食品安全情報blog過去記事

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意見等

  • EUミツバチパートナーシップのための委託事項

Terms of reference for an EU Bee Partnership
18 May 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/1423e
飼育ミツバチや野生のミツバチは、作物や野生の植物に授粉することにより欠くことのできない生態系サービスを提供している。飼育ミツバチコロニーの消失や、EUやその他地域における多くの野生種のミツバチの減少により、一般人を含めた関係者間でミツバチの健康について大きな懸念が持ち上がった。欧州議会の「ミツバチと受粉週間2017」の中で、「EUのミツバチが丈夫に繁殖できるようにして社会に恩恵をもたらすために利害関係者が運営する基盤(プラットホーム)を持とう」という理念の下に、EUミツバチパートナーシップ討論グループ(DG)を設立すべきだという大筋の合意が為された。その後、関係者が関与していく手法(Stakeholder Engagement Approach)の下で、EUミツバチパートナーシップは、EFSAによって設立された目標を定めたプラットホームの一つとして認定された。EUミツバチパートナーシップの目的は、欧州の域を超えてミツバチの健康を評価する全体論的アプローチを実現するために、データの収集、管理、共有、および伝達を改善することである。このパートナーシップでは、ミツバチのことを検討するが、将来的に対象をマルハナバチや単生のハチに拡げる可能性もある。ミツバチ、マルハナバチ、単生のハチの健康に関するデータの区分けなど、広範な6つの作業テーマが特定された。最初の12ヶ月間は、「概念実証」アプローチを用いて、それら6つのテーマのうち1つ以上に焦点を絞る予定である。

  • Kelforce® (L-グルタミン酸, N,N-二酢酸, 四ナトリウム塩)の肥育鶏用飼料添加物としての安全性および有効性

Safety and efficacy of Kelforce® (L-glutamic acid, N,N-diacetic acid, tetrasodium salt (GLDA-Na4)) as a feed additive for chickens for fattening
19 April 2018
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5279
この畜産用飼料添加物は、肥育鶏に用いて飼料からの亜鉛の吸収を高め、糞尿からの亜鉛の排出を抑え、環境に好ましい影響を及ぼすようにすることを企図している。Kelforce®は、GLDA-Na4を47%以上含む液体、および30%以上含む固体で市販する認可を受けようとしている。Kelforce®は、完全飼料1 kg当たりGLDA-Na4として最大1,000 mgの用量で投与しても、肥育鶏に対して安全である。最大用量で投与しても、消費者の安全性に懸念は生じない(不純物のニトリロ三酢酸三ナトリウムについても)。使用者に吸入毒性を示すことも考えにくい。ただし粉塵になりやすいため、高濃度の粉塵によるリスクは排除できない。皮膚や眼に対する刺激性は無く、皮膚感作性も無い。 陸生領域におけるリスクも確認されていない。緑藻類へ2次的な影響を及ぼすことから、水性領域におけるリスクは排除できない。底質領域における安全性や地下水汚染の可能性については、データが無く、結論を導出できない。生物濃縮や二次中毒の可能性は非常に低い。有効性については試験結果が一定しておらず、相反しているため、結論を導出できない。パネルは、1 mgのGLDA-Na4を含む水溶液中のホルムアルデヒドとシアン化合物の濃度を10 mg/L以下にするよう助言した。

  • Hemicell® HT (エンド-1,4-β-マンナナーゼ)の肥育鶏、産卵用育成鶏、肥育七面鳥、交配用育成七面鳥、離乳子豚、肥育豚、マイナー鳥種およびマイナー豚種向け飼料添加物としての安全性および有効性

Safety and efficacy of Hemicell® HT (endo-1,4-β-mannanase) as a feed additive for chickens for fattening, chickens reared for laying, turkey for fattening, turkeys reared for breeding, weaned piglets, pigs for fattening and minor poultry and porcine species
17 April 2018
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5270
Hemicell® HT/HT-Lは、Paenibacillus lentusの遺伝子組換え株が産生するエンド-1,4-β-マンナナーゼを含む添加物である。以前の評価においてFEEDAPパネルは、生産菌株、対象動物種、消費者および使用者における安全性を確認している。しかし、データ不足のため、環境への安全性については結論を導出できなかった。有効性は、肥育豚およびマイナー豚種以外では確認された。申請者は新しいデータを提出し、それに基づいてFEEDAPパネルは、環境への安全性について懸念は生じないと結論付けた。肥育豚における有効性については、申請者は以前に評価を受けた試験の新しい分析結果を提出し、それに基づいてパネルは飼料1 kg当たり32,000 Uの用量で、飼料要求率が改善すると結論付けた。マイナー豚種については新しいデータは提出されていないが、当該酵素の作用機序が既知でありどの豚種でも同様であると合理的に判断されることから、外挿により肥育マイナー豚種への有効性も認められると判断した。

  • ジクワットへの非食事性暴露についての言及

Statement on non-dietary exposure on diquat
13 April 2018
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5260
ジクワットの認可更新申請に対し、EFSAは2015年に評価を完了したが、その後の申請者と欧州議会との協議の中で、非食事性暴露についての再評価が必要であることが確認された。評価では、申請者(2社)が提示した使用法に加え、様々な適用量での典型的な使用法も検討された。その結果、近傍にいる人や周辺居住者についてEFSAの初回の評価で特定された懸念が、典型的な使用法の全てにおいて確認された。