食品安全情報blog過去記事

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ビスフェノールAに関するFDAの研究で得られた知見を紹介するウェブセミナーの開催

FDA spotlights its research findings on BPA
September 5, 2018
http://s2027422842.t.en25.com/e/es?s=2027422842&e=133170&elqTrackId=B1F0B909CCF90C71B9C490C37BFE6647&elq=265b92a5c90341aeadd2cc3bd3008a64&elqaid=4903&elqat=1
FDAの薬理学研究者によるビスフェノールA(BPA)に関するウェブセミナーが2018年9月13日に以下の講義内容で開催される。
BPAは、工業用化学物質として大量に生産されており、消費者製品の材料となるポリカーボネートプラスチックやエポキシ樹脂の製造に用いられている。そうした消費者製品には、食品や飲料を入れる容器、医療器具、および感熱紙などがある。ヒトの暴露は主に食品容器によって生じる。食品容器などの製品から低濃度のモノマーが食品に移行する場合があり、そうしたBPAへの暴露が毒性を示す可能性について大きな論争が行われてきた。
FDAは、国立毒性研究センター(NCTR)や国立環境衛生科学研究所(NIEHS)と機関間提携を結び、FDAの科学評議会が認定していたデータギャップを埋めるべく、この10年間一連の試験を行ってきた。いくつかの動物種について薬物動態学的試験が実施され、その結果、BPAは胃や肝臓で迅速に大部分が不活化されるが、若齢動物における不活化の程度は種によってばらつきが見られることが示された。
FDAの科学者は、ヒトのあらゆる年代における標的臓器のBPA内部暴露を予測できる生理学的薬物動態モデルを開発した。BPAの毒性をラットを用いて、ヒトの食事暴露の90パーセンタイル平均値の10倍から25,000倍までの幅広い用量範囲で評価した。2年間毒性試験については、動物と組織を14の学術研究所で分担して実施し、規制目的の試験ガイドラインには通常含まれていないエンドポイントの評価も実施された。これらの学術研究所の試験結果は、今回の講義では取り扱わないが、今後NCTRのデータと統合される。NCTRの毒性試験の結果からは、BPAが高用量では有害影響を引き起こすが、試験した用量範囲の低い側ではそうした影響を引き起こすことは無いことが示されている。有害影響は一貫してエストロゲンとしての弱い活性に関連している。これらの結果は、国民が大きな関心を寄せている話題である、実施中のBPAの安全性評価において考慮されることになる。