食品安全情報blog過去記事

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論文

  • バーができてから、カメルーンのBakaピグミーの赤ちゃんが減った

Scienceニュース
After a bar opens, the Baka pygmies of Cameroon have fewer babies
By Ann GibbonsJun. 18, 2018 ,
http://www.sciencemag.org/news/2018/06/after-bar-opens-baka-pygmies-cameroon-have-fewer-babies
Fernando Ramirez RozziはカメルーンのBakaピグミーの人々を何年も研究していて、2011年に若い女性の妊娠率が急に低下したことに驚いた。10年にわたる出生率データを解析し、この変化の背景になにがおこっていたのかを思い出そうとした。最大のニュースは2010年後半にMoange-le-Bosquet村の中央にバーがオープンし、安価で危険なメタノールエタノールの混合物を販売したことである。それからそのバーはカトリックの伝道をやめて村の中心地となり、男も女も、子供すら0.09ドルの酒の袋を飲むようになった。
しかしアルコールのせいで出生が減ったのか?この疑問に答えるため、フランスCERNの人類古生物学者Ramirez Rozziはバーのオープン前後での出生数を比較した。
最終的にアルコールが原因だと結論した論文を本日PNASに発表した。
他の研究者らはRozziの主張は説得力があるという。カリフォルニア大学の名誉教授Nicholas Blurton-Jonesは別の狩猟採集民族Hadzaの研究をしていて彼らもまた町に住むようになってアルコールの問題に苦しんでいる。
昨年Ramirez RozziがBakaの女性にデータを見せたとき、彼らは男たちが仕事から戻るときにお金をアルコールに使ってしまって酔っぱらって帰ってくる、若い女性もお酒を飲んでいて妊娠にトラブルが多い、と語った。彼らは非常に心配していた。

  • 研究がHPVワクチンを受ける最初の出生コホートを検討:ワクチンは効果がある

Study examines first birth cohort to receive HPV vaccine: The vaccine works
18-Jun-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-06/uoct-sef061818.php
コペンハーゲン大学によるInternational Journal of Cancerに発表された研究。デンマークでは2009年からHPVワクチンが子どもの予防接種計画の一部になった。この世代(1993年生まれ)の少女の、子宮頸がん検診での、最終的に子宮頸がんにつながる可能性のある異型性の程度は1983年生まれの集団より低い。正確に言うとリスクは40%下がった

  • 中国の小規模農家での農業用化学物質の過剰使用が健康と環境を害する

Overuse of agricultural chemicals on China's small farms harms health and environment
18-Jun-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-06/uom-ooa061818.php
メルボルン大学のチームが行った研究がPNASに発表された。農薬の過剰使用に寄与する重要因子は農地のサイズで、環境的に持続可能であるためには狭すぎる。
小規模農家は多くの技術的革新や現代的管理方法を採用できず、大きな農場で働く人のほうが知識や管理技術に優れ農薬を効率よく使える。中国では移住制限があるため農地面積が拡大できず98%が2ヘクタール以下で世界でも小規模農家の割合が多い