食品安全情報blog過去記事

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その他

  • ノビチョク神経剤中毒後、Yulia Skripalが退院したことへの専門家の反応

SMC UK
expert reaction to Yulia Skripal having been discharged from hospital following poisoning with Novichok nerve agent
April 10, 2018
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-yulia-skripal-having-been-discharged-from-hospital-following-poisoning-with-novichok-nerve-agent/
父親のSergei Skripalと一緒にノビチョク中毒になったYulia Skripalが退院した。
Leeds大学環境毒性学名誉教授Alastair Hay教授
神経剤のような有毒物質暴露後の重要な医療介入は人体に十分な酸素を供給することである。そのことが心臓や脳やその他の臓器への傷害を予防する。そのため救急隊員の迅速な対応が重要である。気道の確保と気道の嘔吐物や液体の除去、呼吸維持あるいは人工呼吸、血流と心機能のチェック、発作予防などの仕事をする。救急病棟までこれらの機能が維持されたら、医師が詳細な検査をすることができる。
病状に応じて他の治療が行われるだろう。患者の症状−意識不明で話せなかったことなどが有機リン中毒を疑わせる。有機リン中毒の治療法はよくわかっている。アトロピン、オキシン、ジアゼパムのような抗痙攣薬。これらは神経剤中毒の標準治療薬である。
神経剤の影響は酸素欠乏による脳と心臓への傷害であることから、呼吸の補助が行われただろう。血糖や血中電解質にも影響が出ただろうがICUの医師によりうまく管理されただろう。彼らはこの種の治療には馴れている。発作を引き起こす脳神経の過剰活動を抑えるための鎮静も行われただろう。
神経剤の特異作用はアセチルコリンエステラーゼの阻害であるが、人体は常に新しい酵素を合成しているので最終的にはもとにもどるだろう。他の神経剤暴露の事例からは、脳に傷害がなければ、被害者は回復する−時に遅いが。心理的影響リスクは常にあり、PTSDのようなものがおこるのは当然であろう。それらの症状は管理する必要がある。娘に比べて父親の回復が遅いのは神経剤の暴露量、年齢、身体の状態によるだろう。
私は彼らの回復を嬉しく思うし、良くなることを希望する。

  • 新しい海底油田探索は認めない−ニュースから

SMC NZ
No new offshore oil exploration permits – In the News
April 12th, 2018.
https://www.sciencemediacentre.co.nz/2018/04/12/no-new-offshore-oil-exploration-permits-in-the-news/
Jacinda Ardern首相は今朝、政府は新しい海底油田やガスの探索は認めないと発表した。
グリーンピースとForest & Birdはこれを歓迎、一方ニュージーランド石油探索産生協会は環境にも経済にも悪影響と言っている。
このニュースは広く報道されている(リンク)
(気候変動対策として発表されたが石油企業は他の国で採取されたものが使われるだけで意味がないと言っている)

Scienceニュース
NIH will examine whether director of alcoholism institute improperly stopped funding policy studies
By Jocelyn KaiserApr. 11, 2018 ,
http://www.sciencemag.org/news/2018/04/nih-will-examine-whether-director-alcoholism-institute-improperly-stopped-funding
NIHのアルコール中毒研究所の職員が、飲料企業に資金提供を求めたことが倫理規則違反になるかどうかの調査で、所長のGeorge Koobがその後企業の広告にとって重要なある種の研究への資金提供を不適切に中止したのかどうかも検討することになった。NIHのFrancis Collins所長が今日の議会での聴聞のあとに発表した。
昨年から国立アルコール濫用とアルコール中毒研究所(NIAAA)は飲料業界から7000万ドルの資金を得た研究について議論に巻き込まれていた。この研究は7800人のボランティアを募って1日1杯の飲酒が健康に良いかどうかを調べるために何年も追跡するものである。先月NYTがNIAAAの職員2人が2013年と2014年に飲料企業代表者に会ってNIH財団を介してこの研究を支援するよう強く求めたと報道した。これはNIHの方針に違反している。Collinsは直ちに二つの調査を発表した。その後議論はエスカレートし、先週STATが、KoobがNIAAAの所長になった後の2014年に、未成年者の飲酒に対する広告の影響を調べる予算をもらっていた二人の研究者を呼びつけて、その研究にお金は出さないと騙った、と報道した。STATの報道によると、Koob所長は企業に対してNIAAAはこの種の研究にはもうお金を出さないと言った。研究者のうちの一人はその後同様の研究計画を提出し、ピアレビュー評価は高得点だったが研究費は獲得できなかった。そしてSTATの別の記事ではKoobがNIAAAに来てから、アルコール広告についての研究は却下されていることを示している。
(以下略)

