食品安全情報blog過去記事

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評価等

  • 食品添加物としてのカラギーナン(E 407)と加工ユーケマ藻類(E 407a)の再評価

Re‐evaluation of carrageenan (E 407) and processed Eucheuma seaweed (E 407a) as food additives
EFSA Journal 2018;16(4):5238 [112 pp.]. 26 April 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5238
構造的類縁性から、加工ユーケマ藻類(E 407a)の評価は、食品グレードのカラギーナン(E 407a)の評価に含むことができるとパネルは結論付けた。ポリギーナン(平均分子量10〜20 kDa)は食品添加物として認可されておらず、どんな食品用途でも使用されていない。カラギーナン(E 407)と加工ユーケマ藻類(E 407a)では、ANSパネルは、吸収、分布、代謝、排泄(ADME)データベースから、カラギーナンが原形のまま吸収されないという結論を十分導出できることに注目した。E 407のEU仕様書にほぼ準じたカラギーナンを被験物質として行ったラットの亜慢性毒性試験では、無毒性量(NOAEL)は、最高用量の3,400〜3,900 mg/kg体重/日であった。カラギーナンを用いたラットの慢性毒性試験では、最高用量の7,500 mg/kg体重/日まで、有害影響は認められなかった。カラギーナンには発がん性に関する懸念はない。カラギーナンと加工ユーケマ藻類は、遺伝毒性に関する懸念を生じることはない。食事を介した投与による出生前発達毒性試験では、カラギーナンナトリウムおよびカルシウムのNOAELは、試験における最高用量であった。加工ユーケマ藻類の安全性は、カラギーナンの毒性評価で十分カバーされている。詳細暴露評価データは、79の食品分類のうち41において充足されている。だが、ANSパネルは、化学的性質、暴露評価、ならびに生物学的および毒物学的データにおける不確実性に着目した。全体としてANSパネルは、これらの不確実性を扱った適切なデータが不足していることを考慮して、カラギーナン(E 407)と加工ユーケマ藻類(E 407a)の既存のグループ許容一日摂取量(ADI) 75 mg/kg体重/日は暫定的なものとすべきであり、同時に既存のデータベースはこの科学的意見の発表後5年以内に更新されるべきであると結論付けた。

  • EFSAのリスク評価研究集会

Risk Assessment Research Assembly
25 April 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/1408e
EFSAのリスク評価研究集会(RARA)の目的は、食品の安全性の研究で今後公的資金が必要となる事案を設定し支援すること、食品の安全性研究の効果を保証するための研究課題の調整、および、ネットワーク基盤を提供し、新しい提携関係の構築を促進することである。集会には39ヵ国から200人の参加者が招かれ、そのうちの多くは、EFSAのイベントへの参加は初めてであった。

  • 香料グループ評価77改訂3(FGE.77 Rev3)に関する科学的意見:EFSAがFGE.24 Rev2で評価したピリジン、ピロール、インドールおよびキノリン誘導体に構造的類縁体であり、JECFA (第63回会合)が評価したピリジン、ピロールおよびキノリン誘導体についての考察

Scientific opinion on flavouring group evaluation 77, revision 3 (FGE.77Rev3): consideration of pyridine, pyrrole and quinoline derivatives evaluated by JECFA (63rd meeting) structurally related to pyridine, pyrrole, indole and quinoline derivatives evaluated by EFSA in FGE.24Rev2
EFSA Journal 2018;16(4):5226 [51 pp.]. 25 April 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5226
この考察は、JECFA(第63回会合)によって評価された1群の22の化合物、すなわちピリジン、ピロールおよびキノリン誘導体に関するものである。6-メチルキノリン[FL‐no: 14.042]の追加毒性データが得られたため、再考察が行われた。その追加毒性データにより、遺伝毒性の懸念が除外され、そのためこの化学物質について所定の手続きを通して評価が行われた。この香料グループ評価で検討されている全22物質についてCEFパネルは、MSDI(調査から導出された最大一日摂取量)アプローチに基づく「香料物質として推定摂取量で安全上の懸念はない」というJECFAの結論に同意した。業界からは、7物質[FL‐no: 13.134, 14.001, 14.030, 14.041, 14.042, 14.058, 14.072]に関し、通常の使用量と最大使用量が提出されている。残りの15物質については、より詳細な暴露評価が必要となる香料物質を特定し、評価をまとめるために、修正理論的添加最大一日摂取量(modified Theoretical Added Maximum Daily Intakes: mTAMDIs)の算出に用いる使用量データが必要である。

