Bad blood
24 February 2006
http://www.nature.com/news/2006/060220/full/060220-18.html
トリノ冬季オリンピックでの不法薬物や血液ドーピングの件。
12人のクロスカントリースキー選手の赤血球数が異常に高かった。さらにオーストリアのスキーチームの宿舎から注射筒や標識のない薬物、輸液セットが見つかった。
赤血球数の増加は体に酸素を運ぶヘモグロビンの増加により筋肉の酸素供給を増やすためスピードや持久力を増す。赤血球を増加させる方法として高地トレーニングがある。さらに合成エリスロポエチンの使用や他人や自分自身の濃縮赤血球輸液がある。
赤血球数が多いと血栓症リスクが高くなる。しかし元々赤血球数の多いヒトにIOC制限は適用されない。エリスロポエチンの検査は2000年のシドニーオリンピックから行われているが自己血輸血については検査方法はまだない。可能性としては若い赤血球と古い赤血球の比を調べることでわかるかもしれない。遺伝子ドーピングについては、 米国のOxford BioMedica社によるヒトEPO遺伝子製品Repoxygenがある。この製品は現時点ではまだ前臨床段階で、スポーツ界での使用はないと考えられている。しかし時間の問題であろうと専門家は語っている。
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