食品安全情報blog過去記事

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グリホサート:残留濃度の安全性のレビュー

Glyphosate: safety of residue levels reviewed
17 May 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/press/news/180517
EFSAは、食品中に存在することが法律上許容されるグリホサートの最大量(最大残留基準: MRLs)のレビューを完了した。このレビューは、全EU加盟国がEFSAに提出した食品中のグリホサート残留物に関するデータに基づいている。
MRLsは、食事中のグリホサートの量が過剰にならないようにして確実に消費者が保護され続けるために設定されている。これらのMRLsは、グリホサートに関してEUですでに認可されている全ての使用法の分析に基づいている。
提出されたデータにギャップがあり、そのために評価において不確実性が示されている。(詳細は「規則(EC) No 396/22005第12条に基づくグリホサートの既存最大残留基準のレビュー」を参照。)
このレビューでは、グリホサート処理された全農作物を対象とし、リスク評価も行われ、その中で現在の暴露量ではヒトの健康にリスクが生じるとは考えられないことが示されている。このリスク評価のために、EFSAはEU内の成人や子供の食事内容を2015年にEFSAが推奨した安全摂取量*2と対比した。
動物の健康
やはり本日公表された第二の報告書では、飼料中のグリホサート残留物が動物の健康に及ぼし得る影響が評価されており*3、そこでは上述のMRLレビューで得られたデータが根拠の一部となっている。
この評価では、輸入飼料を含め、飼料中のグリホサートの存在に関するすべての入手可能な情報が検討された。その結果、グリホサートが子牛、羊、豚、馬、鶏の健康に影響を及ぼす見込みは無いと結論付けている。
MRLsとは?
MRLsは、食品や動物用飼料に法律上許容されている残留農薬の上限量であり、優良農業規範に則った使用と、感受性の高い消費者を保護するために必要な最小消費者暴露量に基づいている。これらの値は、有効成分の特性と農薬の使用目的を包括的に評価して導出される。これらの法的上限は、輸入食品や輸入飼料にも適用される。
*1: Review of the existing maximum residue levels for glyphosate according to Article 12 of Regulation (EC) No 396/2005
EFSA Journal 2018;16(5):5263 [230 pp.]. 17 May 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5263
*2: Glyphosate: EFSA updates toxicological profile
https://www.efsa.europa.eu/en/press/news/151112
*3: Evaluation of the impact of glyphosate and its residues in feed on animal health
EFSA Journal 2018;16(5):5283 [22 pp.]. 17 May 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5283