食品安全情報blog過去記事

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大豆蛋白質・イソフラボン及び心血管系の健康 米国心臓学会栄養委員会の専門家向け科学的助言

Soy Protein, Isoflavones, and Cardiovascular Health An American Heart Association Science Advisory for Professionals From the Nutrition Committee
http://circ.ahajournals.org/cgi/reprint/CIRCULATIONAHA.106.171052v1
大豆蛋白質イソフラボン(植物エストロゲン)は心血管系リスクを下げるかもしれないという理由で注目されている。科学委員会は最近の大豆蛋白質イソフラボンに関する研究を評価した。22の無作為化試験では、大豆蛋白質は乳やその他の蛋白質に比べるとLDLコレステロールを約3%低下させる。これは平均1日50gという大量を投与していることを考えると非常に小さい。HDLやトリグリセリド、血圧などには有意な影響はない。大豆蛋白質イソフラボンの閉経期症状軽減作用は確認されておらず、大豆の閉経後の骨量減少に与える効果についても結果は様々である。乳ガンや子宮内膜ガン、前立腺ガンの予防や治療への有効性や安全性は確立していない。臨床試験による根拠は貧弱であり、有害事象の恐れがあるため慎重であるべきである。従ってイソフラボン強化食品やサプリメント錠剤などの使用は推奨できない。大豆蛋白質が他の蛋白質に比べて臨床上有用であることを示唆する初期の研究は確認されなかった。
一方大豆製品については多価不飽和脂肪酸や繊維・ビタミン・ミネラルを多く含み飽和脂肪酸が少ないことから心血管系や全体的健康にはメリットがあるであろう。


(日本ではトクホになってるイソフラボン添加食品は「薦めない」そうです。納豆や豆腐は普通に美味しくお食べ下さいとのことです。)


EurekAlert(http://www.eurekalert.org)より