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食品からのアルミニウム摂取とアルツハイマー病には関係はない

14.02.2006
http://www.bfr.bund.de/
アルツハイマーとアルミニウムの関係については何度も問題にされる。この疑惑は高濃度のアルミニウムが神経傷害作用があること、アルミニウムが血液脳関門を通過することなどを根拠にしている。しかしアルミニウムの摂取とアルツハイマーの関係は証明されていない。BfRは調理器具やアルミホイルなどの食品用器具のリスクを評価した。結果として食品用器具からのアルミニウム摂取量は少なく、消費者に健康危害を与えることはないと結論した。
評価文書は以下
http://www.bfr.bund.de/cm/216/kein_zusammenhang_zwischen_der_aluminium_aufnahme_aus_lebensmittelbedarfsgegenstaenden_und_alzheimer.pdf
アルミは地表で三番目に多い元素で、飲料水や食品中に天然成分として存在する。消費者は主に食品から摂取する。追加の摂取源としてアルミホイルや食品用器具などのアルミ含有製品や、いわゆる制酸剤と呼ばれる医薬品や化粧品にも含まれる。食品から摂取されるアルミニウムの毒性は低い。アルミニウムやその化合物は中性のpHでは溶けにくく、酸や塩類の存在で溶けやすくなる。
消費材中のアルミニウムの安全性については何度も批判的に報道されてきた。批判は主に老人斑でアルミニウムの濃度が高いとされるアルツハイマー病発症への関与の可能性についてである。高濃度のアルミニウムに神経傷害作用があること、アルミが血液脳関門を通過することからこの疑惑が正当化されている。BfRは調理器具や化粧品からのアルミ摂取量を推定し、食品や制酸剤からの摂取量に比較して非常に少ないこと、アルミの摂取量は生涯にわたって毒性影響が生じない摂取量であるTDIより少ないこと、アルミの摂取量の増加によるアルツハイマー病の増加は見られないこと、アルミと接触する機会の多い透析患者やアルミ製造関連労働者でもアルツハイマー病発症は平均レベルであることなどから化粧品や調理器具のアルミに健康上のリスクはないと結論した。
アルミニウムは酸や塩類の存在下で溶けやすいため、BfRは予防的措置のため、リンゴジャムやトマトピューレや塩漬けニシンなどを調理する際にはアルミホイルやアルミ調理器具を使用しないことを薦める。