食品安全情報blog過去記事

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その他

WHO cures cancer in Photoshop?
by Leonid Schneider October 11, 2018
https://forbetterscience.com/2018/10/11/who-cures-cancer-in-photoshop/
WHOは最近世界の医療概要に伝統的中国医学を含めた。つまり稀少なあるいは絶滅危惧種の動物の粉末が万能薬として認められた。またIARCは近代の技術を用いて新しいがんの治療法を発見した。この方法は全ての世界に適用可能で、フォトショップを使ってデータの画像を芸術的に操作して有名な雑誌に治療法を発表するというものである。それはがん患者を助けることはないが、学者のキャリアには極めて大きな利益がある。そのような印象的な操作を行った論文を出しているのがIARCのがん生物学と感染グループの部長であるMassimo Tommasinoと彼の元同僚で現在INSERMのグループリーダーUzma Hasanである。
以下論文の画像操作事例多数

  • 動物細胞培養製品への食品表示についての我々の声明

Our Statement to USDA on Food Labels for Animal Cell Culture Products
By Alex Berezow — October 24, 2018
https://www.acsh.org/news/2018/10/24/our-statement-usda-food-labels-animal-cell-culture-products-13545
USDAとFDAの共催する公聴会で述べた意見
食品に何故表示が必要か?消費者が情報を与えられた上での選択をできるように、重要な栄養と健康情報を提供するためである。食品表示は政治的意見の場ではない。動物の培養細胞はいつの日か培養肉を作れるようになる可能性がある。FDAの「実質的同等性」方針が採用されるべきだろう。生産方法は安全性や栄養とは関係なく、義務化すべきではない。

  • Science 26 October 2018 Vol 362, Issue 6413

エディトリアル 事実のない世界を想像
Imagine a world without facts
Jeremy Berg
Science 26 Oct 2018: Vol. 362, Issue 6413, pp. 379
現在の「ポスト真実」の世界をこれ以上進めないために根拠を擁護しようという呼びかけ

特集は論文取り下げ
特に患者をリスクに晒す医学研究の不正は問題が大きいが、一部の人が多くを占める
A scientist's fraudulent studies put patients at risk
Adam Marcus
Vol. 362, Issue 6413, pp. 394
取り上げられているのはドイツのJoachim Boldt
でも取り下げ論文の多さで日本が目立つ

がんのクロマチン
The chromatin of cancer
Jussi Taipale
Science 26 Oct 2018: Vol. 362, Issue 6413, pp. 401-402
現代の遺伝子解析技術はがんの遺伝的基礎の理解を大幅に進めたが、そうした遺伝子の変異がどうしてがんにつながるのかについてはまだ理解にはほど遠い。がんリスクに関連するたくさんの変異が見つかっているが、ほとんどはがんリスクのうちの僅かしか説明しない。今週号では全ゲノム配列決定とゲノムワイド関連研究(GWAS)につづく3つめのゲノムアプローチである機能的ゲノム解析クロマチンアクセシビリティ解析の例を示している

  • Nature Volume 562 Issue 7728, 25 October 2018

の表紙は「安全毛布」。赤ちゃんと子どものマイクロバイオーム解析の論文

Natureニュース
遺伝子編集作物への厳しいEU規則は科学を苦しめる
Strict EU ruling on gene-edited crops squeezes science
25 October 2018  Andrew J Wight
https://www.nature.com/articles/d41586-018-07166-7
研究者らは危機を感じ植物科学と農業の例外を要求
科学者が声を上げ始めているが欧州司法裁判所の判断には上訴のメカニズムはない

「事前登録された」研究の最初の解析は差のない知見の急激な増加を示す
First analysis of ‘pre-registered’ studies shows sharp rise in null findings
24 October 2018  Matthew Warren
https://www.nature.com/articles/d41586-018-07118-1
研究を実施する前に仮説とプロトコールを登録しておくことは意図したとおりに機能しているようだ:ポジティブな結果の出版バイアスを減らす

  • MSGは安全?

