食品安全情報blog過去記事

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イングランドとウェールズにおけるスコンブロトキシンscombrotoxinを含む魚による中毒の非季節性の増加

Unseasonal increase in scombrotoxic fish poisoning in England and Wales
http://www.hpa.org.uk/cdr/pages/news.htm#tuna
2004年12月から2005年6月の間に、イングランドウェールズから16のスコンブロトキシン中毒アウトブレークがHPAに報告された。38人が発症し3人の女性が入院した。通常スコンブロトキシン中毒は暖かい時期に貯蔵や取り扱い・調理不備で起こることが多く、この時期の発生は異常である。このアウトブレークは16のケータリング店と家庭1件で起こっており、14がツナを食べたことによる。そのうち6件は同じ業者から真空パックのツナを購入しており、この製品のヒスタミン濃度は30ppm以下であったが、残りの製品やツナマヨネーズなどの加工品は3000ppmを超える中毒レベルのヒスタミンを含んでいた。このことから、パックを開封した後での不適切な取り扱いが原因と考えられる。
スコンブロトキシン中毒はヒスタミンを多く含むScombridae科の魚(マグロ、サバ、ニシン、クロカジキ、ハガツオ、アジ類jack)を食べることによる中毒である。これらの魚には天然にヒスチジンが多く含まれており、それが保存条件が不適切だとヒスチジンデカルボキシラーゼ産生細菌によりヒスタミンに変換される。



ACAAI(American College of Allergy, Asthma and Immunology)プレスリリースより