食品安全情報blog過去記事

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アメリカの「発ガン物質」との戦い:ヒトガンリスクを予想するために動物実験を用いることの再評価

America's War on "Carcinogens": Reassessing The Use of Animal Tests to Predict Human Cancer Risk
http://www.acsh.org/publications/pubID.990/pub_detail.asp
ACSHの本の紹介
March 2005出版ISBN: 0-9727094-4-4、15.95ドル
1959年、クランベリーにガンを誘発する物質が含まれるという発表があり、食卓に上る食品の安全性に疑問が持たれた。これがその後多発する「発ガン物質恐慌」の最初の事例であった。その後1958年デラニー条項(どんな動物においても癌を発生させることが発見された物質は食物中に混入させてはならないことを明細に記した米国法のFood Additive Amendmentの条項)の例のように大量に投与した場合に動物にガンを誘発する物質が次々と槍玉にあげられた。天然物でも合成物質でも、試験を行うたびに「発ガン物質」と分類しなければならないものが増えていった。しかし現在では動物への大量投与による発がん性はヒトでの微量暴露による発ガンリスクを予想するものではないと結論されている。こうした動物実験のありかたが見直されるまでの経緯を記した本。