The Inconvenient Truth About The Environmental Working Group's Dirty Dozen List
Apr 10, 2018  Steven Savage
https://www.forbes.com/sites/stevensavage/2018/04/10/the-inconvenient-truth-about-the-environmental-working-groups-dirty-dozen-list/#2aa9f136562a
本日オーガニック団体が資金提供しているNGOであるEWGが毎年恒例の“Dirty Dozen List”を発表した。これはUSDAの集めた公開データを科学を無視して間違った解釈をして作ったものである。データが示しているのは米国の食品の安全性であるが、EWGはそれをねじ曲げてオーガニック食品を買うよう消費者に勧めるために使う。
不都合な真実」というのは、そのUSDAの同じデータが、オーガニック食品から合成農薬が検出されていることを示していることである。もし慣行栽培農産物に検出されたほんの僅かの農薬が「汚い」のなら、オーガニックに存在するものだって同じように「汚い」だろう。
多くの消費者は「オーガニック」を「農薬を全く使わない」と信じている。それは全く事実ではない。オーガニックで使える農薬の長いリストがあるがUSDAの残留農薬検査ではそれら(硫黄、ミネラルオイル、銅、Bt毒素、等)は調べていない。調べたら検出されるだろう。EWGのやりかたに倣って、合成農薬が検出されたオーガニック農産物をリストアップしてみよう
(以下略)
基本は、オーガニックでも慣行栽培でも意味のある違いはないということだ。どちらも安全で、消費者は健康のために躊躇うことなく買って食べられる。本当に注意すべきなのはオーガニック業界が資金提供したEWGのような団体は恐怖を使って操作してくることだ。EWGはこの疑わしいリストの最後に「募金募集」リンクをしている。オーガニックに余分なお金を使うことで家族を農薬から守るという。そんなことはないので支援しなくていいい

New Jersey couple awarded $117million in talcum powder case
April 11, 2018
https://edition.cnn.com/2018/04/06/health/talc-mesothelioma-asbestos-damages/index.html
Johnson & Johnsonとタルク企業Imerys SAは、夫がタルクパウダーを30年以上使って中皮腫になったカップルに1億1700万ドルを払うよう命令された。タルクに含まれるアスベストが原因だと主張。Johnson & Johnsonによるとタルクにアスベストが含まれてはならないことが1970年代から法的に要求されている。
(ジョンソンベビーパウダーって日本でもよく使われていたと思う)

  • トリムヘルシーママ(THM)ダイエットとは実際どんなもの?

What Exactly Is the Trim Healthy Mama Diet?
Written by Leah Campbell on April 11, 2018
https://www.healthline.com/health-news/what-is-the-trim-healthy-mama-diet#1
二人の姉妹によるダイエットプランがインターネットで流行中
一部の人には効果があるかもしれないが欠点もある
FacebookPinterestにレシピや体験談が殺到しているTHMについて。
インスリンスパイクを減らすための方法として、3時間毎に食べる、脂肪と炭水化物を一緒に食べない、添加糖は全て排除、などを提唱。
(日本では流行ってないようだが)

  • 厳密な「完全菜食主義」食の幼児は三ヶ月の赤ちゃんのようだった、裁判で

Toddler on strict 'vegan' diet resembled three-month-old, court hears
7News Sydney
https://au.news.yahoo.com/a/39808824/sydney-toddler-on-vegan-diet-severely-malnourished-court-hears/
シドニーの夫婦が、20か月の娘を厳密な完全菜食主義食で育てたことでネグレクトの罪に問われ、無罪を主張
子どもは先月発作をおこしシドニー子ども病院が栄養不良と脚気の併発に気がついて通報