食品安全情報blog過去記事

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FDA、不正かつ未承認のインフルエンザ対策製品に対し警告

FDA warns of fraudulent and unapproved flu product
March 2, 2018
https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm599223.htm
今シーズンのインフルエンザは米国各地で広く猛威をふるい、何百万人もの患者を出し、入院患者数は新記録となった。そのため、未承認のインフルエンザ対策製品で消費者をだましたり、偽造抗ウイルス薬をオンラインで購入させようとするウェブサイトが増えたりする問題が生じている。
そうした製品は安全性や有効性についてFDAの審査を受けておらず、FDAは、消費者が偽物のインフルエンザ対策製品に気づき、それらを遠ざけるように警告を発している。
インフルエンザの様な症状が出たり、インフルエンザによる深刻な合併症のリスクが高い人は、できるだけ早く医療従事者に診てもらい、抗ウイルス製剤で治療すべきかどうか判断してもらって欲しい。インフルエンザを予防したり完治させたりする薬には、合法的なOTC薬(店頭販売薬)は無いということを知って欲しい。ただし、インフルエンザで典型的にみられる熱、筋肉痛、鼻詰まりなどの症状を緩和するOTC薬は存在する。次のような言葉で売られているOTC製品は偽物である。
● インフルエンザの重症度を低減し、罹患期間を短くする
● 抗インフルエンザ薬を服用することなく、自然に免疫力を高める
● インフルエンザワクチンの安全で有効な代替品である
● インフルエンザにかかるのを防ぐ
● インフルエンザの有効な治療薬である
● インフルエンザから早く回復できる
● 体内の自然な免疫防御システムを支援し、インフルエンザを撃退する
FDAは、定期的に健康詐欺について、国民への注意喚起を行っている。しかし、不正を行う企業や個人がオンライン薬局の活動の場を新たなウェブサイトに移してしまうこともあって、多くの未承認製品や安全でない可能性が高い製品が、消費者に直接売られ続けている。オンライン薬局の中には、タミフルのような処方箋を必要とする高ウィルス薬を処方箋無しで購入できると宣伝しているものもある。このようなオンライン薬局の製品は、有効成分含量が非常に多過ぎる、あるいは少な過ぎる、正しい有効成分が含まれていない、有害な成分が含まれているなどの可能性が高く、病気を治療する上で危険である。次のようなオンライン薬局は要注意である。
● 処方箋無しに処方箋薬が購入できる
● 米国の州が発行した薬剤師免許を有しかつ疑問に答えることができる薬剤師がいない
● 信じられないほど極端な低価格を提示してくる
● 所在地が米国外であったり、世界中に出荷している
FDAは、処方箋薬は、地元の薬局で購入するか、オンライン薬局については、正式な処方箋の提示を求めてくる薬局で、地元の州の薬局委員会で認可を受けている薬局に限って利用することを薦める。
FDAは、医療従事者や消費者がこうした製品で生じた有害事象を、MedWatch programを介して報告してくれるよう要請している。