食品安全情報blog過去記事

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ソフトドリンクのベンゼン

Benzene in soft drinks
18.04.2006
http://www.palvelu.fi/evi/show_inform.php?inform_id=366&lang=3&back=inform_frontpage.php%3Flang%3D3%23a366
2月末頃、ソフトドリンクの中で特定の条件でビタミンCと安息香酸ナトリウムが反応してベンゼンが生じる可能性についてのニュースが注目された。これら成分はソフトドリンクに添加物として普通に使用されており、天然にも食品中に存在する。
安息香酸ナトリウム(E 210 -E 213)は微生物汚染を予防するための保存料である。ア スコルビン酸(E 300 -E 302)は飲料の色や味を保持するための酸化阻害剤として使用されている。
EU諸国や飲料業界はソフトドリンクやジュースのベンゼン濃度について調査を行った。

ベンゼンとは何か?
ベンゼンは神経毒性がある発ガン物質で、多様な発生源がある。英国保健省によれば一日のベンゼン摂取量は約400 microgである。ほとんどは呼吸により摂取されるもので車の排気ガスと喫煙が主な原因である(タバコ1本の煙にはベンゼンが50-150microg含まれる)。米国の評価では人々が食品から摂取するベンゼンの量は毎日5 microgである。
ベンゼンの最大規制値は飲料水にのみ設定されている。WHOによる規制値は10microg/Lであるが米国FDAは5 microg/L、フィンランドを含むEU諸国は1 microg/Lである。ソフトドリンクや他の食品にベンゼンの最大規制値は設定されていない。

調査
フィンランドではこれまでHartwall、Marli、Olvi、Sinebrychoff、VIP-Juicemaker、 Coca Cola、PepsiCo社の約40検体を調査した。意図的に高温で長期間保管した検体についても調査した。
5検体のジュースのベンゼン濃度は全て1 microg/L未満であった。市販されている製品のほとんどについても1 microg/L以下であった。高い濃度のベンゼンが検出された検体については業者が製造の処方や保管期間について評価を始めている。フィンランド食品局は10 microg/Lを超えてベンゼンを含む製品については回収することを薦めている。
飲料業界は独自の調査を継続しており、フィンランド食品局は他のメーカーの製品についてもベンゼン濃度を調査することを決定した。結果はEUに報告され、何らかの対応が必要かどうか議論されるだろう。



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