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Duddingtonia flagrans微生物製品の子ウシ用飼料添加物としての使用の安全性についてのFEEDAPパネルの意見

Opinion of the FEEDAP Panel on the safety of the micro-organism preparation of Duddingtonia flagrans, for use as a feed additive for calves in accordance with Council Directive 70/524/EEC
22 March 2006
http://www.efsa.eu.int/science/feedap/feedap_opinions/1411_en.html
Duddingtonia flagransは粘着性のある菌糸網で線虫を物理的に捕獲する線虫捕食性真菌類の一種である。この真菌類を意図的に牧草地に導入することで反芻動物や馬の病原性線虫の制御ができる。培養真菌の厚膜胞子を目的の動物に餌として与えると、食べられた胞子は出芽することなく消化管を通過し、糞として牧場に排出されてそこで出芽し捕獲網を持つ菌糸体を作る。これにより線虫の牧草への移行数を抑制し、動物への感染を防ぐ。
このDuddingtonia flagrans製品の標的動物・消費者・環境への安全性評価を依頼された。
製品中Duddingtonia flagrans厚膜胞子は1gあたり10^7個含まれる。推奨用量の10倍で100日間子ウシに投与した場合に有害事象は認められていない。この生物の代謝については詳細は不明であり、急性経口毒性データでは毒性は非常に低いが慢性毒性については一定の懸念が残る。そのためFEEDAPパネルは培養代謝物の90日間経口投与毒性試験のデータが必要であると考える。環境中には元々広く分布しており標的生物以外には検出できる影響はないと報告されているため、環境への有害影響はないと結論した。


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