食品安全情報blog過去記事

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動物飼料中のヒ素に関するCONTAMパネルの意見

Opinion adopted by the CONTAM Panel on 31 January 2005
02 March 2005
http://www.efsa.eu.int/science/contam/contam_opinions/825_en.html
ヒ素は土壌や地下水や植物中に存在する天然元素で、アジアなどで地質学的に無機ヒ素の多い地域が知られている。ヨーロッパでは環境中ヒ素濃度は一部工業地域を除き比較的低い。ヒ素は-3、0、+3、+5の多様な原子価をもつメタロイドで、多様な性質のヒ素化合物を作る。無機ヒ素有機ヒ素は毒性が異なり、有機ヒ素の毒性は非常に低い。動物やヒトでの食品中ヒ素による有害影響は無機成分によるが、食品中のヒ素濃度としては総ヒ素濃度のみが報告されているためデータの解釈が難しい。飲料水中には主に無機ヒ素が含まれ、多くの国で上限が設定されている。ヒトの食品からのヒ素の摂取源としてはシーフードと魚が主なもので、動物飼料では魚あるいは海洋生物由来の製品がヒ素の主な要因である。
シーフードや魚ではヒ素は主にアルセノベタイン及びアルセノコリンと言った有機ヒ素化合物として存在し、実質的には無害である。海産物を原料にした飼料を除けば飼料中総ヒ素濃度は問題がないレベルである。海産物原料の飼料についてはヒ素の化学種の同定による無機ヒ素濃度データが必要である。食肉中無機ヒ素濃度は低く、ヒトのヒ素暴露源としては地上の動物由来の食品は重要ではない。


EU
Chemical Safety - Fraudulent Practices