  • 柑橘類におけるアバメクチンの既存MRL改訂

Modification of the existing maximum residue level for abamectin in citrus fruits
EFSA Journal 2018;16(4):5254 [24 pp. ]. 25 April 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5254
0.04 mg/kgのMRLを提案するのに十分なデータが提出されている。リスク評価結果に基づき、EFSAは報告されている農業慣習に準じたアバメクチンの使用から生じる残留物を短期および長期摂取しても、消費者の健康にリスクを生ずる可能性は低いと結論付けた。

  • 皮ごと食べるないしは皮は食べないナスとウリ科植物におけるアシベンゾラル-S-メチルの既存MRLs改訂

Modification of the existing maximum residue levels for acibenzolar-S-methyl in aubergines and cucurbits with edible and inedible peel
EFSA Journal 2018;16(4):5256 [21 pp.]. 25 April 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5256
この科学的意見で検討対象とした全ての農作物について、MRL案(0.01→0.15〜0.40 mg/kg)を導出するのに十分なデータが提出されている。また、0.01 mg/kgという検証された定量限界(LOQ)で、検討対象の作物の植物本体におけるアシベンゾラル-S-メチルの残留物を管理できる適切な分析手段が利用可能である。リスク評価の結果に基づき、EFSAは、報告されている農業慣習に準じたアシベンゾラル-S-メチルの使用により生じる残留物を短期および長期摂取しても、消費者の健康にリスクを生じる可能性は低いと結論付けた。

  • 全動物種向けサイレージ添加物としてのBacillus amyloliquefaciens DSM 9553株由来、Bacillus amyloliquefaciens NCIMB 30251株由来、Aspergillus oryzae CBS 585.94株由来、ないしはAspergillus oryzae ATTC SD-5374株由来α-アミラーゼ、Trichoderma reesei ATCC PTA-10001株由来、Trichoderma reesei ATCC SD-6331株由来、ないしはAspergillus niger CBS 120604株由来エンド-1,4-β-グルカナーゼ、Trichoderma koningii MUCL 39203株由来、ないしはTrichoderma citrinoviride CBS 614.94株由来エンド-1,4-β-キシラナーゼ、およびAspergillus tubingensis MUCL 39199由来エンド-1,3(4)-β-グルカナーゼの安全性と有効性

Safety and efficacy of alpha-amylase from Bacillus amyloliquefaciens DSM 9553, Bacillus amyloliquefaciens NCIMB 30251, Aspergillus oryzae CBS 585.94 and Aspergillus oryzae ATTC SD-5374, endo-1,4-beta-glucanase from Trichoderma reesei ATCC PTA-10001, Trichoderma reesei ATCC SD-6331 and Aspergillus niger CBS 120604, endo-1,4-beta-xylanase from Trichoderma koningii MUCL 39203 and Trichoderma citrinoviride CBS 614.94 and endo-1,3(4)-beta-glucanase from Aspergillus tubingensis MUCL 39199 as silage additives for all animal species
EFSA Journal 2018;16(4):5224 [13 pp.]. 24 April 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5224
全動物種向けサイレージ添加物として、α-アミラーゼ、エンド-1,4-β-グルカナーゼ、エンド-1,4-β-キシラナーゼ、エンド-1,3(4)-β-グルカナーゼを含む全部で11種類の酵素が評価された。これらの酵素は、遺伝子修飾が施されていない細菌もしくは真菌生産株による発酵から得られる。これらの菌株のうち3株については、結論の導出にさらなる情報やデータが必要である。アミラーゼを産出する細菌株については、QPS(qualified presumption of safety)アプローチで安全性評価を行うのが適切であると判断され、その結果、それらの細菌が産出物は安全と結論付けられた。真菌については、その菌株や産出物に、毒性学的懸念となり得る二次代謝産物が存在するかどうかが調べられた。その結果、二次代謝産物は検出限界以下であるか、、もしくは真菌の菌株が二次代謝産物を生成しないことが明らかにされた。申請者が提示した全ての情報を考慮して、FEEDAPパネルは、これらの製品が投与対象動物種、消費者、環境に安全とみなせると結論付けた。データが無いため、皮膚や眼への刺激性、および皮膚感作性については結論を導出できなかった。これらの製品は、呼吸器感作性を有するとみなすべきである。FEEDAPパネルは、評価した製品のいくつかについてはは、サイレージ原料の性質を改善する効力があると結論付けたが、他のいくつかの製品については有効性の結論を導出できなかった。

