食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 世界がん対策規範に向けて

Toward the World Code Against Cancer
Carolina Espina et al.,
http://ascopubs.org/doi/10.1200/JGO.17.00145
欧州対がん規範を基準に世界で対がん規範を

  • 単相性ではない用量反応関係の根拠の評価:系統的文献レビューと食品安全分野でのin vivo毒性データの(再)解析

Evaluating the evidence for non-monotonic dose-response relationships: A systematic literature review and (re-)analysis of in vivo toxicity data in the area of food safety.
Varret C, et al.,
Toxicol Appl Pharmacol 2018; 339:10-23
ANSES, RIVM, AGES, IMMから
2002年1月から2015年2月までに発表された、単相性ではない用量反応関係(NMDR)の根拠とされる研究のレビュー。チェック項目を6つ設定して179のin vivoデータセットのうち合計10が6つ全部を満たした。これが偶然でないことを確認するためには再現性試験が必要。
(179分の10という数字がまさに汎用されているp<0.05付近であるというのが象徴的だと思う。発がん試験でも数をあつめるとそのくらいの偽陽(陰)性率になって確率ってすごいと思ったことが)

  • 内分泌活性のある物質の環境毒性ハザードとリスクの科学的評価に推奨されるアプローチ

Recommended approaches to the scientific evaluation of ecotoxicological hazards and risks of endocrine-active substances.
Matthiessen P, et al.,
Integr Environ Assess Manag 2017; 13(2):267-79
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28127947
世界各国が参加して行われたワークショップSETAC Pellston Workshop®の要約

  • タバコの値段を上げることは何百万人もの人々を極端な貧困と健康不良から救うだろう

Higher cigarette prices would save millions of people from extreme poverty and poor health
11-Apr-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-04/smh-hcp040918.php
The BMJ。世界中では最も所得の低い人たちに最も大きな利益となるだろう

  • 新しい蚊帳が子ども達をマラリアからより良く守る

Novel mosquito net provides children with greater protection against malaria
11-Apr-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-04/lsoh-nmn041018.php
タンザニアで15000人以上の子ども達が参加したピペロニルブトキシドを加えた長期残存性殺虫剤処理蚊帳(PBO LLIN)の2年間の地域無作為化試験で、ピレスロイドのみの標準LLINに比べて、一年目が44%、2年目が33%マラリアを減らした。またこの研究は殺虫剤ピリミホスメチルの屋内残留性散布(IRS)によるマラリアコントロールも、一回のスプレーで感染を48%減らすことも示した。
LLINに使えるWHO推奨殺虫剤がピレスロイドのみで、蚊のピレスロイド耐性が問題になっていた。そこで殺虫剤を代謝する酵素を阻害するBPOを加えた。The Lancet

  • カラシ植物はパーソナルケア用品の抗生物質を吸収する

Pepper plant sops up personal care product antibiotic
11-Apr-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-04/acs-pps040618.php
Journal of Agricultural and Food Chemistry。C14標識トリクロカルバンを水耕栽培で育てているカラシ植物に与えたところ、吸収して別の化合物に代謝した。

  • 干ばつはミツバチにとって花が少なくなることを意味する

Droughts mean fewer flowers for bees
11-Apr-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-04/uoe-dmf041118.php
干ばつが増えると植物の花が減るので気候変動はミツバチにとってリスクになる、新しい研究が示す。Global Change Biologyに発表されたExeter大学とManchester大学、生態学水文学センターの研究
(干ばつはみんな困ると思うんだけどミツバチはやたらと心配される)