Is MSG Safe?
by Keng Lam, MD October 25, 2018
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food-safety/article/msg-safe
Q: 私はMSGの摂取を制限、あるいは全く摂らないように避ける必要があるの?
A: ノー。過去数十年にわたってこのよくある食品添加物グルタミン酸一ナトリウム−は、歴史的にMSGを最も多く含むと型にはめられてきたアジアの食品を食べた後に頭痛や発赤、発疹、喘息様症状を経験したという逸話的報告により一般人にたくさんの恐怖を引き起こしてきた。実際に、こうした現象を記述する古い用語の一つは「中華料理店症候群」で、より新しく使われるようになったより含意の少ない用語は「MSG複合症状」である。もしあなたがNetflixの番組を見ていたら、「醜いご馳走Ugly Delicious」シリーズでこの議論が特集されているのを見たことがあるかもしれない。その番組ではMSG複合症状が如何に不公平な人種差別で標的とされてきたかを記述している。
MSGは化学工場で合成されているもののように聞こえるかもしれないが、実際にはどこにでもある天然の呈味物質である。78%のグルタミン酸と12%のナトリウム、残りは水、からなり、グルタミン酸は人間の細胞や多くの食品に含まれるアミノ酸で、アジアの食品にだけあるわけではない。トマトソーススパゲッティ一皿のほうが、同じ量のどんなアジアの料理よりもグルタミン酸が多いだろう。
グルタミン酸が最初に単離されたのは1908年ごろ日本で、で海草を茹でて抽出された。世界中で広く使われ、例えば砂糖大根や糖蜜からも作られる。多くの食品、最も美味しく栄養のあるものを含む、には遊離のグルタミン酸が多い(ナトリウムは無い)。くるみ、トマト、ブドウジュース、豆、マッシュルーム、ジャガイモ、チキン、パルメザンチーズ、大豆プロテインなど。母乳にもグルタミン酸は含まれる。グルタミン酸を含まない食事は計画するのが困難である。
それでも多くのアメリカ人がMSGを恐れる−彼らの恐怖は台湾や日本のような、特に有害影響なく大量を摂取している国にとっては驚きである。実際、多くの大規模で質の高い研究がMSGと何らかの有害症状の関連を見つけるのに失敗している。例えば2009年にClinical and Experimental Allergyに発表された論文ではMSGと喘息や発赤やその他アレルギー症状との関連の可能性を探しているが確実な関連は同定できなかった。2016年のThe Journal of Headache and Painに発表された論文では頭痛との関連を探しMSGが頭痛の原因であるという根拠は一貫性がなかった。
それより早い2006年にはドイツのハイデルベルグ大学研究者らが国際シンポジウムでMSGの既存の根拠をレビューし、MSGは食品に添加される量ではたとえ妊娠女性や胎児に対しても害はなく、一部の高齢者には食欲増進に役立つだろうと結論している。人体は遊離のグルタミン酸とMSGを同じように処理する。
基本
極一部のヒトがMSGに感受性が高く大量に食べると奇妙な感じを覚える可能性はあるかもしれないが、MSGが自称過敏症のヒトであっても一時的で軽微な症状以上のものを引き起こすことを示す研究はこれまでにない。もしあなたがMSGのせいで頭痛になると信じているのなら食べる理由はない。食品表示には成分が記載されていてレストランでは尋ねることができる。そうでないならこのうまみを楽しむのは問題ない。ただしたくさん使うとナトリウムも多くなるので、もし減塩が必要ならあまりたくさん使わないこと。

  • 反ワクチン声明でOxfordのカイロプラクタークリニック閉鎖

Anti-vaxxing statements lead to Oxford Chiropractors clinic closure
Updated: Oct 22
https://www.thechronicleherald.ca/news/local/anti-vaxxing-statements-lead-to-halifax-chiropractic-clinic-closure-251956/
カナダ

College of Chiropractors of British Columbia
October 3, 2018
http://www.chirobc.com/ccbc/wp-content/uploads/2018/10/Efficacy-Claims-Policy-Final-Cover-letter.pdf
根拠のない治療効果の宣伝をしないことや予防接種に反対しないように、法を守るようにといった趣旨。
狂犬病ホメオパシー騒動で風当たりがきつくなっているため)

I reviewed all 161 of GOOP’s wellness products for pseudoscience. Here’s what I found.
Dr. Jen Gunter ⋅ October 13, 2018
https://drjengunter.wordpress.com/2018/10/13/i-reviewed-all-161-of-goops-wellness-products-for-pseudoscience-heres-what-i-found/
2018年10月にGwyneth PaltrowはBBCの取材に答えてGOOPが疑似科学を宣伝しているという主張には同意できないと言っている
Gwyneth Paltrow on Goop: We disagree with pseudoscience claims
09 Oct 2018
https://www.bbc.com/news/av/entertainment-arts-45794662/gwyneth-paltrow-on-goop-we-disagree-with-pseudoscience-claims
しかし調べたところ90%は科学によって支持されていないものだった

TINA
Cancer Infographic
https://www.truthinadvertising.org/cancer-infographic/
米国の複数がんセンターは希望を詐欺的に販売している
TINAの行った調査では米国の50のがんセンターの90%で患者の証言が詐欺的に宣伝に使われている。「統計は意味がない」「確率なんて信じない」「私が生きた証」といった類。
50のがんセンターが2017年に宣伝広告のために使ったお金は141,000,000ドル
最大はCTCA (Cancer Treatment Centers of America)で6800万ドル。CTCAはFTCから処分も受けている。FDAからも警告。患者の70%は他の州から来る。2014年にがん患者が使った自費の治療費は40億ドル。がん患者の破産率は健康なヒトの2.5倍。50才以上でがんと診断された人の42%以上が2年以内に貯金を使い果たす

(CTCAはもと従業員の告発記事もあるがたくさんの患者を集め続けている
https://www.naturopathicdiaries.com/ctca-the-cancer-treatment-charade-of-america/)