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査察報告

EU輸出向け落花生のアフラトキシン汚染: 中国
EU輸出向け落花生のアフラトキシン汚染を抑制するために運用されている管理システムの評価
Aflatoxin contamination in peanuts intended for export to the European Union
ASSESS THE CONTROL SYSTEM IN PLACE TO CONTROL AFLATOXIN CONTAMINATION IN PEANUTS INTENDED FOR EXPORT TO THE EUROPEAN UNION
13/04/2018
http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_id=3950
この報告書は、欧州委員会 保健・食品安全総局(DG Sante)が中国で2017年6月13〜23日にかけて実施した査察の結果を示すものである。
この査察は、中国から輸入された落花生におけるアフラトキシン汚染に関連して、欧州の食品及び飼料に関する迅速警報システム(RASFF)の通知が相当数発行されたために実施された。今回の査察の目的は、EUへの輸出向け落花生におけるアフラトキシン汚染を抑制するために運用されている公的な管理システムが、欧州議会および欧州理事会の規則(EC) No 852/2004 第10条を遵守・適合しているかどうか、および同システムにより、対象とする農産物が欧州委員会規則(EC) No 1881/2006で定める汚染限度の規定を満たしていることが保証されるかどうかを評価することである。中国は、輸出用ピーナッツが(EC) No 1881/2006で定められた汚染限度を最低限遵守していることの保証に特化した公的管理システムを有している。
前回の2011年の査察以降、農業生産工程管理の推進、自主検査の実施、適正な保管の実践および危害分析重要管理点方式(HACCP)の実施に関し、製造加工業者レベルでの改善が図られている。
しかし、適正衛生規範やアフラトキシン汚染防止に関する公的管理は、落花生供給網で活動する全ての分野の事業者に適用されている状態ではない。特に、加工前の段階の管理が抜け落ちており、EUへの発送・輸送状態の管理も同様である。
検体の採取法および分析法は欧州の規定に準じているが、その実施においていくつかの欠点が見受けられた。このため、アフラトキシン汚染を防止し検出したり、適時に不正を見つけ出すことができない恐れが生じている。
この報告書には、明らかになった問題点を是正し、管理手段の実現を推し進めるための、中国の管轄機関に向けた助言が含まれている。