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ビスフェノールAに関する国家毒性プログラムの報告書案について、食品動物用医薬品部副長官Stephen Ostroff医師の発言

Statement from Stephen Ostroff M.D., Deputy Commissioner for Foods and Veterinary Medicine, on National Toxicology Program draft report on Bisphenol A
February 23, 2018
https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm598100.htm
米国食品医薬品局(FDA)が最も優先度の高いものとしていることの一つは、米国人の消費する食品の安全性を確保するという我々の任務である。我々の下す法的な決定は確固とした科学に基づいており、そのため消費者は摂取する食品に信頼感を抱くことができる。FDAは、食品や食品包装の安全性をレビューする際には、入手可能なあらゆる科学的根拠に目を通し、定期的に他の連邦機関と提携して人々の健康の保護・向上を図っている。
消費者から大きな関心を寄せられていたことの一つは、食品包装にビスフェノールA(BPA)を使用することである。BPAは、ポリカーボネートプラスチックやエポキシ樹脂の製造に用いることが認められいて、特定の食品や飲料用の缶のコーティング材として使用される。消費者の関心が高いことを考慮して、FDAは定常的にBPAの使用に関連する科学的根拠について検討・評価を行ってきており、そして、現在食品容器や包装で認められている使用形態においてはBPAは安全であるという結論を述べ続けている。
BPAの安全性をレビューするという継続的な責任の一環として、我々は、入手可能なデータを評価し続けるだけでなく、FDA独自にBPAを食品包装に使用することの安全性に関して研究を行っている。
本日、国家毒性プログラム(NTP)は、BPAが及ぼし得る健康への影響を調べるための包括的な2年間げっ歯類試験で得られた知見について、ピアレビュー前の段階の報告書案を発表し、パブリックコメント募集の手続きに入った。この試験は、FDAの国立毒性研究センター(NCTR)の上級科学者が実施したものである。この試験の実施は、BPAの毒性に関する学問的及び規制上の見識に関連するコンソーシアム(CLARITY-BPA*1)の協力の一環でもある。CLARITY-BPAは、比較的低用量のBPAに暴露されたげっ歯類で発生・発達への影響に懸念が生じたとする2008年のNTPの報告を受けて、FDAと米国国立衛生研究所の国立環境衛生学研究所(NIEHS)が設立したものである。連邦機関の専門家と学術的な有資格者が協働し、CLARITY-BPA研究プログラムを通じて試験を計画・実施し、データの不足が認められた領域に取り組んだ。CLARITY-BPAは二つの構成要素からなっている。一つはFDAのGLP規則に基づいてNCTRで実施された主試験である。もう一つは、様々な健康エンドポイントに関するCLARITY-BPAの学究的な諸試験で、これらは学術機関の有資格者によって、主試験で得られたげっ歯類の子孫を用いて実施された
本日公表した報告書案にはNCTRの主試験のデータしか収載されていないが、この試験はCLARITY-BPAにとって重要な一歩である。主試験と学究的処試験のデータを合わせた報告書は、今後発表される予定である。
主試験は、何段階かの異なる用量のBPAによる影響を観察するようにデザインされており、げっ歯類の2つの別群における慢性暴露および若齢期暴露を評価するものである。用量は、ヒトで典型的にみられる暴露量と同等の低用量から、ヒトでの暴露量よりはるかに多い高用量までに渡っていた。エンドポイントとして、成長度、体重変化、腫瘍発生などが観察された。全般的に、BPAに暴露されたげっ歯類に見られた影響はわずかなものであった。この報告書では、さらに研究を進めることでメリットが得られそうないくつかの分野が確認された。それは例えば2動物群の一方で、5用量の内1用量で乳腺腫瘍の発生率が増加したことなどによる。しかし、こうした所見の意義については、ピアレビューの段階で検討されるであろう。
この報告書の包括的なレビューは、CLARITY-BPAの他の将来的な研究データと合わせ、BPAの安全性に係る我々の継続的な取り組みの一環として実施されるであろう。だが、我々の手始めとしてのレビューも、現行許されているBPAの使用態様では、消費者は安全であり続けるという我々の判断を支持している。この報告書は、FDAが2014年にBPAの安全性を評価した際に既に収集した広範なデータにも基づいている。
我々は、この試験が4月に外部ピアレビューを受けるのを心待ちにしている。それは科学的過程において重要で慣例的な段階である。さらに、報告書案へのパブリックコメントも歓迎され、それらはNTPに提供される。