  • アブラナ科の葉、豆、およびサヤエンドウにおけるエマメクチンの既存MRLs改訂

Modification of the existing maximum residue levels for emamectin in leafy brassica and beans and peas with pods
EFSA Journal 2018;16(4):5255 [27 pp.]. 23 April 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5255
検討対象の農作物について、改訂MRL案(0.01→0.03 mg/kg)の導出に十分なデータが提出されている。エマメクチンの残留を管理するのに適切な実践的分析方法が利用可能となっている。報告された農業慣習に準じてエマメクチン安息香酸塩を使用する限りのおいては、残留物の短期及び長期摂取が消費者の健康にリスクを生じる可能性は低いと結論付けられた。

  • 補強データを踏まえたイソフェタミドの農薬リスク評価に関する加盟国、申請者およびEFSAの協議結果

Outcome of the consultation with Member States, the applicant and EFSA on the pesticide risk assessment for isofetamid in light of confirmatory data
23 April 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/1403e
イソフェタミドの補強データおよびそれらデータのリスク評価への組み込みに関し、加盟国、申請者およびEFSAによる意見提出を受けて、協議が行われた。この協議では、意見提出期間に浮き彫りになった個別の事項に関するEFSAの科学的見解が示された。この報告書では、報告担当加盟国ベルギーによるその協議過程の成果の概要と、EFSAの科学的見解および個別に受け取ったコメントについての結論が提示されている。

Outcome of the consultation with Member States, the applicant and EFSA on the pesticide risk assessment for extract from tea tree in light of confirmatory data
23 April 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/1407e
ティーツリー抽出物の補強データおよびそれらデータのリスク評価への組み込みに関し、加盟国、申請者およびEFSAによる意見提出を受けて、協議が行われた。この協議では、意見提出期間に浮き彫りになった個別の事項に関するEFSAの科学的見解が示された。この報告書では、協議の成果の概要と、EFSAの科学的見解および個別に受け取ったコメントについての結論が提示されている。報告担当加盟国はラトビア

  • 離乳仔豚およびマイナー豚種用飼料添加物としてのZM16 10 (Bacillus amyloliquefaci¬ens DSM 25840株)の安全性と有効性

Safety and efficacy of ZM16 10 (Bacillus amyloliquefaciens DSM 25840) as a feed additive for weaned piglets and minor porcine species
EFSA Journal 2018;16(4):5200 [9 pp.]. 20 April 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5200
この添加物は、完全飼料1 kg当たり5 × 108 CFU、飲料水1 L当たり1.7 × 108 CFU/Lの用量で用いることを企図したBacillus amyloliquefaciensの特定の菌株の生芽胞を含む調製物である。この添加物にはZM16とZM16 10の2種類の組成があり、それぞれ添加物1 g当たり1.25 × 109 CFUおよび1.25 × 1010 CFUの濃度で細菌を含む。Bacillus amyloliquefaciensについては、QPS(qualified presumption of safety)アプローチで安全性評価を行うのが適切であると判断された。その結果、この添加物は、投与対象動物、投与された動物由来製品の消費者、および環境にとって安全だとみなすことができる。活性物質がタンパク質の性質を有していることを考慮すると、この添加物は呼吸器感作性を示し得ると考えるべきである。皮膚や眼への刺激性および皮膚感作性については、データが無いため判断できない。この添加物の離乳仔豚とマイナー豚種離乳仔における有効性に関しては、根拠が十分に提示されておらず、結論を導出できなかった。