食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

FDA長官の声明: オピオイド類の違法なオンライン販売を阻止するためのインターネット関係者との協調について

Statement from FDA Commissioner Scott Gottlieb, M.D., on FDA’s efforts to collaborate with internet stakeholders to stop the illegal sale of opioids online
June 28, 2018
https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm612196.htm
昨日、FDAは様々なインターネット関係団体(政府機関、技術系企業、学術研究者グループ、弁護士グループなど)のリーダーとの会合を持った(オンライン販売されるオピオイド類に関するサミット*1)。
オピオイド類の違法販売がどのようにどこで起きているのかをより良く理解するための調査のプレゼンテーションが行われた。また、違法な入手経路を消費者に認識させる教育の重要性が説かれた。さらに、薬物の依存・濫用状態にある個人やその家族を、そうした問題を扱う信頼できる支援組織と結びつける方法も議論された。
インターネット検索結果やソーシャルメディアの投稿の先頭に順法的あるいは教育的なコンテンツが来るようにする取り組みや、個人が違法な販売サイトを見つけにくくする取り組みが提示された。違法な活動を検出するための大量データや人工知能の活用方法も議論された。オンラインでオピオイド類を購入することの危険性などに関する公衆衛生情報をより利用しやすくする活動も発表された。
このサミットは、違法販売を阻止する活動における長期的な協働の第一段階である。インターネット企業には、この活動のパートナーになり、技術的な解決策などを提示してくれることを望んでいる。
サミットでは、「麻薬に手を出さない子供の育成のためのパートナーシップ」や「依存からから立ち直ろうとする若者」の代表者も参加し、若年者に関するFDAの取り組みも話し合われた。FDAは最近、患者団体との会合*2も開き、その中で患者独自の視点について情報提供を受けた。これからもこうした団体に話し合いの席についてもらうようにしていく。
オピオイド類のオンライン販売が国民の健康にもたらす非常に大きな健康危機に対しては、先を見通し、社会的責務を考え、各方面が協働した取り組みが必要である。協働は始まったばかりであるが、サミットの参加者は皆、違法薬物のオンライン販売を阻止する願いと、オピオイド類の蔓延と戦う信条を共有している。