食品安全情報blog過去記事

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意見

Scientific and technical assistance on trans fatty acids
First published in EFSA Supporting Publications: 19 June 2018
http://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1433
欧州委員会はEFSAに対し、トランス脂肪酸(TFA)の健康への影響についてEFSAが既に提示した科学的助言を、栄養および健康強調表示、食事摂取基準(DRVs)、ならびに食品添加物の分野の面から再編集すること、およびそれらの科学的助言とTFA摂取に関する現行の目標と推奨事項との関連性を報告することを要請した。EFSAの各パネルによって提示された科学的助言は、他の国立機関や国際機関によって設定された最も新しいDRVs、栄養学的目標および推奨事項、およびTFAに関する食事ガイドラインの科学的根拠と一致している。介入試験の結果から、TFAはcis-一価不飽和脂肪酸やcis-多価不飽和脂肪酸よりも血中脂肪への有害影響を示し、冠動脈性心疾患(CHD)の増加を引き起こし得ること、およびその有害影響が用量依存性であることが明らかにされている。前向きコホート調査では、TFAの摂取量とCHDのリスクとの間に相関関係が一貫して認められている。各国の機関や国際機関による最新の助言では、ほぼ例外なくTFAの食事を介した摂取は可能な限り低減すべきとされている。

  • イヌムラサキとダイコンにおけるチアクロプリドのMRLsの改定申請

Modification of the existing maximum residue levels for thiacloprid in corn gromwell seeds and radish
First published in the EFSA Journal: 20 June 2018
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5313
チアクロプリドについては現在登録更新手続きが行われている。2015年、リスク評価委員会は、CLP規則(化学品の分類、表示、包装に関する規則)の基準に基づいて、発生・発達への有害影響に関し、Cat. 1B(ヒトへの毒性が推定される物質)およびH360FD(生殖性や胎児に害を及ぼす可能性がある)に分類されるに値すると結論付けた。この有効成分が規則(EC) No 1107/2009第4条に定義されている登録除外基準を満たしているという強い根拠があることを考慮すると、最大残留基準値(MRLs)改定の判断の前に、さらにリスク管理の検討を思慮する必要がある。今回の改定申請に当たって提出されたデータは、イヌムラサキやダイコンにおけるMRL案を導出するための現行の法的要件を満たしている。イヌムラサキやダイコン中のチアクロプリド残留物による推定暴露量は、毒性学的参照値を超えることは無いと予測される。

Re-evaluation of gellan gum (E 418) as food additive
First published in the EFSA Journal: 20 June 2018
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5296
ジェランガム(E 418)の再評価にあたり、十分な暴露データおよび毒性データが得られていると判断された。報告された使用水準に基づくと、0〜4歳児の詳細暴露量は、95パーセンタイルで72.4 mg/kg体重/日と推算された。ジェランガムはそのまま吸収されることは考えにくく、またヒトの腸内微生物叢で発酵することもないと考えられる。発がん性や遺伝毒性の懸念は無い。マウスやラットの慢性試験では、最高用量(マウスで3,627 mg/kg体重/日、ラットで1,460 mg/kg体重/日)においても有害影響は認められていない。ヒトにおいても、200 mg/kg体重/日の用量で3週間反復経口投与しても、有害影響は認められなかった。ANSパネルは、ジェランガム(E 418)に一日摂取許容量を設定する必要は無く、報告された用途や量でジェランガム(E 418)を食品添加物として使用したとしても、詳細暴露評価の結果から、懸念は生じないと結論付けた。ANSパネルは、ジェランガムの規格を、供給源となる微生物の生きた細胞を含まないことや、ポリヒドロキシブチレートやタンパク質や微生物の残留酵素活性の存在などについて、より詳細に定義することを助言した。