者もいるかもしれない。調査の結果、アメリカ人は圧倒的に科学は良いものだと考えていることを示す。1979年以降、調査ではアメリカ人の10人中7人は科学研究は社会にとって負の影響より正の影響のほうが大きいと信じている。昨日AAASの年次会合で、ミシガン州立大学のコミュニケーションの専門家John Besleyが、参加者に対して何故科学への信頼は高いままなのか、そして何故こんなに多くの科学者がそうではないと考えているのかについて話した。
以下Scienceのインタビュー

  • ノー、掃除用スプレーの使用は喫煙と同じではない

No, Using Cleaning Sprays Isn't Like Smoking Cigarettes
By Alex Berezow — February 16, 2018
https://www.acsh.org/news/2018/02/16/no-using-cleaning-sprays-isnt-smoking-cigarettes-12587
先週国際メディアはアスパラガスががんの原因だと報道した。そうではない。今度は「家庭用クリーニングスプレーの使用が1日20本のタバコを吸うようなものだ」という。また間違っている。
この研究はコホート研究で、参加者の肺機能をしらべている。予想通り、加齢とともに全員の肺機能が低下している。しかしプロの掃除人と家で良く掃除をする女性の肺機能低下が早かったことを示す。ありそうなことだが、「男性では掃除と肺機能の関連はなかった」。これは問題がある。洗浄用スプレーは男女に別の影響を与えることはない。もちろん性差はあるが女性の肺に影響するものは男性にも影響すると考えるのが妥当だろう。さらに解釈にも問題がある。女性で観察された肺機能低下が喫煙者で観察されたものと同程度だったのでクリーニングスプレーは喫煙と同じと報道されている。喫煙は疫学にとってのヒトラーで、一部の人たちは何でも喫煙と比べて人々を恐がらせる。
もし報道の見出しが「掃除用スプレーの長期使用は肺機能にとって有害かもしれない」だったらそれは正しい仕事だったろう。しかしそれでは人目を引かない。常識的に刺激性のスプレーは良くないし、だからスプレーには警告がある。

  • 疑い深い人たちが砂糖入り飲料税を葬り去ろうとしている−Boyd Swinburn

SMC NZ
Doubters try to bury sugary-drinks tax — Boyd Swinburn
February 19th, 2018.
https://www.sciencemediacentre.co.nz/2018/02/19/doubters-try-bury-sugary-drinks-tax-boyd-swinburn/
食品飲料業界が疑いを向けているが砂糖入り飲料に課税することは子どもの肥満と虫歯対策に有効。オークランド大学の公衆衛生教授Boyd SwinburnがNZ Herald.に書いた記事の抜粋。
ニュージーランド経済研究研究所(NZIER)の報告書では砂糖税そのものは肥満を減らすのに大きな効果はないだろうと結論している。これは我が国の子ども達の明らかな肥満と虫歯の多さを減らそうとするための多方面からのアプローチに砂糖税を入れることに反対する事業者に勢いをつけた。この報告は推定される体重変化が微々たるものであってもそれが全人口に当てはめられれば相当なものになるということを無視して間違った結論を出している。例えば20%の課税で800g減ったとしたらそれは全集団の体重増加3年分である。
科学史家のNaomi Oreskesと Eric Conwayは巨大タバコ企業や巨大石油企業が科学者やシンクタンクにタバコの害や気候変動の根拠についての科学的根拠に異論を唱えるためにどうお金を払ったかを暴露する時、疑いの商人Merchants of Doubtという用語を作った。根拠を疑うことは、彼らが膨大な事業の利益を脅かすことになる可能性のある政府の対応を避けるために行った宣伝活動の「産物」である。
砂糖入り飲料への課税が新たな標的である。巨大飲料食品業界が政治家やエコノミストに疑いを売っている
(政策の根拠となるエビデンスについてしっかりしたものかどうか検討することまで企業の陰謀だと言われそうな勢い。肥満対策は難しくて、公衆衛生研究者集団は今のところ敗北し続けているけれど、だからって陰謀論に走るのは長期的には得策ではないと思う。)

  • 女性がコストコで魚を買い、中に生きた虫がいるのを発見

Woman buys fish from Costco, finds live worm inside
By Alexandra Deabler | Fox News
http://www.foxnews.com/food-drink/2018/02/18/woman-buys-fish-from-costco-finds-live-worm-inside.html
女性は魚を返して返金してもらったが、自分の他にも魚に寄生虫がいるために返品している人を見て(自分はタラ、その人はサーモン)むかついてFacebook寄生虫の動画を投稿。謝罪がなかったと書いている。彼女の投稿は日曜日の朝までに6000シェア、37500ビューで、多くが生魚に寄生虫がいるなんて知らなかったとショックを受けている。
「こんなにたくさんの人が野生の魚に寄生虫がいることを知らないことに驚いた」と言う人もいる。
コストコは取材に対して、全ての魚は調べて寄生虫を取り除いているが、見逃すこともある、という。郡の保健部は女性の主張を現在調査している。
(大変だなぁ。こういう時はナチュラルだし生きているのだから歓迎、ではないのか。消費者には迎合するのではなくちゃんと言わないと)

  • 太った英国人:平均的に認識しているより50%多くカロリーをとっている

Fat Britain: Average person eats 50% more calories than they realise
By Laura Donnelly, 健康部門編集者 と Patrick Scott , データジャーナリスト
19 February 2018
http://www.telegraph.co.uk/news/2018/02/19/fat-britain-average-person-eats-50-calories-realise/
国の統計事務所の最初の推定によると、平均的英国人は自分が考えているより50%多くカロリーを摂っている。新しいデータは、自己欺瞞で最悪なのは男性で、毎日自分の推定より1000カロリー多く摂っている。一方女性は800カロリー多い。そして食べる量が多ければ多いほど、彼らの推定の信頼性が下がる。
これはPHEが肥満対策としてカロリー計算キャンペーンを準備している最中に発表された。
この調査では4000人以上の成人に4日間に渡ってカロリーを追跡するようお願いした。研究では摂取量の代わりに支出を用いたが、推定摂取カロリーと支出したカロリーに大きな差があった。
全国肥満フォーラムのTam Fryは「人々は嘘をついている。私は驚かない」という。そして3月に始まる予定のカロリーを数えようという新しいガイドは肥満解決法としては「全く馬鹿げている」という。新しいPHEの助言は成人はランチと夕食は600カロリー、朝食は400カロリーに制限しようというものである。