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タバコタール、一般タバコより紙巻タバコ型電子タバコの方が多い

2018-06-07 消費者危害予防政策課/先端分析課
http://www.mfds.go.kr/index.do?mid=675&pageNo=2&seq=42316
−食薬処、紙巻タバコ型電子タバコの有害性分析結果発表− ホルムアルデヒドベンゼンなど発ガン物質も含まれる
韓国国内で販売中の紙巻タバコ型電子タバコ(加熱タバコ)排出物に含まれるニコチン、タールなど11種類の有害性分を分析した結果、一般タバコと同様にホルムアルデヒドベンゼンなどヒト発ガン物質が検出された。
紙巻タバコ型電子タバコは、専用機器を通じて烟草を250〜350°Cで加熱して排出物を吸いこむ加熱式タバコのこと。<分析成分>
ニコチン、タール、およびWHOが低減化を勧告している9個成分を含む11成分。<分析製品及び方法>
3社の紙巻タバコ型電子タバコ製品中一つずつを選定。
フィリップモリス「アイコス(アンバー)」
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ「クール(ブライトタバコ)」
・KT&G「リール(チェンジ)」
紙巻タバコ型電子タバコに対してはまだ国際的に公認された分析法がないため、一般タバコの国際公認分析法であるISO法とHC(Health Canada)法を採用し、それぞれ改変して適用した。<分析結果>
ニコチン平均含有量は、3製品でそれぞれ0.1 mg、0.3 mg、0.5 mg (ISO法)であった(一般タバコでは0.01〜0.7 mg)。
タールの平均含有量は、それぞれ4.8 mg、9.1 mg、9.3 mgであった(一般タバコでは0.1〜8.0 mg)。
WHO低減化勧告9成分中IARCでヒト発ガン物質(1群)に分類された6成分をISO法と分析し、平均含有量の範囲を求めた結果、
ベンゾピレンは不検出〜0.2 ng、ニトロソノルニコチンは0.6〜6.5 ng、ニトロソメチルアミノピリジブタノンは0.8〜4.5 ng、ホルムアルデヒドは1.5〜2.6 µg、ベンゼンは0.03〜0.1 µg、1,3-ブタジエンは不検出。
残りの3成分は、
アセトアルデヒドは43.4〜119.3 µg、アクロレインは0.7〜2.5 µg、一酸化炭素は不検出〜0.2 mg。
HC法では、吸入体積、吸入頻度などが高く見積もられるため、ISO法より1.4~6.2倍高い値となった。
ベンゾピレン0.1〜0.5 ng、ニトロソノルニコチン0.9〜18.3 ng、ニトロソメチルアミノピリジルブタノン1.6〜12.1 ng、ホルムアルデヒド4.0〜12.2 µg、ベンゼン0.06〜0.2 µg、アセトアルデヒド72.6〜193.6 µg、アクロレイン1.7〜7.9 µg、一酸化炭素不検出〜0.5 mg<分析結果の意義>
紙巻タバコ型電子タバコのニコチン含有量は、一般タバコと同等の水準。
紙巻タバコ型電子タバコ2個製品では、タールの含有量が一般タバコより高く、一般タバコと違う有害物質を含む可能性がある。
WHOなど外国研究資料などと合わせて総合的に考慮すると、紙巻タバコ型電子タバコが一般タバコより有害性が低いという根拠はない。
紙巻タバコ型電子タバコにもベンゾピレンベンゼンなどヒト発ガン物質が含まれることが確認され、一般タバコと同様にがんなど各種疾病を起こす可能性がある。
タバコ有害性は喫煙期間、喫煙量だけでなく吸入回数、吸入深さなど喫煙習慣によって変わることができるから有害性分の含有量だけで製品間に有害性を比べるのは適切ではない。<今後計画>
今回の分析結果をタバコ製品管理及び禁煙政策などに積極的に活用する。
韓国人の喫煙態度調査、タバコ有害性分分析‧公開など研究及びそのための法律改訂を関係省庁が持続的協議、推進する。
なお、タバコ製造業者や輸入販売業者がタバコの原料及び有害性分などに関する資料を政府に提出して、政府がこれを検討して国民に公開することを内容とした「タバコ事業法」及び「国民健康増進法」改正案が国会で議論中である。