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カオリナイト由来のジャガイモのダイオキシン汚染について 更新

20.01.2005
http://www.bfr.bund.de/cm/208/kaolinit_in_der_lebensmittelherstellung_dioxin_%20in_kartoffeln.pdf
カオリナイトを使って選別したジャガイモを原料にした食品がオランダで生産されており、ヒト食用ジャガイモ製品のダイオキシンバックグラウンドレベルのわずかな上昇が観察されている。BfRは消費者へのリスク評価を依頼された。
カオリナイトはジャガイモやニンジン・果物の選別やワインの製造、植物油の精製に使われている。野菜や果物の選別に使う場合、カオリナイトの泥水に果物や野菜を入れ、密度が低くて浮かんできたものが腐った果物や野菜として除外され、沈んでいるものが使われる。従って洗浄が不十分であれば表面にカオリナイトが付着したままになり、その程度は表面の性質や形状に依存する。ワイン製造の際にも使われるが、ベントナイトなどのより使いやすいものがあるため頻度は希である。植物油の精製に使われた場合にはカオリナイトに含まれるダイオキシン類は植物油に移行する。従って汚染されていない材料を使う必要がある。

ジャガイモ中ダイオキシンについて
ドイツのジャガイモ中ダイオキシンのバックグラウンドレベルは0.01ng WHOPCDD/f-TEQ/kg (新鮮重量)で、この濃度は他の野菜起源食品で同レベルである。2002年野菜についてのEU規制値は0,4 ng WHO PCDD/F TEQ/kgでありバックグラウンドレベルより遙かに高い。この規制値を超えた場合は汚染源を特定し流通停止措置がとられる。オランダの「バックグラウンド濃度のわずかの上昇」はこの規制値より低く、消費者に対するリスクはない。また規制値以下のダイオキシン含量の製品の流通を停止させる理由はない。しかしながら食品中ダイオキシンレベルをできるだけ下げるために、汚染されたカオリナイトは最終的にほとんど製品に残らないとしても食品に使われるべきではない。今回のジャガイモ中ダイオキシンカオリナイトに由来するものかどうかについては、組成の詳細なデータを待たなければならない。