食品安全情報blog過去記事

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意見等

  • 食品および飼料用遺伝子組換えトウモロコシ4114株の規則(EC) No 1829/2003に基づく評価

Assessment of genetically modified maize 4114 for food and feed uses, under Regulation (EC) No 1829/2003 (application EFSA-GMO-NL-2014-123)
First published in the EFSA Journal: 24 May 2018
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5280
トウモロコシ4114株はAgrobacterium tumefacienを介して形質転換を行った遺伝子組換え(GM)株である。Bacillus thuringiensis由来のCry1F、Cry34Ab1およびCry35Ab1タンパク質を発現することにより、鱗翅目および鞘翅目の害虫に抵抗性を示す。また、Streptomyces viridochromogenes由来のPATタンパク質を発現することにより、除草剤の有効成分であるグルホシネートアンモニウムに耐性を示す。分子特性データからは、食品や飼料の安全性に関する評価が求められるような問題は認められなかった。4114株とnon-GM対照株との間で認められた組成、栽培および表現型上の相違は、いずれも更なる評価を必要とさせるものではなかった。潜在的な毒性、および新しく発現したCry1F、Cry34Ab1、Cry35Ab1およびPATタンパク質のアレルゲン性に関する懸念は無く、GMにより4114株の全般的なアレルゲン性に有意な変化が生じたという証拠も認められない。4114株から得られた食品や飼料の栄養価は、non-GM品種から得られたものと同等であり、市販後モニタリングは必要ないと判断される。4114株の生きた穀粒が偶発的に環境に放出されても、環境の安全に懸念は生じない。市販後環境モニタリング計画および報告間隔は、4114株に企図された使用法を踏まえたものになっている。GMOパネルは、トウモロコシ4114株は、この申請の範囲において、non-GM対照株やnon-GM参照品種と比べても、ヒトや動物の健康への影響および環境への影響に関し、同様に安全であると結論付けた。

  • Corynebacterium glutamicum KCCM 10741P株を用いた発酵により生産された全動物種向けL-アルギニンの安全性および有効性

Safety and efficacy of L-arginine produced by fermentation using Corynebacterium glutamicum KCCM 10741P for all animal species
First published in the EFSA Journal: 25 May 2018
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5277
L-アルギニンは、多くの哺乳類の成獣では非必須アミノ酸であると考えられているが、鳥類、魚類、そしておそらく爬虫類や真正肉食動物では必須のアミノ酸である。この評価の対象は、Corynebacterium glutamicumの非遺伝子組み換え株(KCCM 10741P株)による発酵で生産したL-アルギニンである。全動物種および成育群に混餌投与もしくは飲水投与することが企図されている。生産菌株の種の特性は確認されており、当該菌株はEFSAが規定する閾値より低い濃度の抗生物質に対し感受性を示す。したがって、C. glutamicum KCCM 10741P株は、QPS(安全性適格性推定)アプローチによると、安全であると推定される。最終製品にC. Glutamicumの生細胞は全く検出されない。生成される物質の99.8%が同定可能で、懸念のある不純物は検出されなかった。この菌株によって生産されたL-アルギニンは、適切な分量で食餌に補給した場合、対象動物種において安全であり、また消費者や環境にも安全である。この菌株によって生産されたL-アルギニンは、皮膚や眼に腐食性を示すと考えられ、そのため吸入によりリスクが引き起こされる。この添加物は、全ての動物種にとって、有効なアルギニン源となる。この補給されるL-アルギニンが反芻動物でも非反芻動物におけるのと同様の有効性を示すためには、第一胃における微生物分解を防御する必要がある。

  • Escherichia coli NITE BP-02186株を用いた発酵により生産された全動物種向けL-アルギニンの安全性および有効性

Safety and efficacy of L-arginine produced by fermentation with Escherichia coli NITE BP-02186 for all animal species First published in the EFSA Journal: 25 May 2018
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5276
L-アルギニンは、多くの哺乳類の成獣では非必須アミノ酸であると考えられているが、鳥類、魚類、そしておそらく爬虫類や真正肉食動物では必須のアミノ酸である。L-アルギニンの産生が強化されるように遺伝子組換えを行ったEscherichia coli NITE BP-02186株による発酵で生産されたL-アルギニンは、全動物種および成育群に混餌投与もしくは飲水投与することが企図されている。この製品は、評価において、生産菌株の遺伝子修飾に関連した安全性への懸念を生じることはなかった。この製品を栄養添加物として、適切な分量で食餌に補給した場合、対象動物種において安全である。L-アルギニンを香料添加物として飼料に使用しても、何らかの懸念が生じることは考えにくい。この製品を飼料添加物として評価を受けたとおりの用法で使用した場合、消費者にリスクを生じることはないと考えられる。この製品は、皮膚や眼に刺激性を示さず、皮膚感作性も無い。エンドトキシン活性が示される懸念は無いが、入手された暴露データおよび毒性データによると、この添加物は使用者に吸入によるリスクを生じる可能性がある。この添加物を動物の栄養補給に利用しても、環境へのリスクは生じない。この添加物は、全ての動物種にとって、有効なアルギニン源となる。L-アルギニンは、動物への栄養付与において香味成分として使用した場合に有効性を示すと考えられる。