食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • 議会は議論の多いがん研究グループへの資金提供を脅かす

Congress Threatens Funding for Controversial Cancer Research Group
By Todd Shepherd June 18, 2018
http://freebeacon.com/politics/congress-threatens-funding-controversial-cancer-research-group/
米下院歳出委員会はIARCへの資金提供を止める可能性について言及した。先週発効した新しい法でIARCが透明性を増すなどの改革を行わない限りNIHはIARCに資金提供できない。
先週下院科学宇宙技術委員会はIARCの新しい長官を7月の委員会で証言するよう招待した。前の長官Christopher Wildのもとでのモノグラフ計画のやりかたは科学の完全性を損ない混乱と不信を拡げるものだった、と委員会は言う
議会委員会からの新長官への手紙
https://science.house.gov/sites/republicans.science.house.gov/files/documents/06072018CLSLucasBiggsDunnIARCWeiderpassLetter.pdf
(Christopher Wildの間違いを修正できるかと聞いている)

  • EPAで科学が勝った。今は。

Science Triumphs At The EPA. For Now.
By Henry I. Miller | May 17th 2018
http://www.science20.com/henry_i_miller/science_triumphs_at_the_epa_for_now-232453
「The Neonic Ban: A Scientific Fraud Becomes Enshrined In EU Regulatory Lawhttp://d.hatena.ne.jp/uneyama/20180605#p6」において私は欧州のネオニコ禁止につながった腐敗の数々を説明した。これまでのところ米国では、いくつかの心配な兆候はあったもののEPAは欧州とは全く違う評価案を発表した。理由はアメリカの規制システムが欧州ほど政治的圧力で歪められないからである。
EUで2013年にネオニコが禁止されたとき、環境活動家たちは次の標的をアメリカにした。いつものように主流メディアは活動家たちによるミツバチの絶滅の話を拡散した。例えば雑誌Timesは「ミツバチのいない世界」という特集を組んだ。しかしEPAはミツバチが減っていない、むしろ増えていることを知っていた。ミツバチの健康に最も影響が大きいのは農薬ではなく、ネオニコは有機リンやピレスロイドより害が少なく、最も害のある農薬はミツバチのダニ駆除のために養蜂家がハチの巣に直接散布しているものであることなども知っていた。しかし問題になっているのは事実について、ではない。政治的圧力である。EPAの専門家に対する圧力はオバマ大統領の「個人的興味」により強くなっていた。最初のうちEPAは圧力に屈したように見えた。ネオニコが農家にとって価値がないという奇妙な報告を発表しUSDAが公式に批判した。EPAは農家を罰しているようだった。しかし何かがおこってEPAは多くの場合ネオニコ使用はミツバチの脅威とはならないと態度を変えた。カナダでもPMRAが同様の評価を発表した。
いまのところ米国ではネオニコが使える。しかし環境活動家たちは科学に負けたことを憎んでいる。科学が政治的圧力にいつも勝てるわけではない。
(いろいろ略)

  • カナダ経済に与える薬物のコストは380億ドルで、酒とタバコがトップ:研究

Substance use costs Canadian economy $38B, booze and tobacco on top: study
June 26, 2018
https://globalnews.ca/news/4296913/cost-of-substance-use-canada-booze-tobacco/
ビクトリア大学の新しい報告書。2014年のコストの70%が酒とタバコで、オピオイドははるかに少なく三番目の10%

Twelve teen deaths spur opioid addiction strategy by Alberta child advocate
Janet French Updated: June 26, 2018
http://edmontonjournal.com/news/local-news/alberta-child-and-youth-advocate-to-release-report-on-opioid-deaths
この2年でオピオイド中毒により12人の子どもが死亡したことからDel Graffは若者に特化したオピオイド戦略を作るべきと主張

Scienceニュース
Macchiarini guilty of misconduct, but whistleblowers share blame, new Karolinska Institute verdict finds
By Gretchen VogelJun. 26, 2018 ,
http://www.sciencemag.org/news/2018/06/macchiarini-guilty-misconduct-whistleblowers-share-blame-new-karolinska-institute
ストックホルムカロリンスカ研究所(KI)は公式にPaolo Macchiariniの科学不正を認めた。Macchiariniは患者の幹細胞を埋め込んだ人工気管移植で再生医療のパイオニアとして広くもてはやされたが2016年に詐欺と不正でKIを解雇されている。
しかしこの判定ではMacchiariniの不正について警鐘を鳴らした4人に対しても苦い薬となっている。かつてMacchiariniと共同研究者として論文を発表しているため。
「この判断は内部告発者には罰を与えるというメッセージになっている」と内部告発者の一人Oscar Simonsonは言う。もう一人の内部告発者Karl-Henrik Grinnemoは「KI指導部の嫌がらせが続いている」という。「彼らは我々が調べようとするのを常に邪魔してきた」
彼らはスウェーデン中の多数の研究者がこの判定に正式に苦情を申し立てる準備をしている、という。
(自分の組織の不祥事を暴く内部告発者をどう処遇するかで組織の性質はわかるよね)

Yet Another Way 'Natural' Parenting Dehumanizes Women: Lotus Birth
Kavin Senapathy , Aug 31, 2017(去年の記事)
https://www.forbes.com/sites/kavinsenapathy/2017/08/31/yet-another-way-natural-parenting-dehumanizes-women-lotus-birth/#56d2740f11e8
専門家が反対するにも関わらずソーシャルメディアで妊娠中の母親たちに出回っているロータスバースという「ナチュラル」な出産法を聞いたことがあるだろうか?それは赤ちゃんの臍の緒が「自然に」とれるまで胎盤をつけたままにする。
(ふぃっしゅさんが書いてたhttp://d.hatena.ne.jp/fish-b/20150723/1437586927