食品安全情報blog過去記事

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論文

Neonicotinoids may alter estrogen production in humans
26-Apr-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-04/indl-nma042618.php
カナダのINRS のチームがEHPに発表した培養細胞でのCYP19発現に関する研究。
(プレスリリースでは実験の詳細は書かずに内分泌撹乱物質だと煽っているが、vitroのふりかけ実験だし0.03から 10μMで用量−反応相関は無いし酵素の活性誘導で最大の効果が2倍というのはあまりぱっとしないしで宣伝が誇大。ネオニコチノイドが嫌いなんだろうことはわかる。せめてニコチンを対照に使って比べてくれないかな)

  • 欧州の現在の食品、農業、環境へのアプローチは持続可能ではない

Europe's current approach to food, agriculture, and the environment is not sustainable
26-Apr-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-04/eas-eca042318.php
欧州科学アカデミー助言評議会の報告書
パリ合意に到達するには緊急に再考が必要。栽培から加工、輸送、購入、消費の全体を通した統合的フードシステムアプローチをすすめるべき。干ばつ耐性品種などの開発、温室効果ガス排出抑制のためには食品廃棄を減らし肉を食べる量を減らす。タンパク源として昆虫や培養肉や代用タンパク質も考慮。
(新しい技術や製品を受け入れて食生活も大きく変えるというのは相当困難なのでは。乳製品、特にチーズ、やワインは環境負荷高いからといって減るかなぁ)

Opportunities and Challenges for Research on Food and Nutrition Security and Agriculture in Europe
26.04.2018
https://easac.eu/publications/details/opportunities-and-challenges-for-research-on-food-and-nutrition-security-and-agriculture-in-europe/

Two studies, editorial report on cancer risk for firefighters at World Trade Center disaster
26-Apr-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-04/jn-2se042418.php
JAMA Oncology

世界貿易センターの残骸への暴露とがんについての考察
Some Thoughts on Exposure to the World Trade Center Wreckage and Cancer
Otis W. Brawley
https://jamanetwork.com/journals/jamaoncology/fullarticle/2678957
2001年9月11日のテロリストの攻撃は、17年近く経った今でも落ち着いていない。時間は痛みを癒していない。殺された人たちだけではなくたくさんの人が、取り返しがつかないほど傷つけられた。WTCの救助や修復に従事した労働者達は、発がん物質や毒素を含む無数の化学物質に暴露された。これらの人たちはその仕事については敬意を払われるべきである。そしてそれによって生じた傷害については可能な限り補償されるべきである。
WTCの攻撃は情動的な問題である。がんもまた情動的である。がんと診断されると何かのせいにしたくなる。しばしば環境要因のせいにする。WTCの英雄達ががんと診断されたら、それが普通の人によくあるがんであっても、WTCで働いたせいだと思いたくなるのは自然である。
今号のJAMA Oncologyに、有害なWTC残骸に暴露された消防士の論文が2つ掲載されたLandgrenらはこれらの労働者が多発性骨髄腫のリスクが増えているかもしれないと報告し、Singhらは今後20年の過剰ながんを予測する。
12942人のWTC暴露された消防士のうち16例の多発性骨髄腫は少ないため確実な関連を言うのは困難である。Dollの原則をあてはめると、この研究で示された相対リスクは説得力をもつにはあまりにも小さい。過剰診断もある(詳細略)
重要な単語はmayである。こうした試験では、コホートのサイズのため、ほんの僅かのがんの増加は同定できない。多分この問題は科学の限界を超えたところにある。

世界貿易センター災害に暴露された消防士の多発性骨髄腫とその前駆疾患
Multiple Myeloma and Its Precursor Disease Among Firefighters Exposed to the World Trade Center Disaster
Ola Landgren et al.,
https://jamanetwork.com/journals/jamaoncology/fullarticle/2678962

世界貿易センター災害に暴露された救急と回復労働者の将来のがん推定
Estimation of future cancer burden among rescue and recovery workers exposed to the World Trade Center disaster
Ankura Singh et al.,
https://jamanetwork.com/journals/jamaoncology/fullarticle/2678956

  • 甘いお菓子に課税することは砂糖入り飲料に課税するより大きな健康上の利益をもたらすかもしれない

Taxing sweet snacks may bring greater health benefits than taxing sugar-sweetened drinks
26-Apr-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-04/lsoh-tss042518.php
砂糖入りお菓子のほうが砂糖入り飲料の2倍の砂糖を供給しているため。BMJ Openに発表されたロンドン大学衛生熱帯医学大学院(LSHTM)の研究。お菓子やチョコレートへの課税は高所得者層にはほとんど影響が無く低所得者層に影響が大きい。

  • あまりにも惜しみない酸素の使用は実際に病気の成人患者の死亡リスクを増やす

Too liberal use of oxygen increases risk of death in acutely ill adult patients
26-Apr-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-04/mu-tlu042518.php
The Lancet。世界中で急病患者への酸素補給が行われているが、この良く行われている介入に質の高い根拠はない。保守的および積極的酸素療法を比較したRCTデータを解析し、酸素の積極的投与では病院での死亡が21%高く、酸素が多いほど死亡リスクが高いことが示された。

US autism rates rise 15 percent; New Jersey rates remain highest
26-Apr-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-04/ru-uar042518.php
CDCによる新しい報告によると、米国の8才の子どものASD推定有病率は二年前より15%増加した。ニュージャージーでは34人中1人がASDで、全国平均が1.7%なのに対して2.9%である。この率の高さはより正確な、あるいは完全な症例発見による可能性が高い
米国でASDが増えている理由を研究者らは説明できない。リスクの高さに関連する要因は親の年齢、妊娠中の病気、遺伝的変異、早産、多胎児。

Second-largest earthquake in modern South Korean history tied to geothermal plant
By Paul VoosenApr. 26, 2018
http://www.sciencemag.org/news/2018/04/second-largest-earthquake-modern-south-korean-history-tied-geothermal-plant
2017年11月15日にPohangでおこったマグニチュード5.5の地震は、地熱発電が引き金を引いた可能性が高い。Scienceに報告