食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

カリウムの最大耐容量について

Opinion adopted by the NDA Panel on 22 February 2005
16 March 2005
http://www.efsa.eu.int/science/nda/nda_opinions/852_en.html
カリウム電解質バランスや正常の細胞機能に必須の栄養素で、食品中には広く存在するためカリウム欠乏は非常に希である。カリウムは血圧調節に関与し、食品からのカリウム摂取量の増加は血圧を低下させる。
健康なヒトが1日1-5gのカリウムサプリメントを摂取した場合消化管症状がみられるが、症状の頻度や重さは用量よりも形態に依存する。健康な成人に5-7gのカリウムを一度に投与した場合は血しょうカリウム濃度の上昇・心機能変化・末梢神経症状が報告されている。
腎機能不全があり尿からのカリウム排出機能が低下している場合には一日1gのカリウムの摂取で血しょうカリウム濃度の増加による心機能への有害影響が報告されている。既存のデータからはカリウムの安全な摂取量上限を設定することはできない。
現在のヨーロッパ諸国でのカリウム摂取量推定からは食品由来のカリウム(大人で1日5-6g)による有害事象リスクは低い。健康な成人では一日3gのカリウムを塩化カリウムとしてサプリメントで長期間摂取しても有害事象は報告されていない。しかしながら5-7g/dayのサプリメントは心機能に影響があるという報告がある。また消化管症状は一日約1-5gのカリウムサプリメントで報告されている。
腎機能障害・運動による脱水・糖尿病その他カリウムバランスに影響のある代謝疾患などのある特定の集団では有害事象の感受性が高い。また高齢者も感受性が高い。