食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 殺虫剤はミツバチに辛い

Pesticides give bees a hard time
5-Apr-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-04/uow-pgb040518.php
EFSAがネオニコチノイドはミツバチに害があると確認した。そこで代用品としてブテノリドクラスのフルピラジフロンを含む製品が検討されている。Würzburg大学の科学者がミツバチの行動に与えるフルピラジフロンの影響について調べた。Scientific Reportsに発表されたその知見によると致死量ではない用量でフルピラジフロンはミツバチの味覚、学習、記憶力に悪影響を与える。
(ミツバチも昆虫だから何の影響もない殺虫剤は難しいだろう。)

Genomic analysis of thousands of tumors supports new cancer classification
5-Apr-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-04/ulcc-gao040318.php
がんゲノム地図ネットワークの研究者らが約1万の腫瘍の大規模解析からヒトの腫瘍の追加の分類を支持する。Cellに発表。

  • 臨床試験は薄っぺらな動物データをもとにしているかもしれない

Clinical trials may be based on flimsy animal data
By Emma YasinskiApr. 5, 2018
http://www.sciencemag.org/news/2018/04/clinical-trials-may-be-based-flimsy-animal-data
もしあなたが臨床試験に参加する場合、その薬が効果があるだろうことを示す動物実験のしっかりした根拠があると信頼できるだろうか?薄弱な根拠に基づく研究はあなたの健康に不必要なリスクとなるしお金の無駄だから。
新しい研究によると、その信頼は間違っている。いわゆる治験説明文書−研究者が規制機関や倫理審査委員会(IRB)に提案されている臨床試験がリスクをとるに値するものであることを説明する資料−にはその治療法の動物モデルでの有効性について必須の情報が欠けている。その結果根拠がどのくらい確かなのかを判定できない。
治験説明文書は公文書ではないが、ドイツのHannover医科大学生命科学における法と倫理センターのDaniel Strechらのチームは試験の依頼者や医薬品等を同定できないように知見を発表するという約束のもとでIRBの強力を得て2010年から2016年に承認された試験の109の治験説明文書にアクセスできた。その中には合計で708の動物における有効性研究が含まれていた。研究者らはその研究を読み、適切な対照群があるか動物の数は十分か、ピアレビューの科学雑誌に発表されているかどうか等をチェックした。その結果89%の動物実験研究は論文になっていないことがわかった。さらに無作為化などの重要な情報を記載していたのは5%より少なかった。この知見はPLoS Biologyに発表された。最後に、説明文書の82%はポジティブな研究しか報告していなかった。